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【特集】個別株物色意欲は旺盛、業績増額修正&低PERの元気印銘柄をロックオン!<株探トップ特集>

全体指数の上値は重いものの実態が良好な銘柄は個別に上値を慕う動きが目立つ。佳境を迎えている4~12月期決算発表に合わせ、通期業績予想の上方修正に踏み切った企業を改めて注目。

―米株高とドル安・円高で環境改善、好業績割安株に押し寄せる水準訂正高の波に乗れ―

 5日の東京株式市場は、前日のNYダウ平均株価が続伸したことや外国為替市場での円安・ドル高進行を好感して買い先行のスタートとなった。しかし、現地5日(日本時間6日)のトランプ米大統領の一般教書演説を意識して次第に手控えムードが強まり、上値の重い推移となり日経平均株価は前日比39円32銭安の2万844円45銭と4日ぶりに小幅反落した。そうしたなかでも、佳境を迎えている19年3月期第3四半期累計(4-12月)決算の発表に伴い個別銘柄への物色意欲は根強い。通期予想経常利益の上方修正に踏み切った好業績、割安銘柄に注目した。


●ホリイフード、営業時間適正化や店舗閉鎖に伴う固定費削減が寄与

 北関東を地盤に居酒屋、レストランチェーンを展開するホリイフードサービス <3077> [JQ]は1月30日、19年3月期通期の単体業績予想の修正を発表した。売上高は68億9100万円から66億8200万円(前期比1.9%減)へ小幅下方修正となったものの、経常利益は2億2300万円から3億円(同3.2倍)へ、最終損益を1億5200万円から2億3000万円(前期は4億800万円の赤字)へ上方修正した。前期から実施した広告宣伝の強化により、既存店舗の売上高は改善傾向にあるものの、計画外の店舗閉鎖などにより、売上高は当初予想を下回る見込み。一方、営業利益・経常利益・最終利益については、効率改善を目的とした営業時間の適正化による人件費の減少、店舗閉鎖に伴う固定費の削減などにより販売費および一般管理費が減少し、当初予想を上回る見込みとなっている。

●バッファロー、一部路線のチェーン装着義務化に伴い需要増加

 カー用品のオートバックスのフランチャイズ店を展開するバッファロー <3352> [JQ]は1月31日、19年3月期通期の単体業績予想の上方修正を発表した。売上高を84億7800万円から86億8200万円(前期比0.4%減)へ、経常利益を3億2000万円から4億2000万円(同4.5%増)へ、最終利益を2億1000万円から2億8300万円(同7.6%増)へ増額した。第3四半期累計期間では、昨年末に到来した全国的な寒波や大雪時での一部路線のチェーン装着義務化に伴い、スタッドレスタイヤやタイヤチェーンなどの冬季カー用品の需要が増加したこと、また、「ボディコーティング」や「ヘッドライトコーティング」といった車体の「美観」に関わるピットサービスメニューの拡販などにより車検・サービス部門の売り上げが順調に伸長したことから当初の販売予想を上回った。

●東洋BENG、顧客の堅調な情報化投資を背景に受注が計画上回る

 東洋ビジネスエンジニアリング <4828> は1月31日、19年3月期通期の連結業績予想について、売上高を147億円から152億円(前期比12.8%増)へ、経常利益を8億7000万円から10億5000万円(同45.4%増)へ、最終利益を5億5000万円から6億6000万円(同36.4%増)へ上方修正した。顧客企業の堅調な情報化投資を背景に、受注が計画を上回って推移しており、売上高・利益を押し上げている。また、業績予想の上方修正に伴い、従来13円を予定していた期末配当を6円増額して19円にすると発表している。

●合同鉄、メタルスプレッドの拡大が利益上方修正に寄与

 合同製鐵 <5410> は1日、19年3月期通期の連結業績予想の修正を発表した。経常利益を50億円から55億円(前期比2.6倍)へ、最終利益を40億円から42億円(同14.9%減)へ上方修正した。ただ、売上高予想の1500億円(同15.6%増)は据え置いた。メタルスプレッド(製品出荷価格と原料購入価格の差)が当初計画に比べ拡大することや、コスト削減の進捗により、営業利益および経常利益が前回公表予想値を上回る見通しとなった。

●東洋シヤタ、自然災害多発でシャッター修理需要が増加

 東洋シヤッター <5936> は1月28日、19年3月期通期の連結業績予想について、売上高を190億円から210億円(前期比10.3%増)へ、経常利益を5億円から11億円(同46.1%増)へ、最終利益を3億円から7億円(同42.9%増)へ上方修正した。18年9月以降に多発した大型台風の影響で、シャッター修理需要が急激に高まったことで受注契約高が増加したことに加えて、受注済み案件の採算改善に努めたことが寄与している。

●santec、北米および中国向けテレコム用光モニタ製品が好調

 光通信用部品と光測定器を手掛けるsantec <6777> [JQ]は1月31日、19年3月期通期の連結業績予想の上方修正を発表した。売上高を47億円から52億5000万円(前期比13.9%増)へ、経常利益を7億1000万円から9億円(同26.1%増)へ、最終利益を5億7000万円から6億5000万円(同16.9%増)へ増額した。北米および中国のテレコム用光モニタ製品と国内向け産業用OCTシステムの売上が好調に推移していることに加え、医療機器関連の開発受託案件、米ドル・円の為替相場が想定に比べて円安傾向で推移したことなどが寄与している。

●NF回路、電源システムや電子デバイスが堅調推移

 エヌエフ回路設計ブロック <6864> [JQ]は1月30日、19年3月期通期の連結業績予想の上方修正を発表した。売上高を108億円から113億円(前期比11.9%増)へ、経常利益を12億円から13億円(同17.2%増)へ、最終利益を8億円から8億7000万円(同5.8%増)へ増額した。受注および売上高が、電源システム分野や電子デバイス分野で堅調に推移した結果、売上高および営業利益・経常利益・最終利益について、それぞれ従来予想を増額した。

●日本アンテナ、4Kテレビ向けなどでアンテナ出荷台数が増加

 日本アンテナ <6930> [JQ]は1日、19年3月期通期の連結業績予想の上方修正を発表した。売上高を149億円から164億円(前期比14.2%増)へ、経常利益を2億7000万円から6億5000万円(同4.2倍)へ、最終利益を1億6000万円から5億5000万円(同2.9倍)へ増額した。放送関連機器に関しては、 4Kテレビや有機ELテレなどの出荷台数が増加し、BS/CSアンテナの出荷台数も好転している。また、新設住宅着工戸数も回復基調にあり、事業環境の改善がみられる。通信用アンテナでは、民需向けは、通信事業者向け基地局アンテナや通信モジュール用アンテナが期初に比べ好調に推移しており、官需向けデジタル無線用アンテナも底堅い動きとなっている。

◆主な19年3月期通期経常利益上方修正銘柄◆
銘柄 <コード>    修正前 修正後 増益率  株価  PER
ホリイフード <3077>  223   300   3.2倍  664  16.4
バッファロー <3352>  320   420   4.5   900   7.1
東洋BENG <4828>  870  1050  45.4  1901  16.8
合同鉄 <5410>     5000  5500   2.6倍 1795   6.3
洋シヤタ <5936>    500  1100  46.1   707   6.4
santec <6777>  710   900  26.1  1199  21.7
NF回路 <6864>    1200  1300  17.2  1602  12.3
日本アンテナ <6930>  270   650   4.2倍  900  18.0
太平洋工 <7250>   10500  10800  13.9  1783  13.8
魚力 <7596>      900  1300   11倍 1428  20.7
ソニーFH <8729>   83000  92000  37.6  2129  15.4
SGHD <9143>   71500  74000  14.1  3030  22.6
宇徳 <9358>      3200  3500   2.2   549  10.3
NCS&A <9709>   500   700   3.8倍  490  16.4
※株価は5日終値、単位:100万円、%、円、倍

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