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【特集】窪田朋一郎氏【調整入り東京市場、「下値メド」と「反転時期」】(1) <相場観特集>

窪田朋一郎氏(松井証券 シニアマーケットアナリスト)

―冬目前・上昇トレンド復帰はいつ、ここからの狙い目を聞く―

 週明け13日の東京株式市場は日経平均株価が大幅安で4日続落、目先下値を探る動きにある。10月下期相場入りから日経平均は一気に2万円台を駆け上がり、バブル崩壊後の高値を抜いてなお上値を慕う展開をみせたが、さすがに前週後半から利益確定売り圧力が買いに勝る流れとなった。秋から冬への季節の変わり目に相場のトレンドもまた変化をみせるのか。ここから年末に向け想定される展開について、先読みに定評のあるマーケット関係者3人に聞いた。

●「上昇トレンド不変で上値2万3500円視野」

窪田朋一郎氏(松井証券 シニアマーケットアナリスト)

 目先的には売りの勢いに押されてはいるが、大勢トレンドが覆るような下げに見舞われる公算は小さいと考えている。世界的なリスク選好ムードのなか、それを主導していた米国株市場にやや買い疲れ感がみられる。懸念材料として浮上したのは、法人税減税を1年先延ばしするとの観測がメディアを通じて報じられたこと。これが現実化する方向となれば米国株は失望感から下値模索の局面となることは避けられないが、それでも大崩れするには至らないだろう。日本株は基本的に米国株の動きに連動することが予想され、米国株が値崩れを起こさない限り、日経平均の下値も限られるとみている。

 日経平均が25日移動平均線との上方カイ離を解消する程度の調整は念頭に置いておきたい。したがって年末に向けての下値は2万1900円近辺とみている。調整局面はあっても全般は年内に切り返し、上値は2万3500円程度まで上昇する可能性があると考えている。

 ポジティブ要因としては好調な米国経済だけでなく、対中国で政治的・経済的条件が改善していることも挙げられる。中国では習近平国家主席の政権基盤が固まり、外交姿勢にも余裕が出てきた。対米、対日ともに融和的な政策路線を打ち出しており、これは企業にとってもビジネスチャンスとなる。

 特に世界の製造大国としての地位を築くことを目標に掲げた「中国製造2025」では人工知能(AI)自動運転などの次世代分野を中心に“爆投資”が予想され、日本でもこれが株式市場でテーマ化する可能性があろう。物色対象として、安川電機 <6506> やファナック <6954> 、キーエンス <6861> 、東京エレクトロン <8035> などハイテク系設備投資関連に注目度が高まりそうだ。

(聞き手・中村潤一)

<プロフィール>(くぼた・ともいちろう)
松井証券へ入社後、マーケティング部を経て現職。ネット証券草創期から株式を中心に相場をウオッチし続け、個人投資家の売買動向にも詳しい。

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