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【市況】米中の制裁関税発動を見極め/オープニングコメント

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

 6日の日本株市場は、米中の制裁関税発動が警戒されるなか、値動きの荒い相場展開となる可能性がある。独立記念日明けの5日の米国市場は上昇した。欧米間の自動車・自動車部品への関税を巡る貿易摩擦への懸念が後退し、買い戻しが先行した。また、半導体のマイクロン・テクノロジーは、中国の裁判所による販売禁止処分による売上高の影響が軽微として業績見通しを据え置き堅調推移。同業のエヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイセズも連れ高となっている。シカゴ日経225先物清算値は大阪比190円高の21680円となり、朝方は米株高を受けた自律反発が意識されよう。

 ただし、買い一巡後はこう着感が強まりやすく、米中の制裁関税発動を見極めることになりそうだ。米中双方は年間500億ドル相当の製品を対象にした制裁措置のうち、340億ドル分をそれぞれ6日から先行実施する。中国は米国の追加関税の効力が発生した後に実施すると報じられており、米国が課税する現地の6日午前0時1分(日本時間同午後1時1分)以降に始まるとみられている。そのため、後場は波乱含みの展開を警戒する必要があるだろう。

 足元の調整で相当織り込まれているとはみられるが、日本を含めた世界経済全体に打撃を与えることになり、あく抜け感は強まることはなさそうである。短期筋の買い戻しからインデックスに絡んだ売買によって切り返す可能性はあるものの、トレンド好転は見込めない。また、中小型株などは足元の調整で需給状況は悪化傾向にあり、押し目買い意欲も強まりづらいところである。オーバーウィークのポジションは取りづらく、慎重姿勢が続きそうだ。
《AK》

 提供:フィスコ

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