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【特集】<話題の焦点>=カメラ各社が販売計画を上方修正、「インスタ映え」需要が後押し

キヤノン <日足> 「株探」多機能チャートより
 今年話題になった言葉に贈られる「現代用語の基礎知識選 2017ユーキャン新語・流行語大賞」が1日発表され、年間大賞のひとつに「インスタ映え」が選ばれた。写真交流サイト「インスタグラム」に投稿する写真のビジュアルを競い合う若者などが増加していることを反映したものだが、「インスタ映え」への意識が高まるにつれ、高画質のコンパクトデジタルカメラ(コンデジ)やデジタル一眼レフカメラへの需要が高まっている。

 業界団体のカメラ映像機器工業会によると、1~10月の国内出荷台数は前年同期比4.4%増で、出荷金額は同11.9%増。世界全体では出荷台数が同10.7%増、出荷金額は同18.9%増となった。タイプ別では国内外ともにコンデジやミラーレス一眼カメラの伸びが目立っており、一眼レフカメラも徐々に底打ち感を強めている。後押ししている要因のひとつが「インスタグラム」の普及で、フォロワーの拡大を目的に、スマートフォンに付いているカメラに比べて表現力のある高付加価値カメラを求めるユーザーが増えている。今後は東京オリンピックなどの追い風も見込まれるなか、カメラ主要各社が相次いで販売計画を引き上げている。

 最大手のキヤノン<7751>は10月24日に発表した17年12月期第3四半期決算時に、通期のカメラ販売計画を従来に比べ50万台増の950万台(うちカメラ交換式は20万台増の550万台、コンデジは30万台増の400万台)に引き上げた。足もとでは、レンズ交換式カメラでハイアマチュア向けを中心とした新製品および初心者向けのエントリー機ともに販売数量を伸ばしているほか、コンデジも高画質を追求した製品が人気を集めている。

 ニコン<7731>も一眼レフカメラの新製品「D850」などが好調で、18年3月期通期の販売計画を480万台から520万台(レンズ交換式は従来比10万台増の260万台、コンデジは同30万台増の260万台)に変更。また、レンズ交換式カメラの見通しを上方修正したことに伴い、交換レンズの販売予想も370万本から390万本に引き上げた。

 このほか、富士フイルムホールディングス<4901>は18年3月期通期のカメラ販売計画を期初の90万台から100万台に見直し、ソニー<6758>は400万台から420万台に上方修正。パナソニック<6752>はミラーレス一眼カメラの販売が順調に推移し、オリンパス<7733>は18年3月期通期の映像事業の売上高見通しを640億円から650億円に引き上げた。また、レンズ大手のタムロン<7740>は今期に入って新機種の投入数を増やしている。

出所:みんなの株式(minkabu PRESS)

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