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【市況】【杉村富生の短期相場観測】 ─ 肝要なのはリスクを取る(安いところを買う)勇気!

株式評論家 杉村富生

「肝要なのはリスクを取る(安いところを買う)勇気!」

●“春の嵐”に負けるな! 相場の転機は近いぞ!

 2月以降、“春の嵐”が株式市場を襲っている。マーケットは大荒れだ。兜町には下げの途中で買うな!嵐のときは動くな!といった教えがある。状況(外部環境および相場の方向→トレンド)を確認せず、無闇に行動するな、ということだろう。

 確かに、外部環境(トランプ大統領の通商政策、国内政局の混迷)は不透明だし、円高圧力が存在する。需給は悪い。外国人は実に、昨年11月~今年3月(第2週現在)に先物を5兆6374億円、現物を2兆9575億円、計8兆5949億円売り越している。

 なにしろ、外国人は日本市場の委託売買代金シェアの6~7割を占める最大の投資主体だ。そこが売りまくっては…。国内勢にこれを吸収する力はない。すなわち、セオリー的には需給の悪化は株価調整(下落)によってのみ、是正される! 実際、そうなった。さて、問題はここでの投資戦術(どう対応するか)である。

 先人は、底値圏では好材料を探せ、なかったら買え!万人が皆一面に弱気ならアホ~になりて買いのタネをまけ!と諭している。筆者は肝要なのはリスクを取る勇気と考えている。すなわち、ここは2016年2月(チャイナ・ショック)、6月(イギリスのEU離脱)と同様に、突っ込み買いのチャンスと判断する。

●この局面での物色テーマ&注目銘柄は?

 現在、日経平均株価の予想PERは12.53倍(3月29日)だ。2016年2月、6月以来の13倍割れとなっている。こんな安値圏で弱気になっては相場に勝つのは難しい。もちろん、筆者は円高は4月初~中旬にピークを迎え、内外機関投資家の売り圧力は早晩、解消する、と考えている。

 それに、先物の売りは買い戻す必要がある。3月23日にはカラ売り比率が50.9%に達した。売買代金の5割超がカラ売りというのは異常である。異常は必ず修正される、これがマーケットの原則(定石)とされている。

 一方、物色面では引き続いて、テーマ性を有する元気な小物を攻めたい。テーマとしてはRPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)、5G、無人レジ ・電子レシート、AI(人工知能)、オンライン診療、再生可能エネルギー、ゲノム創薬などに注目している。RPAとAIは根っこでは重複する。

 RPA、AI関連ではFRONTEO <2158> [東証M]、クレオ <9698> [JQ]、コムチュア <3844> 、5G関連ではネットワンシステムズ <7518> 、ネクストジェン <3842> [JQG]、無人レジ・電子シート関連ではヴィンクス <3784> 、高千穂交易 <2676> などに妙味があろう。

 レノバ <9519> は抜群に強い。恐らくかなり強力な海外ファンドが介入しているのだろう。再生エネルギーの“百貨店”みたいな存在だ。地球にやさしい企業である。

2018年3月29日 記

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