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【通貨】欧米為替見通し:ドル・円は上げ渋りか、米利上げ継続も不安定な株価を嫌気

ドル円 <日足> Slowストキャス 「株探」多機能チャートより

18日の欧米外為市場では、ドル・円は上げ渋る展開を予想したい。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨から利上げ継続姿勢が示され、ドルが買われやすい地合いとなる見通し。ただ、米国の長期金利上昇を嫌気して米国株の不安定な値動きが目先も続けば、ドル買いは弱まる可能性もあろう。

前日公表された9月25-26日開催の米FOMC議事要旨は、中立金利の到達時期をめぐり見解は分かれているものの、足元の景気認識やそれに基づく目先の引き締め姿勢は全員一致。12月の会合では今年4回目の利上げが見込まれる。こうした連邦準備制度理事会(FRB)の強気な見解を背景に、NY市場では米10年債利回りが3.20%台まで上昇し、ドル・円を112円60銭台まで押し上げた。反面、NYダウなど株価は下落基調となり、ドル・円の上昇は抑えられた。本日アジア市場では、FRBの利上げ継続観測でドル買いが先行したが、日本と中国の株安で円買いとなり失速。今晩の欧米市場も株安を嫌気した地合いとなりそうだ。

また、FRBのタカ派姿勢を背景に、欧州通貨のドルに対する下落基調も鮮明になるだろう。特に、英国の欧州連合(EU)離脱に関する交渉では本日の欧州理事会での合意は難しいとの見方が大勢であり、ポンドは売り優勢の展開が見込まれる。前日発表された英国のインフレ指標が低調な内容となったことで追加利上げ観測は後退しており、ポンド売りが強まる可能性もある。その際にはユーロも売られ、クロス円が弱含み、ドル・円を下押しする見通し。一方、米トランプ政権は前日発表した為替報告書で中国の為替操作国認定を見送った。それを受け、米中の対立激化が緩和されるとの思惑で円買いが弱まることも考えられ、ドル・円の下げは小幅にとどまる可能性もある。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・17:30 英・9月小売売上高(自動車燃料含む)(前月比予想:-0.4%、8月:+0.3%)
・21:30 米・10月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(予想:20.0、9月:22.9)
・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:21.2万件、前回:21.4万件)
・22:05 ブラード米セントルイス連銀総裁講演(米国経済見通し)
・23:00 米・9月景気先行指数(前月比予想:+0.5%、8月:+0.4%)
・01:05 クオールズ米FRB副議長講演(米国経済見通し)
・EU首脳会議(最終日)
・ASEM首脳会議(19日まで)

《FA》

 提供:フィスコ

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