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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):東京製鉄、信越化、サンバイオ

東京製鉄 <日足> 「株探」多機能チャートより
■東京製鐵 <5423>  904円  +20 円 (+2.3%)  本日終値
 東京製鉄<5423>は続伸。SMBC日興証券は29日、同社株の投資評価「1」、目標株価1160円をそれぞれ継続した。22日に発表された19年3月期会社計画の増額修正や自社株買いなどの好材料は株価に織り込み済みとみているものの、電炉を取り巻く鋼材・原料市場の「適温相場」は継続しそうだ、との見方を示している。国内の建設用鋼材の良好な需給は継続する可能性が高いうえに、世界的な景気減速による原材料のスクラップ需給の緩和状況は継続し、高スプレッドは続く可能性が高い。高炉の操業トラブル影響もあり、同社の生産シェアは上昇基調が続くとみている。20年3月期上期に高炉が支給材の値上げに成功すれば、薄板は高値を維持する可能性もある、と予想。これを受け、19年3月期営業利益は会社計画の150億円に対して163億円(前年比55.6%増)に再度増額修正されると予想している。

■信越化学工業 <4063>  9,274円  +188 円 (+2.1%)  本日終値
 信越化学工業<4063>が反発。29日の取引終了後に発表した第3四半期累計(18年4~12月)連結決算が、売上高1兆2068億4200万円(前年同期比13.7%増)、営業利益3246億2200万円(同33.4%増)、純利益2421億2700万円(同39.7%増)と大幅増益となったことが好感された。塩ビ・化成品事業で、米シンテック社の塩化ビニルやか性ソーダの高水準の出荷が続いたことに加えて、欧州拠点も好調だったことが寄与した。また、半導体シリコン事業で堅調な出荷が継続したことや、製品価格の修正を行ったことも利益を押し上げた。なお、19年3月期通期業績予想は、売上高1兆5600億円(前期比8.2%増)、営業利益3900億円(同15.8%増)、純利益2900億円(同8.9%増)の従来見通しを据え置いている。

■NSD <9759>  2,240円  +38 円 (+1.7%)  本日終値
 NSD<9759>が後場上げ幅を拡大。午後2時ごろに、23万株(発行済み株数の0.55%)、または5億円を上限とする自社株買いを発表しており、これを好材料視した買いが入った。取得期間は1月31日から2月28日までで、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能にするとともに、株主への一層の利益還元を図るのが目的としている。また、同時に発表した第3四半期累計(18年4~12月)連結決算が、売上高460億7900万円(前年同期比6.8%増)、営業利益63億4300万円(同11.5%増)、純利益42億100万円(同9.5%増)と2ケタ営業増益だったことも好感されている。金融業やサービス業、運輸業、電気・ガス業からの受注が大幅に増加しシステム開発事業が伸長したほか、子会社の株主優待サービス事業の受注増加やジャパンジョブポスティングサービス(現ステラス)の連結子会社化でシステムサービス事業も好調に推移し、業績を押し上げた。なお、19年3月期業績予想は従来見通しを据え置いた。通期業績は売上高613億円(前期比5.5%増)、営業利益84億4000万円(同6.6%増)、純利益56億7000万円(同5.6%増)を見込んでいる。同時に、21年3月期を最終年度とする中期経営計画の数値目標について、売上高を630億円から665億円へ、営業利益を85億円から93億円へ上方修正している。

■ダイフク <6383>  5,310円  +80 円 (+1.5%)  本日終値
 ダイフク<6383>が3日ぶりに反発。きょう付けの日本経済新聞朝刊で「2018年4~12月期の連結営業利益は前年同期を約3割上回る350億円強だったようだ」と報じられており、同期間としては過去最高となるとの観測が好材料視されたようだ。記事によると、インターネット通販の成長に伴い、物流倉庫向けの自動化システムが収益を押し上げたとしている。なお、決算発表は2月8日を予定している。

■東京エレクトロン <8035>  15,300円  +155 円 (+1.0%)  本日終値
 東京エレクトロン<8035>が売り物をこなし前日比プラス圏で推移。米国株市場では画像処理半導体大手のエヌビディアが18年11月~19年1月期の売上高見通しを大幅に下方修正したことを受け、株価を大きく下げており、これを背景に東京市場でも半導体関連セクターの業績先行きに対する警戒感が改めてくすぶる状況にある。ただ、市場コンセンサスとして半導体セクターの見通しの悪さは多分に織り込んでいる。東エレクはあす18年4~12月期の決算発表を行う見通し。この結果と同社の先行きに対するガイダンスを見極めたいとの思惑から積極的な買いは入りにくいが、一方で、悪材料出尽くしの動きに備えた空売り筋によるショートカバーの動きも観測される。

■沖縄セルラー電話 <9436>  3,875円  +30 円 (+0.8%)  本日終値
 沖縄セルラー電話<9436>はしっかり。29日の取引終了後、19年3月期の連結業績予想について、売上高を655億円から665億円(前期比2.0%増)へ、営業利益を125億円から129億円(同3.6%増)へ、純利益を87億円から88億円(同1.8%増)へ上方修正したことが好感された。auのラインアップとサービスの充実、ネットワーク品質の向上などに取り組んだことで、au通信ARPA及び総契約数が増加していることが牽引する見通し。総販売台数の増加に伴う販売関連費用の増加を吸収して、利益も増額する見込みとした。なお、同時に発表した第3四半期累計(18年4~12月)決算は、売上高500億1500万円(前年同期比3.2%増)、営業利益104億7800万円(同5.9%増)、純利益72億7300万円(同6.9%増)だった。

■リクルート <6098>  2,819.5円  +11.5 円 (+0.4%)  本日終値
 リクルートホールディングス<6098>が全体軟調相場のなかも頑強な値運び。2800円近辺を横に走る25日移動平均線をサポートラインに4日続伸となっている。総合人材サービスの最大手でM&A戦略を駆使して業容を広げている。メディア&ソリューション事業では美容分野の需要開拓が続いている。また、求人情報検索サイト「インディード」の伸びが顕著で収益拡大に貢献しているが、同部門は「来期も売上高ベースで4割以上の伸びが期待できる」(国内中堅証券)という。米グーグルによる日本の求人サービス業界参入も、データ蓄積で大きく先行しているインディードへの影響は限定的との見方が強い。

■サンバイオ <4592>  8,710円  -3,000 円 (-25.6%) ストップ安   本日終値
 サンバイオ<4592>がストップ安。同社と大日本住友製薬<4506>は29日の取引終了後、慢性期脳梗塞を対象として米国で開発中の再生細胞医薬品「SB623」のフェーズ2b臨床試験について、主要評価項目を達成できなかったという解析結果の速報を得たと発表した。同試験は、慢性期脳梗塞に伴う運動機能障害の患者163例を対象に、有効性および安全性を検討したもの。その結果、安全性の問題は認められなかったものの、有効性について統計学的な有意差を示さず、主要評価項目を達成できなかったとしている。なお、結果を踏まえてサンバイオでは、慢性期外傷性脳損傷プログラムについては、第2相試験(STEMTRA試験)で良好な結果を得ているため、引き続き同開発を進めるとしている。また、その他の疾患については、開発の方法及び期間並びにこれらに必要な資金の見直しを行うとしている。

■ヘリオス <4593>  1,602円  -236 円 (-12.8%)  本日終値
 ヘリオス<4593>、JCRファーマ<4552>など再生医療分野に展開する銘柄が急落したほか、そーせいグループ<4565>、スリー・ディー・マトリックス<7777>、ペプチドリーム<4587>、ラクオリア創薬<4579>、ナノキャリア<4571>などバイオ関連が軒並み大きく値を下げる展開となった。東証マザーズ市場で群を抜く時価総額を誇っていたサンバイオ<4592>が、再生細胞薬「SB623」の慢性期脳梗塞を対象とする臨床試験で「主要評価項目を達成できなかった」と29日引け後に発表、これを嫌気して同社株はストップ安となっており、この流れがバイオベンチャー株全般に波及している。バイオ関連株の影響が大きく反映されやすいマザーズ指数も前引け時点で7.3%安に売り込まれている。

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