【市況】米国株式市場見通し:年末商戦の動向とOPECに注目
週初は感謝祭週末の小売各社が売上動向(速報)を発表するのが慣例となっている。従来、感謝祭の週末明けの月曜日(今年は11月27日が該当)はサイバーマンデーと呼ばれ、オンラインでの売上が急増する日と言われてきた。アマゾンを通した購買活動が最も多くなることは間違いないが、一部の実店舗型小売店ではオンライン販売の成長が続いているほか、感謝祭前に早期の値引きやアマゾンで入手できない商品を前面に押し出す動きが確認されている。小売業界の業績はさらに二極化が進みそうだ。
30日に予定されるOPEC(石油輸出国機構)総会では、減産延長について議論される見通しだ。現在の原油相場は2年ぶりに高値を記録しているものの、需給を反映したものか、投機による一時的な上昇かは各国の思惑が分かれるため、現在の減産期限である2018年3月からの減産について産油国間の交渉が難航すると予想される。減産延長に関する決定が延期されたり、延長期間への失望感が広がれば、急速な価格調整が進むだろう。今後の展開を注視したい。
経済指標では10月新築住宅販売件数(27日)、10月卸売在庫(28日)、11月消費者信頼感指数(28日)、7-9月期GDP(改定値)(29日)、10月個人所得・支出(30日)、11月ISM製造業景況指数(1日)、10月建設支出(1日)、11月新車販売台数(1日)などが予定されている。また、FOMC(連邦公開市場員会)での基礎資料となる地区連銀経済報告(ベージュブック)も29日に発表される予定だ。年末商戦に向けて所得環境や消費者の節約志向が改善されているか、個人所得・支出統計から確認したい。
(Horiko Capital Management LLC)
《FA》
提供:フィスコ