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【特集】【中国の視点】トルコの老舗企業、通貨危機などで倒産相次ぐ


トルコの老舗企業による破産申請は最近、相次いでいる。地元メディアによると、先週から下着やスポーツ用品、貴金属総合メーカー計3社の老舗企業は破産を申請したという。キャッシュフローの悪化や金利上昇を受け、短期返済が出来なくなったことが倒産の主要な原因だと説明された。また、トルコ・リラの急落に伴う国民の購買能力の低下も一因だと指摘された。

トルコ経済は企業債務の増加やインフレ率の加速、失業率の上昇などに直面しており、リラの対米ドル為替レートは今年に入ってから約40%下落している。また、同国の統計局によると、8月の消費者物価指数(CPI)上昇率(前年同月比)は17.9%となり、2003年以来の高水準を記録したという。リラ安やインフレ加速を食い止めるため、トルコ中央銀行は9月に大幅な利上げを実施すると発言した。

中国の専門家は、貸出金利の上昇や生産高の減少が企業の経営環境をさらに悪化させていると強調。また、リラ安の進行に伴う国民の消費意欲の低下や銀行の貸し渋りも、トルコ企業の連鎖倒産の一因だと分析した。

なお、モルガン・スタンレー証券(MS)は2013年、南アフリカ、ブラジル、トルコ、インド、インドネシアの5カ国をフラジャイル・ ファイブ(脆弱な5カ国)と呼んでいた。この5カ国は海外からの投資を過度に依存しており、先進国の金融政策の変化に影響されやすいという点は指摘された。今回の米国利上げを受け、上記の5カ国の通貨は予想通り急落を避けられなかった。
《AN》

 提供:フィスコ

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