【特集】高成長【始動】候補リスト〔新興&2部〕編 25社選出 <成長株特集>
アルファP <日足> 「株探」多機能チャートより
米中貿易戦争への警戒感や今年に入ってからの円高進行などを背景に大型株が手掛けづらい展開が続くなか、外部環境の影響を受けにくい銘柄として中小型株を見直す動きが強まっている。本特集では、製品・サービスの販売拡大もしくは買収や提携などにより、高成長に向けて動き始めた可能性が高い小型株にスポットライトを当ててみた(3月30日現在)。
今回は時価総額1000億円未満の東証2部上場銘柄と新興市場(マザーズ、ジャスダック)を対象に、本決算月にかかわらず直近四半期に前年同期比で【10%増収・20%経常増益】を2四半期もしくは3四半期連続で達成した銘柄を、“高成長「始動」候補”として25社を選び出し、直近四半期の増益率が大きい順に記した。連続で収益が拡大し始めた企業は、これから高成長が期待できる有力候補として注目していいだろう。
増益率トップはイリジウムやプラチナを中心とした貴金属の加工を手掛けるフルヤ金属 <7826> [JQ]。10-12月期(第2四半期)は有機EL向けや電極向け化合物の受注が好調だったうえ、貴金属価格の上昇も寄与し、連結経常利益は前年同期(非連結)の9400万円から7億7200万円に急拡大した。株価は1月30日に発表した業績上方修正を受け、2月5日に約9年4ヵ月ぶりの高値8000円まで上昇したが、その後は調整局面が続く。上方修正発表前と同水準の5000円近辺まで売られたあとは反発基調にあり、巻き返しが期待されるところだ。
2位に入ったのはマンションデベロッパーのデュアルタップ <3469> [JQ]。10-12月期(第2四半期)は主力の投資用マンション「XEBEC(ジーベック)」の引き渡し棟数が伸び、経常利益は前年同期比5.8倍に膨らんだ。上期(7-12月)経常利益が通期計画をすでに38.1%も上回っており、業績上振れは濃厚とみられる。シンガポール大手不動産との提携などを通じ、海外展開を加速する構えで今後の成長期待も大きい。
3位の工作機械メーカーである高松機械工業 <6155> [東証2]は旺盛な設備投資需要を追い風に、国内やアジア向けに自動車用小型NC旋盤の販売が好調で、10-12月期(第3四半期)は2四半期連続で「10%増収・20%増益」を達成。昨年12月時点の工作機械受注残高は前年同期比74.2%増の110億円と高水準であり、19年3月期の業績拡大にも期待がかかる。
4位のアルファポリス <9467> [東証M]はネットに投稿された話題の小説やマンガを書籍化する出版事業を主力としている。10-12月期(第3四半期)は人気作「ゲート」を筆頭にマンガの販売が大きく伸びたうえ、電子書籍販売も好調だった。株価は値動きが荒い全般相場に逆行し、昨年来高値を更新中だ。
6位はフォトマスク専業のエスケーエレクトロニクス <6677> [JQ]がリストアップされた。10-12月期(第1四半期)は好採算の大型液晶パネル向けフォトマスクの販売が急回復した。上期(10-3月)計画の11.6億円に対する進捗率は84.1%と高水準で業績上振れが有力視される。好決算が評価され、株価は2006年8月以来、約11年7ヵ月ぶりの高値圏で推移している。
10位の外国為替証拠金取引(FX)大手、ヒロセ通商 <7185> [JQ]の株価も強調展開が続く。10-12月期(第3四半期)は顧客口座数と預かり証拠金が増加したうえ、販管費が大きく減少し、経常利益は前年同期比2.1倍の7.2億円に拡大した。同社は通期業績予想を開示していないが、4-12月期時点の経常利益は16.8億円と、17年3月期に記録した過去最高益14.6億円をすでに上回っており、最高益更新は確実とみられる。
┌─ 経常利益 ─┐ ┌─ 売上高 ─┐ 増収増益
コード 銘柄名 増益率 直近四半期 増収率 直近四半期 予想PER 連続期数
<7826> フルヤ金属 721 772 83.1 5447 19.9 3
<3469> デュアルT 481 279 19.7 3924 19.8 2
<6155> 高松機械 220 397 20.8 4775 13.1 2
<9467> アルファP 183 255 22.2 1145 38.6 3
<5997> 協立エアテク 159 280 22.8 2651 7.4 2
<6677> エスケーエレ 149 976 49.2 5919 21.0 2
<8927> 明豊エンタ 125 346 38.6 2520 8.7 3
<1793> 大本組 123 539 36.9 24037 8.7 2
<7472> 鳥羽洋行 110 503 31.5 7207 11.7 3
<7185> ヒロセ通商 107 729 15.1 1876 - 2
<3054> ハイパー 104 112 15.9 5497 27.3 2
<5542> 報国鉄 99.2 249 33.2 1521 9.6 2
<9179> 川崎近海 94.9 1025 11.8 11188 9.7 2
<6035> IRジャパン 84.1 197 12.6 949 29.8 2
<3423> エスイー 81.4 321 16.9 5137 20.2 2
<3939> カナミックN 72.9 102 20.0 348 145.4 2
<5987> オーネックス 69.9 141 19.3 1610 17.1 2
<6998> タングス 55.6 322 19.0 2897 10.4 2
<2477> 手間いらず 51.3 174 21.8 274 59.5 3
<6161> エスティック 47.8 374 33.8 1331 17.2 2
<6533> オーケストラ 40.0 112 14.1 1554 30.0 2
<7417> 南陽 37.7 775 18.6 9450 9.5 2
<6164> 太陽工機 31.3 302 14.3 2116 11.2 3
<3355> クリヤマHD 30.0 528 18.2 12757 13.1 2
<2436> 共同PR 25.5 123 13.8 1414 12.9 2
※売上高、経常利益の単位は百万円。増益率、増収率は前年同期に比べた増加率、単位は%。連続期数は四半期ベースの連続回数。
※「-」は今期業績予想を非開示の企業。
株探ニュース