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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「変化日と期日」

株式評論家 富田隆弥

◆2万1462円安値をつけた7月5日がミニ・セリングクライマックスとなり、そこから日経平均株価は18日2万2949円まで大きく戻した。背景には113円台に進んだ円安もあるが、13日にNT倍率が19年半ぶりとなる13.06倍に拡大する一方、空売り比率が39.7%と20日ぶりに40%を割り込んでおり、この上昇は値がさ主力株と先物のショートカバー(買い戻し)が牽引したとも言える。

◆13日はファーストリテイリング <9983> が3420円高の5万2650円となり、1社だけで日経平均を126円も押し上げた。このように一握りの値がさ株の動向が日経平均に大きく影響するのは違和感があるし、正直言って投資家としては面白くない。指数の構成上の問題で仕方ないのは分かるが、構成銘柄の入れ替えと同じように構成比率も定期的に見直すべきではないのか、と個人的にはつい考えてしまう。

◆さて、日経平均は18日に2万2949円まで上げ、5月と6月にダブル・トップを描いた節目の2万3000円処に迫った。米国株の上昇や為替で円安が続くのならばこの節を突破することも可能だろう。だが、この水準はチャートの厚い節であり、日柄も気になるところ。

◆7月5日の安値から日足9本目は7月18日。そこは6月12日高値から26本目の変化日である。週足(7月第3週)は5月21日高値から9週、3月26日安値から17週、1月23日高値から26週という重要変化日でもあり、18日の2万2949円が変化日高値として意識される。

◆また、1月23日高値の6カ月期日は7月23日。7月5日に底打ちしたことから「期日安値」とならず、期日に高値を目指す「期日向かい」の可能性が出てきた。そうなると期日明けの24日以降は再び調整し下値模索となる展開も想定される。

◆いまのようなカネ余りの時代では、先物や指数連動型のETFやファンドに大量のマネーが流れ込み、それに伴い値がさ株にも資金が流れ込んで上昇相場を演出する。好循環が続けば上値追いも可能だが、年金機構(GPIF)は国内株式を“腹いっぱい”まで買い込んでおり、さらなる買い増しはすぐには難しい。直近の上昇が買い戻し主導であれば、買い戻し一巡のあと勢いは鈍化しよう。また、相場であれば上昇が永遠に続くこともなく、NT倍率もどこかで縮小に転じよう。

◆流れ(トレンド)、転換点、それに変化日や期日の日柄などを踏まえてチャートを見ていきたい。

(7月19日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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