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【市況】【↓】日経平均 大引け| 急反落、対中追加関税を嫌気しリスク回避の売り優勢 (7月11日)

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

日経平均株価
始値  22002.14
高値  22044.62(09:11)
安値  21744.25(10:15)
大引け 21932.21(前日比 -264.68 、 -1.19% )

売買高  13億6664万株 (東証1部概算)
売買代金 2兆3208億円 (東証1部概算)

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■本日のポイント

 1.日経平均はリスク回避の流れが強まり急反落、一時450円強の下落
 2.米国による2000億ドル相当の対中追加関税リスト開示でリスクオフに
 3.中国や香港などアジア株市場の下落も全体相場の買い手控えムードを助長
 4.前場後半以降は為替が1ドル111円台まで円安に振れ、下げ渋る展開に
 5.ボラティリティの極めて高い地合いながら、売買代金は前日を下回る水準

■東京市場概況

 前日の米国市場では、NYダウは143ドル高と4日続伸した。週後半から始まる4-6月期決算発表への期待感から買いが先行。P&Gやダウ・デュポンの上昇が指数を押し上げた。

 東京市場では、米国の対中追加関税の動きを背景にリスク回避の流れとなった。売り一巡後は下げ渋ったものの日経平均株価は大引けで2万2000円を割った。

 11日の東京市場は広範囲に売りが優勢となり、一時はリスクオフ一色の展開で日経平均の下げ幅が450円以上に広がる局面もあった。前日の欧米株市場は総じて堅調だったものの、日本時間早朝にトランプ米政権が2000億ドル相当の対中追加関税リストの原案を公表、これを受けて米中貿易摩擦が一段と激化するとの思惑が再燃し、全体は先物を絡め大きく下値を試す展開となった。取引時間中は中国や香港株などが売り込まれたことも買い手控え感を助長した。ただ、外国為替市場ではいったんドル安・円高に振れたものの、その後ドルが買い戻され1ドル=111円台に戻したこともあり、売り一巡後は下げ渋った。東証1部全体の74%の銘柄が下落。一時は全面安で投げ売り状態となったが、売買代金は2兆3000億円と前日を下回っており、セリングクライマックスのイメージからは遠い。

 個別では、エーザイ<4523>が売られ、ファーストリテイリング<9983>も安い。キーエンス<6861>、村田製作所<6981>なども軟調。デザインワン・ジャパン<6048>が一時ストップ安に売られ、テイクアンドギヴ・ニーズ<4331>、ゴールドウイン<8111>、コーナン商事<7516>なども急落した。ヤフー<4689>が利食われ、サイゼリヤ<7581>、日本冶金工業<5480>なども下落した。ジェイテクト<6473>、リクルートホールディングス<6098>も値を下げている。
 半面、ソフトバンクグループ<9984>がしっかり、ソニー<6758>も堅調。出光興産<5019>、昭和シェル石油<5002>がいずれも値を飛ばした。キリン堂ホールディングス<3194>がストップ高に買われ、石原産業<4028>、井筒屋<8260>も大幅高となった。国際紙パルプ商事<9274>が物色人気となり、MonotaRO<3064>、ビックカメラ<3048>も大きく上昇した。

 日経平均へのプラス寄与度上位5銘柄はソフトバンク <9984> 、昭和シェル <5002> 、資生堂 <4911> 、大日本住友 <4506> 、大塚HD <4578> 。5銘柄の指数押し上げ効果は合計で約20円。
 一方、マイナス寄与の上位5銘柄はファストリ <9983> 、エーザイ <4523> 、リクルート <6098> 、ダイキン <6367> 、ファナック <6954> 。押し下げ効果は約102円。

 東証33業種のうち上昇は石油石炭製品、鉱業の2業種のみ。下落率の小さかった上位5業種は(1)小売業、(2)情報・通信業、(3)その他製品、(4)建設業、(5)化学。一方、下落率の大きかった5業種は(1)ゴム製品、(2)海運業、(3)繊維製品、(4)機械、(5)非鉄金属。

■個別材料株

△アイケイ <2722> [東証2]
 今期経常は19%増で3期連続最高益、2円増配へ。
△パルHD <2726>
 第1四半期営業利益は上期計画に対して69%の高進捗率。
△エディオン <2730>
 6月直営店売上高9.9%増。
△ハニーズHD <2792>
 不採算店閉鎖効果で19年5月期31%営業増益見込む。
△ビックカメラ <3048>
 第3四半期決算は市場予想上回る。
△キリン堂HD <3194>
 3-5月期(1Q)経常は50%増益で着地。
△ローツェ <6323>
 3-5月期(1Q)経常は5%増益で着地。
△竹内製作所 <6432>
 3-5月期(1Q)経常は12%増益で着地。
△エコス <7520>
 3-5月期(1Q)経常は18%増益で着地。
△サマンサJP <7829> [東証M]
 3-5月期(1Q)経常は88倍増益・上期計画を超過。

▼アズ企画設計 <3490> [JQ]
 第1四半期は実質16%営業減益。
▼JMACS <5817> [東証2]
 3-5月期(1Q)経常は赤字転落で着地。

 東証1部の値上がり率上位10傑は(1)キリン堂HD <3194> 、(2)ハニーズHD <2792> 、(3)石原産 <4028> 、(4)海洋掘削 <1606> 、(5)パルHD <2726> 、(6)井筒屋 <8260> 、(7)出光興産 <5019> 、(8)エムアップ <3661> 、(9)昭和シェル <5002> 、(10)国際紙パルプ <9274> 。
 値下がり率上位10傑は(1)デザインワン <6048> 、(2)T&Gニーズ <4331> 、(3)ゴルドウイン <8111> 、(4)コーナン <7516> 、(5)トップカルチ <7640> 、(6)プレナス <9945> 、(7)ソースネクス <4344> 、(8)オハラ <5218> 、(9)フェイス <4295> 、(10)ヤフー <4689> 。

【大引け】

 日経平均は前日比264.68円(1.19%)安の2万1932.21円。TOPIXは前日比14.25(0.83%)安の1701.88。出来高は概算で13億6664万株。東証1部の値上がり銘柄数は485、値下がり銘柄数は1563となった。日経ジャスダック平均は3773.61円(27.34円安)。

[2018年7月11日]

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