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【通貨】欧米為替見通し:ドル・円は底堅い展開か、貿易戦争で円買いも重要イベントにらみ

ドル円 <日足> Slowストキャス 「株探」多機能チャートより

11日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い展開を予想したい。週末に開催された主要7カ国首脳会議(G7サミット)で貿易戦争は避けられない情勢となり、リスク回避の円買いに振れやすい地合いが続く見通し。反面、明日から始まる重要イベントを前に、思惑的なドル買い、ユーロ買い、円売りも出始める可能性がある。

G7サミットでは、貿易問題で米国の鉄鋼・アルミ製品への輸入関税について、他の参加国からの批判が集中。それに対し、トランプ米大統領は巨額の貿易赤字を受け入れられないとして、保護主義的な通商政策の堅持を主張した。欧州連合(EU)は7月から対米報復関税導入の方針は変えておらず、欧米の通商摩擦激化は必至の情勢。このため、週明けのアジア市場の朝方の取引では、リスク回避的な円買いが先行した。また、米国は隣国カナダと外交面でも関係が悪化し、カナダの対米貿易に悪影響が見込まれるため、カナダドル・円は売り先行で寄り付いた。その後はポジション調整による円売りに振れ、クロス円の買いがドル・円の上昇をけん引した。

そうしたなか、今晩は12日から開催される米朝首脳会談や米連邦公開市場委員会(FOMC)、週後半の欧州中央銀行(ECB)理事会を控え、ドル買い、ユーロ買い、円売りも出始め、ドル・円は底堅い展開になる可能性がある。史上初の米朝会談は、両国首脳が友好関係を構築できれば、安心感によるリスク選好的な円売りが優勢となりそうだ。次に、FOMCでは追加利上げの決定は織り込み済みだが、今後の利上げペースに対する警戒感からドル買い。そして、ECB理事会では債券買い入れ終了を協議するといわれており、ユーロ買いになりやすいとみられる。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・17:30 英・4月鉱工業生産(前月比予想:+0.1%、3月:+0.1%)
・17:30 英・4月貿易収支(予想:-114億ポンド、3月:-122.87億ポンド)
・24:30 米財務省3年債入札(320億ドル)
・02:00 米財務省10年債入札(220億ドル、リオープン)

《FA》

 提供:フィスコ

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