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2018年10月06日19時30分

【特集】新章突入「AI革命」、RPA関連“大化け候補”5銘柄+1 <株探トップ特集>

急速に投資テーマとして浮上しつつあるRPA関連。日経平均2万4000円達成後の調整で拾い場となる東京市場で、注目の銘柄を追った。

―上昇トレンド変わらず調整は拾い場、中小型株物色シフトで物色に火―

 週末5日の東京株式市場は、前日の米国株が波乱含みの下げをみせたことで、日経平均は3日続落となった。米長期金利の上昇ピッチが速く、これが日本株にとっても輸出主力株中心に重荷となっている。しかし、強い米国経済が今回の日米株上昇の原動力となっていることは今さら言及するまでもない。その副作用である金利の上昇によって押し目は形成したとしても、大きな歯車を逆回転させるようなトレンドの転換はない。つまり、足もとの調整は拾い場である。

 ただし、物色の流れは主力株から再び中小型株にシフトされる契機にはなりそうだ。そこで注目したいのは内需のIT投資関連。特にここ急速に投資テーマとして浮上しつつあるRPAに照準を絞りたい。

●RPAの市場拡大はAI全盛時代の入り口

 RPAとはRobotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)の頭文字をとったもの。ロボット(広義の人工知能=AI)が業務の自動化を担うという定義で、主に人事や総務、経理といったホワイトカラー業務をオートメーション化して、生産性を高める。古くからあるFA(ファクトリーオートメーション)が工場での物理的な作業を代行するのに対し、これは活躍の舞台をバックオフィスに代えた、いわばAIによる頭脳系代行業といってよい。米国のRPAベンダーであるオートメーション・エニーウェアなどが2000年代に入ってから開発を進め、英国ではブルー・プリズムが同分野で先行している。

 工場など生産現場でのプロセスにとどまらず、人間が行っていたパソコン業務、しかもソフトをまたいで行うやや複雑なルーティーン業務をAIが一括して引き受けて代行するというのがRPAだ。ERPなどの業務効率化と異なるのは、業務フローの変更作業を必要としない点。また、業務フローが変わった場合にも即応することができて導入が容易、なおかつタイムラグを伴わず効果を出せる。データ入力など膨大な手作業が必要な銀行やコールセンター業界に高いニーズがあり、いまや両業界をはじめ燎原の火のごとく企業の導入が進み始めている。

 RPAは「デジタルレイバー」ともいわれるが、まさにAI社会の到来を象徴するこの別称がしっくりくる。今後は、このデジタルレイバーがさらに高度化し、活躍する範疇を一段と広げていく可能性が高い。向こう20年の間に、現存する職業の5割がRPAによって代替可能という見方もある。ホワイトカラー業務を代行するRPAの普及はAI全盛時代への入り口に立ったことを示唆している。

●労働人口減少のなか時代の要請に応える

 もう少し短いタームでみても、東京五輪から5年後の2025年までに全世界で1億人以上の知的労働者もしくは3分の1の仕事がRPAに置き換わるといわれる。日本では25年に580万人強の労働者が不足する見通しで、これが普及のスピードを後押しすることは自明だ。現在RPAソフトで先駆する欧米に続き“ホワイトカラー革命”がこれから日本に押し寄せてくる公算は大きい。とりわけ少子高齢化のトップランナーでもある我が国は、労働人口減少による趨勢的な人材不足に悩まされる宿命にある。そのなか、安倍政権の掲げる「働き方改革」を強力に側面支援するRPAは、株式市場でも投資テーマとして脚光を浴びるのが必然の流れといえる。

 企業の求人需要、特に近年ではIT系人材ニーズの高さが際立っているが、人材派遣ビジネスを手掛ける企業もまた大手を中心にRPAに精通した人材の育成に力を注いでいる。いうまでもなく、今後は業界を問わず企業のRPA導入が加速的に進むとの読みが働いているからだ。

●大御所NTTデータの先行者メリット拡大へ

 日本国内においてRPAソフトでトップシェアを誇るのは「WinActor(ウィンアクター)」を展開するNTTデータ <9613> だ。システム開発の大御所である同社はRPAでも先頭集団を走る。このウィンアクターを導入している企業は現在既に1500社を超えているが、今後も漸次増加していくことは必至といえる。会社側では「引き合いは旺盛。現在100社の特約店と協力してシェア拡大に努めており、将来的には40%のシェア確保を目指している」と一段の注力姿勢を明示している。

 実際、株式市場ではこのRPAを投資テーマとする動きが日増しに高まっている。今年3月27日に東証マザーズに上場したRPAホールディングス <6572> [東証M]は、社名そのままで、RPA事業を展開する企業として脚光を浴びた。株価は上場2日目の28日に公開価格の4倍となる1万4280円で初値をつける人気となった。時価はその水準を下回っているものの、8月下旬以降は押し目買いも観測され下値切り上げ波動を構築する途上にある。

 また、システムインテグレーター最大手である野村総合研究所 <4307> の存在感も大きい。企業のIT化投資の波を捉え、デジタルトランスフォーメーション案件でRPAを活用したシステム開発が好調に推移し収益に貢献、19年3月期は8期連続となる増収・営業増益の確保が有力視される。

●恐るべきブレインPの脚力、最高値圏で棒上げ

 そして、ここにきてRPAに対する市場の熱視線を、株価に如実に反映させているのがブレインパッド <3655> 。マシーンラーニングやディープラーニング分野の研究開発では草分け的存在であり、 AI関連の代表格としてマーケットの注目度は常に高い。

 同社は今春から、経営改善をサポートする4つのサービスプラン(テーマ選定、戦略実行計画、プロトタイプ開発、システムの本格実装)で構成される「+AI(プラスエーアイ)」を開始、顧客企業の高水準な潜在的ニーズを掘り起こしている。人材ニーズの強いデータサイエンティストを増員して時流を捉えるとともに、クラウドコンピューティングサービスとRPA、この2大成長分野で優位性を持っている点が大きな強みだ。9月13日にRPAホールディングスの子会社RPAテクノロジーズとRPAによるEC業務支援パッケージの提供で協業することを発表、これを契機に上げ足を加速させた。

 ブレインパッドの株価はそこからわずか3週間で2000円幅の上昇パフォーマンスを演じ、前日(4日)時点で時価総額を45%も拡大させている。株式市場では“ポスト・ブレインパッド”のポジションを目指す銘柄が群雄割拠の状態にあるといってよく、投資家も幅広くアンテナを張って備えるべき局面にある。

 以下はRPA関連として、ここから株価の変貌素地を持つと思われる銘柄を紹介する。

●“ポスト・ブレインP”狙うRPA関連銘柄は

【クレオは春先の急騰習性再び】

 クレオ <9698> [JQ]は法人向けシステム開発受託とERP販売を展開するが、同分野で培ったノウハウをRPAソリューションにも生かしている。RPAテクノロジーズの「BizRobo!」を活用したRPAサービスを展開しており、会社側では「4月からセミナーを開催し好評を博している。今後の市場開拓余地は大きい」と期待感を募らせている。市場ではAIを活用した業務効率化の有力関連株として早くから認知されており、株価は2月下旬から4月にかけて600円台から1300円台まで株価を倍増させる人気となった。時価は4月10日の年初来高値1340円からは300円以上ディスカウントされた水準でもみ合っており、絶好の買い場を提供している。19年3月期営業利益は前期比39%増の5億7000万円を見込むが一段の上振れも視野に入る。

【TDCソフトは“ウィンアクター”活用】

 TDCソフト <4687> も要注目だ。独立系のシステムインテグレーターだが、NTTデータのウィンアクターを活用してクライアントに業務自動化の提案を行っている。RPA技術を駆使したシステム開発にも積極的に取り組んでいる。9月27日に1192円の実質上場来高値をつけてから、いったん調整を入れているが、25日移動平均線との上方カイ離を修正した時価1000円トビ台は食指が動く。18年3月期の2ケタ営業増益に続き、19年3月期も2ケタ近い増益を確保する可能性がある。

【AI関連最強の穴株日本サードも動意へ】

 日本サード・パーティ <2488> [JQ]は米GPU大手エヌビディアとディープラーニング用スーパーコンピューター向けサービスで総括サポート契約を締結した実績があり、AI関連の穴株的素地を持つ。同社株の真骨頂は何といっても人気化したときの爆発力で、16年の11月から17年1月にかけ株価を3倍化させた。エヌビディアとの提携や「ロボティクス・AI」を新事業の中核に位置付けたことが人気化の背景となったが、今回も株価変身の気配が漂う。業務自動化へのAI導入の動きをいち早く捉えている。今年6月には化学分析業界向けにRPAによる分析データ処理工程の自動化支援パッケージを提供することを発表、今後も同商品を使った需要の掘り起こしが期待される。

【値ごろ感十分のODKも浮上の機近づく】

 ODKソリューションズ <3839> [JQ]は教育や証券取引分野で優位性を持つシステム開発会社で、米ソフトウエア開発会社のZendesk社と提携し、ODKが持つAI技術とZendeskが提供するソフトウエアを連携したサービスを展開。AI分野の深耕に重心を置いていることがよく分かる。RPAの活用による生産性向上やヒューマンエラーのリスク軽減などに重点課題として取り組んでおり、RPA関連株の一角としても頭角を現しそうだ。株価は底値圏で500円未満と値ごろ感があり、25日移動平均線を足場に株価はボトムアウトの動きを強めそうだ。

【豆蔵HDはAI+RPAで新局面へ】

 豆蔵ホールディングス <3756> もRPA関連としては外せない銘柄だ。株価はODKと同様に底値買いチャンスを思わせる。同社はシステム構築・情報化コンサルティングを展開、RPAやクラウド化などの企業ニーズを的確に取り込み収益に反映させている。「次世代型ボットエンジン」に「ロボティクスプラットフォーム」の技術を融合した、これまでに類を見ない全く新しい「豆蔵AI+RPA」に対する期待は大きなものがある。足もとの業績は派遣技術者のスキル向上に向けた教育コストなどが負担となり、利益が伸び悩んでいるが、中期的な成長余地の大きさに着目したい。

●プラス1はNTTデータの秘蔵っ子、XNET

 最後にプラス1銘柄として、ここ株価の動兆しきりな銘柄でエックスネット <4762> を挙げたい。同社は生保や損保業界を中心に機関投資家の資産運用管理システムの提供および管理代行などの業務支援を行っている。資産運用のシステム構築に対するニーズは旺盛で収益環境に吹くフォローの風は強い。RPA分野に直接関わっているわけではないが、同社の親会社は前出のNTTデータだ。会社側では「(NTTデータと一緒に)地銀セクターの個人向け信託管理システムに対する需要を連携して開拓している。現時点でRPAを商品として売る、あるいは当社がRPAを活用して業務を遂行しているということはないが、今後われわれが業務効率化の過程でRPAを活用することは念頭に置いている」としている。業績はシステム関連投資の償却負担が残る20年3月期までは利益が伸び悩む見通しながら、それ以降は再び利益成長局面に突入する公算が大きい。

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