【特集】暴落だからこそ買い場! 株主優待&配当利回りで買う有望株リスト <株探トップ特集>
週明け25日の東京株式市場は日経平均株価が1000円を超える暴落となったが、ここは冷静に買い場を提供している銘柄を探したい。株主優待や高配当利回りで「4%超」の企業は要注目となる。
―日経平均急落局面で魅力高まる株主還元に積極的な企業、インカム狙いで株価リバウンドも合わせ取り―
3連休明け25日の東京株式市場は米国市場急落と円高進行などを受けリスクオフ一色の展開となり、日経平均株価は前週末比1010円安の1万9155円と暴落、終値ベースで1年8ヵ月ぶりの安値水準に沈んだ。世界景気の先行きに対する警戒感は強く、相場全体の下落基調は長引くことが懸念される。ただ、中長期的な視点から見ると、急ピッチな株価下落局面は配当や株主優待といったインカムゲインを狙うには拾い場となる可能性が高い。今回は相場下落で上昇している株主優待の利回りに着目し、株主優待と配当の合計利回りが4%を超える銘柄をリストアップした。
●株主優待と配当の高利回り銘柄は下落相場で強みを発揮
株主優待は上場企業が配当のほかに自社商品などを贈るサービスで個人投資家に人気の高い制度となっている。企業側としては優待制度を通じて長期保有をしてくれる株主や自社のファンを増やす狙いがあり、小売業や食品関連など内需セクターを中心に積極活用する企業が増えている。25日現在で株主優待制度を設置する企業の数は1480社と全上場銘柄のおよそ4割に上る。
株主優待の利回りは、年間ベースの優待内容金額換算額を優待獲得に必要な最低金額で割って求める。例えば、優待品が5000円分のクオカード、優待取得に必要な株数が100株、株価が1000円の場合、優待利回りは5%となる。優待利回りは配当と同じく、株価が下がれば下がるほど高くなることから、高利回り銘柄は下値では買いが入りやすいとされる。
●これから権利確定月を迎える2月と3月の優待銘柄に注目
株主優待の権利確定月が最も多いのは3月で、次いで9月、12月、2月と続く。以下では、2月と3月に株主優待、配当の権利確定月を迎える企業の中から、株主優待と配当を合算した利回り(トータル利回り)が4%を超え、かつ業績が堅調で株主優待と配当の減額リスクが少ない銘柄を選び出した。
※併記した「トータル利回り」「最低投資金額」は25日現在の優待品、配当、株価から算出
【あさひ】 トータル利回り:4.34% 最低投資金額:12万4500円
自転車店「サイクルベースあさひ」を全国展開するあさひ <3333>は100株以上を保有する株主を対象に、保有株数に応じて4000円から4万円相当の買い物券を贈呈する。株主優待と配当の権利確定月は2月の期末一括で、権利確定日の2月20日に100株保有していると4000円相当の買い物券と1400円の配当金を受け取ることができる。19年2月期の経常利益は前期比18.6%増の41億6000万円を見込む。25日に発表した第3四半期累計(3-11月)決算で同利益は前年同期比14.7%増と好調をキープ、4期連続の増収増益が確実とみられる。
【アダストリア】 トータル利回り:4.49% 最低投資金額:17万8300円
カジュアル衣料大手アダストリア <2685> の優待品は自社ブランド店「ニコアンド」「グローバルワーク」などで利用できる買い物券で女性を中心に高い人気を誇る。毎年2月末に100株保有していると3000円相当、最大1万株保有で2万円相当が贈呈される。19年2月期は前期に実施した構造改革効果で、経常利益は前期比60.3%増の87億円に回復する見通しだ。足もとの既存店売上高は11月まで4ヵ月連続プラスと好調に推移しており、28日に予定する3-11月期決算に注目が集まる。
【カッパクリエ】 トータル利回り:4.67% 最低投資金額:12万8500円
回転すし大手のカッパ・クリエイト <7421> は100株以上保有する株主に対し、親会社コロワイド <7616> のグループ店舗(一部を除く)で利用できる優待ポイントを、保有株数に応じて半年ごとに3000ポイントから1万2000ポイント付与する。ポイントは株主専用サイトで各地特産品と交換することも可能だ。足もとの業績はサイドメニューの強化で客単価上昇に成功し、19年3月期中間期の経常利益は前年同期比93.2%増の7億3400万円と急回復している。なお、今期の配当見通しは開示しておらず、仮に配当を前期と同額実施するとトータル利回りは5%を超える。同じくコロワイド傘下で同等の株主優待を実施するアトム <7412> [東証2]も併せてチェックしたい。
【スクロール】 トータル利回り:5.88% 最低投資金額:3万4000円
続いて紹介するのは生活協同組合会員向けのカタログ通販を主力とするスクロール <8005> 。優待品は買い物券で、100株以上保有株主に対し、保有株数に応じて500円から5000円分を年2回(3月と9月)贈呈する。また、長期保有特典があり、9月末時点で1年以上継続保有する株主には保有年数に応じて500円から6000円分が追加される。優待獲得に必要な最低金額は3万円台とお手軽に購入できることも注目ポイントだ。19年3月期の業績はM&A効果やコスト管理の徹底などを通じ、経常利益は前期比71.5%増の25億円に拡大を見込む。2000年3月期に記録した最高益26億6200万円を射程圏内に捉えており、19年ぶりの最高益“大復活”にも期待がかかる。
【プロパティA】 トータル利回り:7.17% 最低投資金額:7万1100円
プロパティエージェント <3464> は毎年9月末に100株以上を保有する株主に対し、一律3000円分のクオカードを贈呈するが、19年3月末は上記に加え、東証1部指定を記念し、記念株主優待と配当増額を実施する。200株以上を保有する株主にはクオカード1000円分を追加で贈呈するほか、配当では期末一括配当に記念配当5円が上積みされる。株価は低迷が続くものの、19年3月期経常利益は8期連続で過去最高益を更新する見通しであり、業績と株主還元面を意識した巻き返しに期待したい。
【ショーエイ】 トータル利回り:4.65% 最低投資金額:8万6000円
プラスチックフィルム包装資材の専門メーカーであるショーエイコーポレーション <9385> [東証2]も株主への利益還元に積極姿勢をみせる。同社は11月6日に株主優待制度の拡充を発表。従来は100株以上保有株主に対し、クオカードを年間1000円分贈呈していたが、19年3月末からはクオカードの金額を年間2000円分に倍増する。また、19年3月期は堅調な業績を踏まえて期末一括配当を10円積み増す方針とした。なお、同社は東証1部への市場変更の準備を進めており、1部昇格候補としてもマークしておきたい。
【ランドコンピ】 トータル利回り:5.51% 最低投資金額:7万8000円
ランドコンピュータ <3924> は19年3月末を基準日とする株主優待から制度を変更する。新制度では100株以上を保有する株主を対象に、保有株数と保有期間に応じて2500ポイントから1万6500ポイントの株主優待ポイントを付与。ポイントは専用サイトで食品や電化製品、ギフトなどと交換できる。なお、同社のポイント制度はウィルズ社が提供する「プレミアム優待倶楽部」を採用しており、ウィルズコインとの交換により他社ポイントと合算しての利用が可能だ。業績は金融・公共向けシステム開発の受注が好調なうえ、不採算案件も収束しており、19年3月期中間期の経常利益は前年同期比43%増益の1億9300万円に拡大している。
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