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【特集】佐藤正和氏【崩落相場へ突入か? 日経平均1000円安の先】(2) <相場観特集>

佐藤正和氏(外為オンライン シニアアナリスト)

―2万円大台割れで下げ加速局面に、ここからの展望は―

 週明け25日の東京株式市場は一気に下げが加速、日経平均株価は1000円を超える下落となり2万円大台はおろか、1万9000円台割れも視野に入れる暴落となった。米国株市場では世界景気の減速懸念に加え、トランプ米大統領による政権運営の先行きに対する不安も浮上、弱気相場入りの様相を強めている。為替が急速にドル安・円高に振れていることもあって日本株への逆風はこれまでになく強い。2019年相場に向け、投資家はどういうスタンスで臨めばいいのか、先読みに定評のあるベテラン市場関係者の意見を聞いた。

●「トランプ政権への不安感高まる、1ドル109円台の円高進行も」

佐藤正和氏(外為オンライン シニアアナリスト)

 年初1月のドル円相場はドル安・円高の進行を予想している。1ドル=112~114円のレンジ相場が続いたが、年末に入り円高方向に一気に振れてきた。この動きは、なお続くとみている。

 NYダウなど株価の下落が止まらないことが、ドル安・円高の背景となっている。この要因のひとつにはトランプ政権への不安感がある。米政府機関の閉鎖やマティス国防長官の辞任、米中貿易摩擦への警戒感など不安感は強まっている。

 また、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、期待したほど利上げに慎重なハト派姿勢がみられなかったことが嫌気された。

 今後は来月4日に発表される12月米雇用統計やFOMC(29~30日)などが注目されよう。市場は、米連邦準備制度理事会(FRB)が、利上げ打ち止めを表明することを求める”催促相場”に入りつつあるとみている。

 また、英国は1月21日までに欧州連合(EU)からの離脱に向け議会承認を得る必要があり、今後の展開も注目される。

 この先1ヵ月程度のドル円のレンジは109円00~112円00銭を見込んでいる。トレンドはドル安・円高だろう。

 ユーロ・ドルは1ユーロ=1.12~1.15ドルを見込む。ドル安が進むなかユーロは堅調に推移しそうだ。対円では1ユーロ=123円00~128円00銭を予想する。トレンドはユーロ安・円高をみている。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(さとう・まさかず)
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。通算20年以上、為替の世界に携わっている。

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