【特集】利益成長“青天井”銘柄リスト〔3-5月期〕 26社選出 <成長株特集>
PRTIME <日足> 「株探」多機能チャートより
本決算月にかかわらず、18年3-5月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益を上回る見通しを示している26社を選び出し、3-5月期実績の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったのはM&A仲介会社のストライク <6196> 。3-5月期(第3四半期)は中小企業の事業承継案件を中心にM&A市場が拡大するなか、大型案件を含むM&A案件の成約数が増加し、経常利益は5.7億円と四半期ベースの過去最高益を69.2%も上回って着地。株価は6月22日に上場来高値4770円をつけたあと調整局面にあるが、第3四半期累計(9-5月)実績の対通期計画進捗率は80.1%と高水準であり、業績上振れを意識した買い戻しが入ることが期待される。昨年は9月中旬に上方修正しており、今年も同時期に上方修正するか注目したい。
2位のファーストブラザーズ <3454> はポートフォリオの入れ替えに伴う賃貸不動産の売却により、不動産売却益が大きく膨らみ、3-5月期(第2四半期)の経常利益は4四半期ぶりに最高益更新を更新した。同社のほか、6位のファーストコーポレーション <1430> 、8位のサムティ <3244> は予想PER10倍割れと指標面で割安感が強く、上値余地の大きい銘柄としてマークしておきたい。3位に入ったスタジオアタオ <3550> [東証M]の3-5月期(第1四半期)は自社ブランドのバックや財布の販売がインターネット、実店舗ともに好調だった。第1四半期実績だけで経常利益ベースの対通期計画進捗率は58.3%に達しており、業績上振れが有力視される。
4位のセントラル警備保障 <9740> は鉄道関連向け臨時警備が増加したうえ、昨年から開始した沖縄の海上警備も寄与し、3-5月期(第1四半期)経常利益は10.3億円に膨らんだ。19年2月期は東京五輪開催を前にセキュリティニーズが高まるなか、経常利益は前期比34.7%増の27.4億円と2期ぶりに最高益を更新する見通しだ。続く5位のSHIFT <3697> [東証M]は注力業界である金融・流通向けのソフトウェアテストの受注が拡大したほか、ゲームメーカー向けデバッグ業務やカスタマーサポート業務の受託も伸び、2四半期連続で過去最高益を更新した。
7位のPR TIMES <3922> [東証M]は地方銀行などとの連携強化を背景に、ニュースリリース配信サイト「PR TIMES」を利用する企業数の増加トレンドが継続した。株価は好業績の内需関連株として物色人気が続き、連日で上場来高値を更新している。また、12位のGunosy <6047> は情報キュレーションアプリ「グノシー」「ニュースパス」「ルクラ」のダウンロード数が伸びたうえ、アドネットワークの売上拡大なども収益を押し上げた。決算発表と併せて、ブロックチェーン関連事業と投資育成事業へ参入することを明らかにしたことも好感され、年初来安値圏にあった株価は反転上昇に転じている。
消費者の節約志向が根強く苦戦が目立った小売業では、ニトリホールディングス <9843> 、串カツ田中ホールディングス <3547> [東証M]、ドラッグストアのクリエイトSDホールディングス <3148> とコスモス薬品 <3349> などがリストアップされた。ニトリHDは抗菌・防ダニ加工の寝具や花粉キャッチカーテンなどの機能性商品が伸長したほか、ベッドルーム家具の販売も拡大した。さらに、通販事業の好調も加わり、3-5月期の経常利益は四半期ベース初の300億円突破を果たした。串カツ田中とクリエイトSは出店拡大効果が収益を押し上げた。また、コスモス薬品はディスカウント戦略の強化が消費者ニーズを掴み、7四半期ぶり最高益を達成した。既存店売上高は6月まで14ヵ月連続で前年比プラスを続けている。
選出リストでは、最高益に対する上振れ率は小さいながらも人材サービス材関連の健闘が光る。求人サイトを運営するディップ <2379> が23位、テレビ番組やゲームなどのクリエイター派遣・請負を手掛けるクリーク・アンド・リバー社 <4763> が24位、コールセーター業務を中心とする人材派遣と障がい者雇用支援サービスを展開するエスプール <2471> [JQ]が25位に入っている。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 3-5月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<6196> ストライク 69.2 572 338 16.1 1328 1144 82.9
<3454> Fブラザーズ 57.1 2464 1568 21.7 4458 3662 6.8
<3550> ATAO 35.7 350 258 8.5 600 553 37.0
<9740> CSP 34.3 1037 772 31.0 2740 2092 42.4
<3697> SHIFT 24.2 370 298 93.3 1100 569 92.7
<1430> 1stコーポ 23.1 822 668 7.3 2396 2233 9.0
<3922> PRTIME 22.2 132 108 20.3 445 370 72.4
<3244> サムティ 21.6 4870 4005 5.2 8900 8461 7.6
<6668> ADプラズマ 18.9 616 518 13.1 1710 1512 10.4
<6264> マルマエ 15.8 366 316 68.2 1240 737 18.0
<3546> ダイユーHD 15.0 868 755 8.5 2100 1935 14.2
<6047> Gunosy 11.8 569 509 29.1 2503 1939 26.5
<9843> ニトリHD 10.9 30678 27658 5.4 100000 94860 27.7
<3547> 串カツ田中 10.0 187 170 26.9 660 520 60.7
<3148> クリエイトS 8.6 4277 3940 0.9 14900 14768 18.2
<8908> 毎コムネット 8.5 1130 1041 3.0 1730 1679 13.7
<7453> 良品計画 4.3 13449 12894 9.4 50300 45985 28.0
<3349> コスモス薬品 4.3 7605 7288 1.0 25500 25255 27.7
<2809> キユーピー 3.2 10526 10201 6.4 34600 32511 23.0
<9842> アークランド 2.9 2964 2880 4.6 10500 10037 11.8
<4187> 大有機 2.3 995 973 4.0 3497 3364 13.2
<7811> 中本パックス 2.0 466 457 7.7 1600 1486 15.6
<2379> ディップ 1.7 3148 3094 7.1 11560 10794 20.2
<4763> C&R 0.7 770 765 6.9 1950 1824 21.1
<2471> エスプール 0.3 295 294 16.7 802 687 59.9
<7730> マニー 0.3 1450 1445 9.6 5067 4624 45.7
※ 2016年1月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
株探ニュース