【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 活路は個人の“主戦場”中小型株にあり!
株式アドバイザー 北浜流一郎
「活路は個人の“主戦場”中小型株にあり!」
●悪材に過敏に反応するマーケット
マザーズのスター銘柄だったサンバイオ <4592> [東証M]の暴落がようやく止まったと思ったら、今度は東証1部銘柄のレオパレス21 <8848> の急落だ。
そしてもう1銘柄。五洋建設 <1893> がある。
サンバイオは開発中だった新薬の薬効が証明されずに売られ、レオパレス21は施工不良で売られと、ともに急落は理解できる。
ところが、五洋建設の場合、7日引け後に発表された19年3月期第3四半期(10-12月)決算で、増収ながら減益となったことが売り要因だ。
期待外れの業績が売り要因になることはもろん理解できる。しかし、一時ストップ安まで売り込まれるようなことかと言いたい。通期予想は増収増益予想を据え置いてもいることであるし。
しかし、市場の反応は厳しく、大きく売り込まれているわけだが、ここには現在の東京市場のマインドの弱さが現れていると見てよい。
つまり、ちょっとしたネガティブ材料にも過敏に反応する。こんな状況であり、日経平均株価もなかなか節目の2万1000円台に乗れないのが実際だ。
それに主力銘柄であるトヨタ自動車 <7203> やソニー <6758> 、三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> など主力株の低迷が続いていることも残念という他ない。
17年ぶりに自社株買いを実施するとの一部報道で株価が堅調高となっていた旭化成 <3407> も、ここにきて急落してしまい、自社株買い期待による上昇はなんだったのかと言いたくなるような失速ぶりだ。
●二極化の中で選ぶべき銘柄
これらはいずれも納得しがたいところが多々あるものの、市場の反応は「絶対」だ。素直に受け入れざるを得ないが、それでは株式投資で儲けることなど不可能、こうなってしまうが、もちろんそうはならない。
改めて書くまでもなく、主力株以外の銘柄が多数あるからで、それらとしっかりつき合っていけばよいことになる。
現在の東京市場は、機関投資家たちが手掛ける主力株が総じて低迷、個人が手掛ける中小型株が意外に元気。こんな二極構造になっているため、投資で勝つには後者の銘柄に目を向けた方が儲かりやすくなる。
その好例が、今年の魅力テーマである「5G」に絡むことで買われたアンリツ <6754> の急騰になる。
そこで、ここでの注目は、まずはやはり5G関連銘柄の中から通信関連の計測機器に強いアルチザネットワークス <6778> [東証2]だ。
昨年も主要テーマの一つだったものの、関連株の値動きは期待したほどではなかったIoTでは、ネットワンシステムズ <7518> がある。
自動車株は主力銘柄が多いために総じて軟調ながら、部品株は別だ。自動車需要そのものも落ちていないことから部品も需要を伸ばしている。
そこで注目は、自動車用アンテナで首位の原田工業 <6904> だ。
液体ミルクの製造販売で先行している江崎グリコ <2206> も、現在水準ならなお上昇余地ありと見てよい。
製造ラインへの人材派遣と製造請け負いが順調で、国内展開だけでも十分と言えたが、積極的に海外展開中のアウトソーシング <2427> も緩やかな浮上を続ける可能性が高いと見てよい。
2019年2月8日 記
株探ニュース