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【通貨】為替週間見通し:ドル・円はやや強含みか、トランプ政策進展への期待継続

ドル円 <日足> Slowストキャス 「株探」多機能チャートより

■米税制改革法案成立、ドル・円は一時113円64銭

先週のドル・円は強含み。米上下両院で共和党の税制改革法案が可決されたことを好感して、ドル買いが優勢になった。11月の米住宅着工件数と中古住宅販売件数が市場予想を上回ったこともドル買い材料となった。米税制改革法案の可決を受けて10年債利回りは一時2.50%水準まで上昇し、日米の長期金利格差が拡大したこともドル上昇につながった。

20日-21日に開かれた日本銀行金融政策決定会合で、現行の金融緩和策を維持すること賛成多数で決定されたが、会合終了後に行われた日銀黒田総裁の会見で「リバーサルレート(※金利を下げ過ぎると金融仲介機能に悪影響を与えてしまい、金融緩和効果が弱まるという理論)に言及したからといって、政策の見直しが必要ということではない」と述べた。市場関係者の間では「日銀は10年債利回りが0.1%を継続的に超えることを容認しない」との思惑が広がり、日米長期金利格差の拡大を想定したドル買い・円売りが観測された。

22日のニューヨーク市場では、トランプ大統領の署名により税制改革法案と暫定予算が成立したことが好感されたが、クリスマス前で主要通貨の為替取引は動意薄となり、ドル・円はやや上げ渋った。ドル・円は113円43銭まで買われた後に113円25銭まで下落し、113円30銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:112円31銭-113円64銭。

■ドル・円はやや強含みか、トランプ政策進展への期待継続

今週・来週(12月25日-1月5日週)のドル・円はやや強含みとなりそうだ。外為市場は年末年始の休暇モードで短期的なポジション調整主体の取引となりそうだが、年明け以降は12月ISM製造業景況指数や12月雇用統計など米国の主要経済指標が手がかり材料となる。市場予想とおおむね一致した場合ドル買いが増える可能性がある。

トランプ政権の政策の柱となる税制改革法案が成立したことから、年明け以降も政策運営の進展に対する市場の期待は継続する見通し。ドル・円は114円台で輸出企業などの顧客筋のドル売りが増える可能性があるが、米長期金利の上昇などを手がかりに市場関係者の大半が想定する110-115円のレンジの上限を目指す展開となりそうだ。

米連邦準備制度理事会(FRB)による2018年の利上げペースは、現時点で3回と予想されている一方、FRBの人事刷新により金利正常化(利上げ継続)には不透明感も広がりやすい。ただ、20-21日に開催された日銀金融政策決定会合では「異次元緩和」継続の方針が示されており、日米金利差拡大観測がドルの上昇を支援するだろう。

【米・12月消費者信頼感指数】(12月27日発表予定)
27日発表の米12月消費者信頼感指数は128.0と予想されえおり、11月実績の129.5を下回る公算。ただ、相対的に高い水準であることから、市場予想と一致すれば、利上げ継続への思惑は後退せず、ドル買い材料となりそうだ。

【米・12月ISM製造業景況指数】(1月3日発表予定)
来年1月3日発表の米12月ISM製造業景況指数は58.0と、11月の58.2を小幅に下回る見通し。9月の60.8をピークに景況指数は伸び悩んでいるものの、予想通りだった場合は製造業の強さが意識されることでドル買いを促す可能性がある。

【米・12月雇用統計】(1月5日発表予定)
来年1月5日発表の米12月雇用統計は、失業率4.0%(前回4.1%)、非農業部門雇用者数は前月比+18.5万人(同+22.8万人)、平均時給は前年比+2.5%(同+2.5%)と予想される。注目の賃金は11月実績と同水準の伸び率にとどまる見通しであることから、利上げペース加速の思惑が広がる可能性は低いとみられる。

予想レンジ:112円00銭-115円00銭

《FA》

 提供:フィスコ

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