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【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 逆説の北浜投資! 市場に棲む天邪鬼を逆手に取る

株式アドバイザー 北浜流一郎

「逆説の北浜投資! 市場に棲む天邪鬼を逆手に取る」

●新興市場は売られ過ぎ修正へ

 8月相場も残りはあとわずかだ。

 日経平均株価の月足チャートはどうなるのか。陽線か、陰線か。日経平均先物や同ETF投資をしていなくても気になるところだが、残念ながら陽線で終わるのはかなり難しそうだ。月初は2万2642円。この原稿を書いている時点では2万2488円。埋め切れない幅ではないが、ここは慎重に見て小幅陰線を想定しておきたい。

 ただ、例年この時期、東京市場の売買減少の要因となるお盆と高校野球が終わった。これらがあると、なんとなく投資に対する関心が薄らいでしまうのが東京市場だ。

 しかし、いまはどちらも終わったことで、投資家の頭には投資に関するデータが入りやすくなっている。

 株式市場が「投資家心理=投資意欲の強弱」によって動くものである以上、まずは関心が戻ってくれなくてはならないのだ。

 この点、いまはそれが戻りつつある。こう見てよい。それが形になって現れているのが、新興市場だ。下落を続けていた ジャスダックは8月21日の安値、 東証マザーズは8月16日の安値を底に、ともに回復に転じている。

 それはまだ安定性が感じられるものではないが、マザーズに至っては1月下旬から下げ続けていたのだ。それが半年以上を過ぎてようやく下落に歯止めがかった兆しが見えてきた。

 では、ジャスダックはどうか。こちらは2月の初めから下げ続けてしまった。そして、マザーズ同様に反転中であり、ここからともに売られ過ぎの修正が見られる可能性が高い。

●マーケットでは見込み違いが常態化

 しかし、両市場が回復に転じても、個別にはそれに連動高しない銘柄ももちろんある。たとえばメルカリ <4385> [東証M]だ。同社株がここから回復に転じ、少なくとも上場初値の5000円に戻れるかとなったら、奇跡でも起きない限り無理といわざるを得ない。

 個別にはこんなふうに浮上が困難な銘柄もあるものの、米中貿易戦争に解決のメドさえ見えない状況にも関わらず指標がすでに上向きに転じている以上、それにしっかり着いていくのが正解だ。

 具体的な投資対象としては、上がるはずがないと思えるような銘柄のため、売り残が多くなっている銘柄が手がけやすい。

 株式市場は見込み違いが常態化した世界。そのため、上昇するに決まっていると思える銘柄が下がる。一方で、下げるのはまず間違いない、こう思える銘柄が上昇したりする。

 このような現象を利用する投資は意外に成功確率が高く、その対象としては、まずはヤマトホールディングス <9064> がある。子会社が法人向け引っ越しサービスで不当に料金を請求していたことが発覚。同サービスを中止せざるを得なくなって、他社にその隙を狙われているにも関わらず株価は高値をキープ、ほとんど下げない。

 トヨタ自動車 <7203> との提携が解消されたことで、単独での経営は今後厳しくなるだろうと見られているにもかかわらず、株価が堅調な推移を続けているいすゞ自動車 <7202> も、押し目は拾っておきたい銘柄の一つだ。

 東京市場は閑散状態が続いているため、証券株は上がらないだろう。こう見るのが自然で、実際多くの証券株が低空飛行を続ける中で、異例の強さを見せている松井証券 <8628> のほか、丸三証券 <8613> 株も、今後の浅い押しを見逃さないようにしたい。

 通常、大型合併がある場合、合併の主体となる企業の株価は下がるのが普通だ。しかし、例外的に上がることもあり、その好例が出光興産 <5019> だ。昭和シェル石油 <5002> と合併するわけだが、両社株とも続伸の可能性が高く、私から見ると異例だ。

 もちろん、上がりそうに見えて、実際に期待通りに上がる。こんな銘柄も多数あり、その代表的な銘柄としてはアステラス製薬 <4503> 、パーク24 <4666> があり、ともに魅力的だ。

2018年8月24日 記

株探ニュース

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