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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「4月、浮上期待も」

株式評論家 富田隆弥

◆さて、4月。金利上昇や貿易戦争懸念、IT主力企業への逆風、森友問題などで2月、3月と調整を続けた日米欧の株式市場だが、そろそろ春が訪れてもおかしくない。年度替わりでニューマネーが流入するほか、地政学リスク低下(北朝鮮問題)、さらに大量に溜まった売り玉の買い戻しも期待される。その意味で、日米とも調整基調にあるチャートの好転が待たれる。

◆まず、日本株のカギ握るNYダウ平均は日々700ドル前後振れる荒い動きが続いている。23日に2万3509ドルまで下げたが、200日移動平均線(2万3400ドル)や2月9日安値(2万3360ドル)と二点底を意識して下げ止まり、その後は2万3700~2万4400ドルでもみ合い。日足好転には上に控える25日移動平均線(2万4740ドル)と75日移動平均線(2万5040ドル)の突破が必要だ。三角保ち合いを下放れたあとだけに、大きく上昇してもその両移動平均線を突破するまではアヤ戻りであって、下にある200日移動平均線への注意も続く。

◆そして、日経平均株価は26日の2万0347円安値から直近2万1000円台を回復するが、割り込んだ200日移動平均線(2万1322円)や25日移動平均線(2万1523円)に迫ったところで、まだアヤ戻りの域にある。RCIなど日足テクニカルが底値にきており、上昇して25日移動平均線を抜けるかが注目される。それを抜けば75日移動平均線のある2万2400円台を目指すだろう。

◆日経平均には上昇要因も出てきた。一つは 為替で、先週23日の105円割れから29日に一時107円台を回復、3ヵ月にわたり上値を押さえてきた25日移動平均線(106.30円)を突破した。これで円高基調に終止符を打つなら新年度の業績に漂っていた悲観も後退しよう。

◆高水準に滞留する売り玉もポイントだ。日本株の空売り比率が23日に初めて50%に乗せたほか、プログラム売買に伴う裁定売り残も1兆円乗せ(1兆945億円)。裁定買い残が1兆3321億円で倍率は1.21倍に急接近している(23日現在)。貿易戦争懸念やフェイスブック、エヌビディア、テスラなどIT大手に懸念が相次ぎ、NYダウやナスダックの急落に伴いヘッジ売りが膨れた。だが、日経平均が浮上するならばそれら売り玉は買い戻しを強いられ、相場は上昇を加速させることになろう。

◆ただし、為替の107円台や売り玉の増加は3月期末に伴う一時的現象かもしれず、4月に入ってからのそれらの推移にはチェックが必要だ。それにいまはまだNYダウ、日経平均とも日足は調整局面にある。新年度相場として期待は膨らむところだが、昨年の4月は中旬まで調整が続いた。さて、今年の4月相場はどうなるか。理由はともかく、 NYダウ 日経平均のチャートに従って対応したい。

(3月29日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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