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【特集】GMOリサーチ Research Memo(3):調査会社向けのアウトソーシングサービスとDIYサービスが主力

GMO-R <日足> 「株探」多機能チャートより

■事業概要

1. サービスの概要
GMOリサーチ<3695>は、インターネットリサーチ事業を展開(親会社のGMOインターネットにおける事業区分ではインターネット広告・メディア事業に属する)しており、提供するサービス内容により、アウトソーシングサービス、DIYサービス、その他サービスの3部門に区分している。

(1) アウトソーシングサービス
アウトソーシングサービスは、Full ServiceとSample Supplyに区分される。売上げの大半を占めるFull Serviceでは、国内外の調査会社等のクライアントに対してオンラインのアンケート画面作成、アンケートの案内配信、アンケートデータの回収、クリーニング、集計といったリサーチ業務の一連の工程を一貫して受託するサービスとなる。さらに、同社では「JAPAN Cloud Panel」をベースにデジタルマーケティングの効果を測定・分析でき、広告効果の最大化に活用できるパネル「Cloud Panel for Audience Tracking」(略称CPAT)を構築(2015年5月から提供開始)、アドテクのプラットフォームと連携し広告業界向けのサービスを提供※している。

※第1弾はロックオン<3690>のマーケティングプラットフォーム「アドエビス」と連携、ロックオンから「アドエビス リサーチ」としてサービスを提供開始しているほか、第2弾としてオプトホールディング<2389>グループの(株)グルーバーが提供するネイティブアドの分析支援ツール「TRIVER(トライバー)」との連携を2015年6月から開始している。


一方、Sample Supplyはクライアントが自社内でオンラインのアンケート画面を作成している場合に、同社が回収管理(プロジェクトマネジメント)を行い、顧客のアンケート画面に回答結果を提供するサービスとなる。

(2) DIYサービス
DIYサービスは、Self Sample Supply(SSS)とシステム関連売上に区分される。売上げの大半を占めるSelf Sample Supplyはインターネットリサーチにおいて、調査会社等のクライアントがオンラインのアンケート画面の作成、アンケート案内配信、回収管理(プロジェクトマネジメント)を行い、同社がサービスインフラとパネルのみを提供するサービス。一方、システム関連売上は同社のリサーチソリューションプラットフォームである「GMO Market Observer」を提供するサービスで、顧客の中には同社が構築するパネルを利用しない場合もある。

(3) その他サービス
その他サービスは一般事業会社に提供しているサービスで、New MRとコンベンショナル調査からなる。New MRとは、「アイトラッキング調査※1」、「MROC※2」、「コミュニティ※3」といった最先端のマーケティングソリューションを提供するサービスで、新たなプラットフォーム提供のための研究開発的な位置付けとなる。また、コンベンショナル調査は、オフラインで実施する調査手法で、オンライン業務の更なる自動化のため戦略的に取り組んでいる。

※1 人の眼球の動きを記録して分析する調査手法。印刷物やWebサイト画面などを見るときの目の動きを調べることで、人の判断に与える影響について探る手法。
※2 MROCとはMarket/Marketing Research Online Communityの略。マーケティングリサーチを目的として、オンライン上に設けた閉じられたサイト内に一定期間集められた人々が会話することでインサイト(発見)を探し出す手法(短期間で実施)。
※3 マーケティングリサーチを目的として、オンライン上に設けた特定のサイト内に一定期間集められた人々が会話することでインサイト(発見)を探し出す手法(中長期期間で実施)。


なお、2017年12月期における部門別売上構成比は、アウトソーシングサービス78.4%、DIYサービス18.7%、その他サービス2.9%となっており、ここ数年はDIYサービスの売上構成比が上昇傾向にある。また、地域別売上構成比では、日本76.6%、海外24.4%(北米9.2%、欧州9.2%、アジア6.2%)となっており、海外売上比率が徐々に上昇している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《TN》

 提供:フィスコ

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