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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「放れに従う」

株式評論家 富田隆弥

日経平均株価は2万2600円近辺でもみ合い続く。7月下旬から3週間に及ぶもみ合いだけにどうしても「夏休み」を意識させられるが、盆が明けることからそろそろ動き出してもおかしくない。日足は上値を抑える「2万3000円」と、移動平均線(25日、75日、200日)の集まる「2万2300円台」に挟まれており、ここからの放れが焦点となる。上放れ、下放れ、いまはどちらの材料にも不足なく、「放れにつく」のが基本となるのは言うまでもない。

◆日本では企業業績は第1四半期(4-6月期)の最終利益が29%増(8日時点)と好調だ。また、いま市場が懸念する米中の貿易報復合戦だが、上海総合(9日2794ポイント)を見ると2691ポイント(7月6日)と2692ポイント(8月6日)とで二点底の気配を漂わせており、浮上するなら日本株にポジティブとなる。

◆カギを握る米国市場も NASDAQ(8日7888ポイント)は7月25日の過去最高値(ザラ場高値7933ポイント)に迫り、8000ポイント大台を視野に入れてきた。 NYダウ平均(8日2万5583ドル)も半年続いた調整もみ合いから浮上し、1月の過去最高値(2万6616ドル)を目指す流れに入ってきた。これらの米国株が堅調に推移するなら日経平均は2万3000円を上放れるに違いない。

◆ただし、NASDAQ、NYダウとも短期テクニカル(RCI等)が高値圏にきており、そろそろ調整を入れてもおかしくない。日本では日銀が長期金利目標の柔軟化を発表してから国債が一時149.75円(8月2日)に急落、長期金利も0.145%に急上昇した。この乱高下も無視できぬポイントで為替にも影響してこよう。

◆ほかにも材料は多々あるが、いずれにせよ材料はあとからついてくるもの。日経平均の上下のポイント「2万3000~2万2300円」からの放れに従って行動したい。

(8月9日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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