市場ニュース

戻る
 

【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

テルモ <日足> 「株探」多機能チャートより

■コマツ <6301>  3,731円 (+102円、+2.8%)

 コマツ <6301> 、日立建機 <6305> が続伸。北朝鮮による地政学リスクが後退するとともにコマツなど建機株を見直す動きが強まっている。ポンぺオ米中央情報局(CIA)長官が北朝鮮の金正恩委員長と会談したことが明らかになり、5月末とも予想される米朝首脳会談への期待が浮上。また、27日の韓国と北朝鮮による南北首脳会談も迫ってきた。さらに、24日に予定されている米キャタピラーの決算も注目されている。

■テルモ <4543>  6,090円 (+140円、+2.4%)

 テルモ <4543> が4日続伸し年初来高値を更新。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は18日、同社株の目標株価は5910円から6380円に引き上げるとともにレーティングの「オーバーウエイト」を再強調した。「収益性重視の経営体制構築」や「米国を中心としたアクセスデバイス(手首や足の付け根の血管にカテーテル を挿入し病変部までの道筋を作るための機器)事業のさらなる成長」「脳血管治療領域でのカテーテル治療普及」などのエクイティストーリーは株価に反映していないと指摘。同社が高い競争力を有している製品群の海外での成長は本格化しており、今後も業績は好調に推移すると予想している。

■ジェイテクト <6473>  1,653円 (+32円、+2.0%)

 ジェイテクト <6473> が続伸。18日の取引終了後、4月25日~5月4日に中国国際展覧中心新館(北京市)で開催される「Auto China 2018(第15回北京国際汽車展覧会)」に出展すると発表しており、知名度の向上や商機の拡大につながるとの期待から買いが入ったようだ。今回の出展では、「Creating the next value 次世代技術で新たな価値を」をテーマに、中国市場ニーズに合致した環境技術を含む先進技術を紹介する予定で、同社の自動車部品(ステアリング、駆動、軸受の各種製品)を搭載した動くカットモデルや燃費向上貢献技術などを紹介するとしている。

■東応化 <4186>  3,930円 (+70円、+1.8%)

 東京応化工業 <4186> が4日ぶり反発。18日取引終了後に光学材料の開発・製造を手掛ける米ピクセリジェント社(メリーランド州)に200万ドル(約2億2000万円)を出資したと発表したことで、これを好材料視した買いが入った。同社は今後成長が期待できる有機ELディスプレーやCMOSイメージセンサーの高輝度化・高感度化に貢献する高屈折率材料の提供を推進するため、高屈折率無機材料の機能的に表面修飾された酸化ジルコニウムナノ粒子(ZrO2)を直径10ナノメートル(10億分の1メートル)以下で量産する技術を持つ世界屈指のメーカーであるピクセリジェント社に出資することを判断したという。

■アドベンチャ <6030>  14,980円 (+250円、+1.7%)

 アドベンチャー <6030> [東証M]が続伸。18日、航空券予約販売サイト「skyticket」の月次取扱高を発表。3月は前年同月比73%増に拡大し、過去最高を更新したことが買い材料視された。3月の取扱高は69.9億円となり、昨年7月に記録した過去最高(66.3億円)を8ヵ月ぶりに更新した。今18年6月期は1月に子会社化したコスミック流通産業ら3社の業績上積みもあり、売上高は前期比2.4倍の125億円を計画している。

■日本郵船 <9101>  2,267円 (+37円、+1.7%)

 日本郵船 <9101> 、商船三井 <9104> 、川崎汽船 <9107> など大手をはじめ海運株が買われた。鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数の上昇基調が顕著となっている。18日に72ポイント高と大幅高で8連騰を記録、1124まで水準を戻した。一時、対中国を筆頭に米国の保護主義色の強い通商政策により世界景気の減速につながるとの懸念が浮上、バルチック指数も3月から4月上旬にかけて大きく下押した。しかし、その後はトランプ米大統領の打ち出す輸入制限措置が世界経済に与える影響は限定的との見方が定着し始め、同指数も戻り足を強めている。これが、海運株への見直し買いの動きに反映されている。

■五洋建 <1893>  833円 (+13円、+1.6%)

 五洋建設 <1893> が4日続伸。18日の取引終了後、シンガポール住宅開発庁からテコン島A・C地区干拓地造成工事をオランダ企業と共同で受注したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。同工事は、シンガポールの東に位置するテコン島の北西部に、同国では初の試みとなる干拓地方式で約810ヘクタールを造成するというもの。受注金額はJVで約999億円、五洋建の受注金額は約489億円となる。なお、工期は48ヵ月で22年4月に竣工を予定している。

■UACJ <5741>  2,860円 (+43円、+1.5%)

 UACJ <5741> や日本軽金属ホールディングス <5703> といったアルミニウム関連株が高い。18日に発表された米アルミニウム大手のアルコアの1-3月期決算が好調だったことから、同社株が上昇。19日の東京市場ではUACJや日軽金HDに連想買いが流入した。また、ロンドン金属取引所(LME)でアルミ相場が急上昇。ロシアのアルミ大手ルサールに対する米国の制裁措置でアルミ供給が減少するとの見方から、アルミ価格は約7年ぶり高値に上昇している。

■アルヒ <7198>  1,502円 (+22円、+1.5%)

 アルヒ <7198> が続伸し、上場来高値を更新。19日の寄り前に、住宅ローンの契約手続きをWeb上で行うことができる電子契約サービスの導入を開始すると発表しており、これを好感した買いが入った。同サービスは、新日鉄住金ソリューションズ <2327> の電子契約サービス「CONTRACTHUB@absonne」を採用し、住宅ローンを利用する際、従来は紙の書類で利用者が手続きしていた契約プロセスをWeb上で円滑に行えるようにするというもの。印紙代の負担や署名・押印の手間を削減することができるほか、スピードの向上や業務の効率化にもつながると期待されている。

■DIC <4631>  3,790円 (+55円、+1.5%)

 DIC <4631> が続伸。18日の取引終了後、塗料用樹脂全般を5月15日出荷分から値上げすると発表しており、採算改善につながるとの期待から買いが入ったようだ。原油価格の上昇や、中国の環境規制強化による石化原料の供給量減少、また需要増加による需給バランスの逼迫化などで、塗料用樹脂の主原料となるアクリル系モノマなどの価格が高騰しているほか、物流コストが上昇しており、自助努力だけで吸収することは困難と判断したという。なお、値上げ幅は1キログラム当たり15円以上としている。一方、19日付の日本経済新聞で「2018年1-3月期の連結営業利益は前年同期比7%減の120億円強だったようだ」と報じられたが、これに対する反応は限定的のようだ。

■安川電 <6506>  4,850円 (+65円、+1.4%)

 安川電機 <6506> が4日続伸。トランプ米大統領が打ち出す保護主義色の強い通商政策により貿易摩擦問題が意識され、2~3月相場でグローバルな設備投資拡大期待で買われてきた反動が出ていた。しかし、ここにきて見直し買いの動きが顕在化している。中国の電気自動車(EV)向けなどを中心にFA化投資需要が旺盛であり、同社のACサーボモーターやアーク溶接ロボットなど競争力の高い製品が収益に貢献している。18年2月期連結決算は、売上高が4485億2300万円、営業利益は541億2600万円だった。決算期変更により単純比較はできないが、営業利益は前の期比で実質88%の伸びをみせた。19年2月期も実質2ケタ増益基調が続く見通し。日米首脳会談ではトランプ政権の日本に対する要求は想定内に収まった。また、「米中間の貿易摩擦問題もお互いに柔軟な姿勢をみせ、日本メーカーへの影響は限定的とのコンセンサスが固まりつつある」(国内中堅証券)という。

■三菱UFJ <8306>  714.4円 (+8.9円、+1.3%)

 三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> 、みずほフィナンシャルグループ <8411> が続伸、三井住友フィナンシャルグループ <8316> なども買い優勢の展開となった。19日の売買代金は三菱UFJが500億円以上こなし東証1部第3位に、三井住友が第5位に入るなど商い水準も膨らんだ。米10年債利回りが18日に2.86%台後半に急上昇したことで運用利ザヤの拡大が意識されているほか、一部では三菱UFJが独自に進めるデジタル通貨の「MUFGコイン」の実用化に向けた実証実験を始めたことが伝わっており、これが株価を刺激した。

■国際石開帝石 <1605>  1,410円 (+15円、+1.1%)

 国際石油開発帝石 <1605> が反発したほか、三菱商事 <8058> 、三井物産 <8031> など総合商社も足もと上値指向となった。ここ原油市況が上昇傾向にあったが、18日のWTI原油先物価格は週間在庫統計の結果などを受け1ドル=95セント高と急伸、1バレル=68ドル47セントと2014年11月以来約3年半ぶりの高値水準に上昇した。18日の米国株市場ではシェブロンやエクソンモービルなどが買われエネルギーセクターが値上がり率トップとなる人気だった。この流れを引き継ぎ、東京市場でも原油関連セクターへの買いに厚みが加わった。

※19日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース

株探からのお知らせ

    日経平均