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【市況】国内株式市場見通し:安川電やファナック決算がセンチメントに影響

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

先週の日経平均は上昇。JPモルガンなど米金融決算を材料視した物色から、週明けの日経平均は4営業日ぶりに反発して始まった。その後も米アップルが5年で3500億ドルの投資計画を発表するなど、トランプ政権の大型税制改革を受け、米企業が国内投資と雇用増に一気に動いていると伝わると、市場はこれを好材料視。日経平均は1991年以来の24000円を回復した。

しかし、24000円を回復した後は利益確定の流れが強まるなど、こう着感の強い相場展開が続いた。決算を翌週に控えているファナック<6954>が利益確定売りから日経平均の上値の重しになったほか、指数インパクトの大きい値がさ株の動きに振らされる局面もみられた。また、金融政策の正常化に向けた動き等も囁かれるなか、円相場は1ドル110円台の円高に振れたことも手掛けづらくさせた。結局、日経平均は91年以来の24000円を回復するものの、週を通じては23600-24000円辺りでのレンジ相場が続いた。

今週は国内でも決算発表が本格化する。安川電<6506>、ファナック<6954>、信越化<4063>などの決算結果が日経平均の方向性も左右させてくる可能性がある。トップバッターとなる安川電は、省力化や設備投資関連として強いトレンドが続いていることもあり、決算発表が材料出尽くしとなるようだと、その後の決算発表に対して慎重姿勢に向かう流れになりやすいだろう。足元で調整基調にあるファナックの決算を見極めたいとの模様眺めムードが強まるようだと、週を通じて方向感の出難い相場展開になりそうである。

先週は仮想通貨の下落が話題になるなど、大きな価格変動に敏感になっている。仮想通貨の荒い値動きが新興市場の中小型株へも心理的に影響しているとみられる。決算発表が本格化するなか機関投資家は積極的には動きづらく、先物主導での売り仕掛け的な売買には注意したいところである。

その他、22、23日に日本銀行が金融政策決定会合を開き、結果発表時に展望リポートを公表。黒田総裁が記者会見する。日銀内では金融緩和を粘り強く続ける必要があるとの認識が共有される中、少数派から金融政策の正常化に向けた意見が出始めているようである。前週には日銀が買い入れた長期債が予想を下回ったことから、市場は日銀がテーパリング(資産買い入れの段階的縮小)に着手したと受け止めた。ささいな兆候にも即座に反応する状況のなか、黒田総裁の記者会見に市場の関心が集まることになる。経済環境の好転を考えれば、正常化に向けた議論に変化が起こることは当然であり、正常化に向けて議論を行う必要性が中期的に増してくる公算が大きいだろう。とはいえ金融緩和縮小観測を打ち消す発言等が出されるようだと、円安のほか業績上振れへの思惑から株高要因となる。決算内容がコンセンサスの範囲内としても、円安効果から業績上振れ期待が残され、押し目買いを強める一因になりそうだ。

また、22日に通常国会が召集される。安倍首相は今月召集する通常国会は働き方改革国会とし、子育て、介護などそれぞれの事情に応じた多様な働き方を可能にすることで、一億総活躍社会を実現すると述べている。政府側は、通常国会に働き方改革の関連法案やカジノを含むIR=統合型リゾート施設を整備するための法案など合わせて64本の法案の提出を予定している。東京五輪後の施設活用問題等もあり、カジノへの関心が再燃する可能性がありそうだ。その他の経済イベントでは、22日に国際通貨基金(IMF)が最新の世界経済見通しを発表する。23-26日に世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)が開催されるほか、23-28日に北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉・第6回会合が開催される。経済指標等では、24日に貿易統計(12月)、米中古住宅販売件数(12月)、25日に全国スーパー売上高(12月)、米新築住宅販売件数(12月)、米景気先行指標総合指数(12月)、独Ifo景況感指数(1月)、26日に消費者物価指数(CPI全国12月、東京都区部1月)、米GDP(10-12月、速報値)、米耐久財受注(12月)が予定されている。

《FA》

 提供:フィスコ

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