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【特集】鈴木英之氏【新年度相場が開幕、株式市場の全面開花はいつ?】(2) <相場観特集>

鈴木英之氏(SBI証券 投資調査部長)

―強弱感対立のなか、日経平均株価の上値どこまで―

 名実ともに2018年度相場入りとなった。東京では例年よりだいぶ早い桜の開花となったが、株式市場ではまだ春爛漫とは言い切れない地合いにある。しかし、3月下旬に大底が入り、その後は強弱感を対立させながらも上値指向をみせている。投資家マインドも徐々に暖まりをみせるなか、4月相場で全面開花といくのかどうか。先読みに定評のある市場関係者3人に当面のマーケットについて読み筋を聞いた。

●「決算発表控え2万1000~2万2500円のレンジ相場に」

鈴木英之氏(SBI証券 投資調査部長)

 新年度入りとなる、4月相場の日経平均株価 は、2万1000~2万2500円のレンジ相場となりそうだ。

 2月、3月にかけては、米国の長期金利上昇や急激な円高、米トランプ政権の保護主義などの懸念材料が浮かび上った。特に、為替は一時1ドル=104円台まで円高が進行し、19年3月期の減益懸念が高まったことが、株価面での不安材料となった。期末を迎え国内投資家からの外債投資が手控えられたことも、円高要因になったともみられる。ただ、4月を迎え新年度入りしたことで、相場を巡る環境も改善することが見込める。米トランプ政権の保護主義政策も11月の中間選挙を意識した面は小さくないだろう。

 2万1000円前後の日経平均は連結PERで12.5倍前後の水準。PERの水準からみて、下値不安は大きくない。もっとも、為替が1ドル=106円前後の円高水準にあり、日経平均の上値は重いともみられる。当面、今月下旬から本格化する3月期企業の決算発表を確かめるため積極的な売買は手控えられそうだ。105円前後の為替水準を前提とすれば、今年度は減益が打ち出されることも予想されるだけに、主力企業の決算発表の内容は注目されそうだ。

 こうしたなか、円高下でも最高益が見込めるような個別株が狙い目となりそうだ。人手不足が続くなか、働き方改革などに絡んだり、ホワイトカラーの業務軽減などに活躍出来たりするような銘柄には投資妙味が出てくるだろう。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(すずき・ひでゆき)
早稲田大学卒。リテール営業、調査部、株式部等を経て、SBI証券投資調査部長に。モーニングスター株式会社(投資調査部ゼネラル・マネジャー)へ転籍を経て2009年5月より現職。ラジオ日経、ストックボイス等で相場解説を行っている。

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