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【注目】前週末9日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

積水ハウス <日足> 「株探」多機能チャートより

■積水ハウス <1928>  1,892.5円 (+88円、+4.9%)

 積水ハウス <1928> が3日ぶり大幅反発。8日に決算を発表。18年1月期の連結経常利益は前の期比6.6%増の2036億円で着地。続く19年1月期も前期比1.1%増の2060億円に伸び、6期連続で過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料視された。前期は分譲住宅事業とマンション事業の収益が拡大したほか、海外事業も好調だった。業績好調に伴い、前期の年間配当を75円→77円(前の期は64円)に増額し、今期も前期比2円増の79円に増配する方針としたことも支援材料となった。前日終値ベースの配当利回りは4.38%に上昇した。

■ハウス食G <2810>  3,600円 (+160円、+4.7%)

 ハウス食品グループ本社 <2810> が大幅反発。東海東京調査センターが8日付で投資判断を「ニュートラル」から「アウトパフォーム」とし、目標株価を3410円から4370円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同センターでは18年3月期業績について、ルウカレーの堅調な成長に加えてレトルト商品やスナックの好調な成長、ギャバン社およびマロニー社の買収企業の寄与が期待できると評価。また、米国の豆腐事業と中国でのルウカレー事業の拡大成長も期待できるとして、会社計画の売上高2916億円、営業利益150億円を上回る、売上高2941億円、営業利益157億円を見込む。また、19年3月期以降についても堅調な業績推移を見込んでいるという。

■ASB機械 <6284>  7,620円 (+260円、+3.5%)

 日精エー・エス・ビー機械 <6284> が3日ぶり大幅反発。海外向けを中心にペットボトル成形機を生産、海外での売り上げが全体の9割を占めるが、米国や欧州、新興国ともに需要は好調を極めている。また、同社はインドに生産拠点を置いているのが特長で、来月をメドに同国で第3工場が稼働することで生産能力が大幅に増強される見通しにあることもポジティブ材料。目先は為替が急速に円安に振れるなどで追い風が強まった。また、株式需給面では買い残が枯れており、信用倍率は0.6倍台、日証金では逆日歩がつくなど株不足状態にあることも買いの勢いを助長した。

■テイカ <4027>  2,895円 (+97円、+3.5%)

 テイカ <4027> が続伸。酸化チタン大手メーカーで高付加価値品に強く、表面処理剤などが好採算の化粧品向け需要を取り込んでいる。化粧品市場は国内ではインバウンド需要を背景に順調に拡大傾向をたどっているほか、訪日客は帰国後も電子商取引(EC)を活用して日本の化粧品を買い続けるケースが増えており、同社の収益に追い風となっている。PER16倍台に割高感は乏しく、11%台の高ROEも見直し買いを誘っている。

■椿本チ <6371>  873円 (+29円、+3.4%)

 椿本チエイン <6371> が大幅反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が8日付で同社の目標株価を940円→1000円に増額したことが買い材料視されたようだ。リポートでは、目標株価引き上げのポイントとして、チェーン事業の堅調な需要と値上げ効果を踏まえ同証券業績予想を上方修正したこと、目標株価算出基準期を18年3月期から19年3月期へ変更したことを挙げている。ただ、先行投資負担増で利益が伸び悩むフェーズが継続すると考え、投資判断は「ニュートラル(中立)」を継続した。

■HUG <3676>  1,609円 (+44円、+2.8%)

 ハーツユナイテッドグループ <3676> が反発。2月初旬以降の波乱相場で大幅な調整を余儀なくされたものの、2月15日のザラ場安値1402円で一番底、3月5日の1497円で二番底を確認し、目先戻り足を強めている。同社はソフトの不具合を検査するデバッグ事業を主力としている。また子会社でゲームの受託開発も手掛けており、今期収益は好調だ。8日取引終了後、子会社フレイムハーツがメイン開発を担当したスクウェア・エニックスのスマートフォン向けゲーム「IDOL FANTASY」が発表され、これを手掛かり材料とする買いも株高を後押しした。

■テレ朝HD <9409>  2,218円 (+51円、+2.4%)

 テレビ朝日ホールディングス <9409> が反発。SMBC日興証券が8日付で、投資評価「2」を継続し、目標株価を2250円から2500円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、番組制作費などの費用が想定を下回るペースで推移していることを主な要因として、18年3月期の営業利益予想を180億円から190億円へ、19年3月期を同183億円から185億円へ、20年3月期を同209億円から215億円へそれぞれ上方修正しており、これにより目標数値を引き上げるという。ただ、19年3月期は番組制作費の増加で利益は踊り場になると予想され、会社側が保守的な業績計画を立てる傾向にあることを考慮すると、短期的には19年3月期業績ガイダンスに対する懸念が株価の重しとなる可能性があるとも指摘している。

■グリー <3632>  661円 (+14円、+2.2%)

 グリー <3632> が続伸。同社は8日、子会社3ミニッツがWEBサービスのユーザーインターフェース改善を効率的に実現する「Kaizen Platform」を運営するKaizen Platform(東京都港区)と協業すると発表しており、これを好感した買いが入った。今回の協業は、女性向けに特化したプロモーション動画の制作や、掲載先メディアに最適化したフォーマット編集、複数メディアを横断するプロモーションの運用サービスをワンストップで提供する動画マーケティングソリューションの提供を行うのが狙い。3ミニッツが得意とする女性に特化したプロモーション動画の企画・制作・広告運用サービスと、Kaizen Platformの知見・人材ネットワークを活用し、掲載先メディアで消費者の目に留まりやすい形へコンテンツを改善する、動画最適化サービスを組み合わせることで、広告掲載先のメディア特性に適した有効な動画マーケティングソリューションの提供を行うとしている。

■富士電機 <6504>  780円 (+15円、+2.0%)

 富士電機 <6504> が3日ぶり反発。2月初旬以降、米国株市場を発信地とするリスク回避ムードのなかで、設備投資関連株に利益確定の売りが目立っていたが、ここにきてリバウンドに転じるものも増えてきた。同社は中国の省力化ニーズを背景としたFA機器需要の拡大や、電気自動車(EV)向けで成長が加速するパワー半導体 市場が収益成長を後押ししている。業績は18年3月期2ケタ営業増益が見込まれるほか、ROEも15.7%と高く、元来機関投資家の組み入れニーズの高い銘柄であり、全体相場の戻りに合わせ見直し買いが入っている。19年3月期もFA機器やパワー半導体が収益を牽引する構図は変わらず、連続増収増益が有力視されている。

■デンヨー <6517>  1,873円 (+20円、+1.1%)

 デンヨー <6517> が反発。8日、同社が18年3月期の年間配当を従来計画の30円→40円(前期は30円)に大幅増額修正したことが買い材料視された。従来計画の普通配当15円に、創立70周年記念配当10円を上積みする。権利確定日を27日に控え、配当取りを狙う買いなどが向かった。

■テクノプロH <6028>  6,920円 (+70円、+1.0%)

 テクノプロ・ホールディングス <6028> が4日続伸で上場来高値を更新。2月以降の波乱安で全体相場の下落第一波のボトムであった2月14日に同社株も5680円で底を入れ、その後は綺麗な上昇波を形成、日経平均は3月初旬に再び底値模索の展開を強いられたが、同社株は持ちこたえ、その後一段高に買われている。同社は技術者派遣の大手でIT系人材に強い。東証マザーズに上場するALBERT <3906> [東証M]が人工知能(AI)関連株の一角として人気化するなか、連結子会社を通じてALBERTとデータサイエンティスト派遣事業で協業する同社も物色人気の対象となった。企業のビッグデータを解析し、商品やサービスの改善に役立てるデータサイエンティストへの企業の求人需要はうなぎ上りで、求人情報大手が取り扱う案件はここ1年間で6倍に急増しているといわれ、同社の収益機会拡大に思惑が募る。

※9日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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