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【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 高値波乱あれど上昇トレンド崩れず!

株式アドバイザー 北浜流一郎

「高値波乱あれど上昇トレンド崩れず!」

●晴天の乱気流、用心は怠るべからず

 トランプ大統領のアジア歴訪が続いている。行く先々で歓待され、その間に米国株式市場も過去最高を更新、大統領にとっては気分最高の日々となっているに違いない。

 しかし、もちろん好天がいつまでも続くことはない。時にはにわか雨や突風に見舞われることがある。

 それらしい天候急変があったのは9日。順調に上昇を続けていた日経平均株価は、午後1時半頃から急激に値を下げ、いわゆる突っ込み安状態となった。日経平均が寄り付きから一気高して2万3000円を突破したため、さすがに売りプログラムが作動、一斉売りが出たとみられる。

 幸い、その後は急激な下落を買うプログラムが作動、結構持ち直して終わったわけだが、以上のような動きが、後日振り返ると基調転換の兆候だったということもあり得るため、用心を怠らないようにしたい。

 それにこれまで米国市場の株高を支えてきた巨大な柱ともいうべき税制改革案に対して疑念が生じてもいる。

 米共和党が9日に発表を予定している税制改革法案では、減税実施を1年先延ばしにして19年にする方向、との報道が一部であった。

 ただ、その後発表された税制改革案の概要には減税の先送りは明記されていなかったため、必ずしも先送りされるとは限らないものの、期待の減税実施時期が不透明となったのはまぎれもなく懸念要因。

 当面、日経平均は高値波乱状態に入る恐れがあるため、対応策として考えられるのは(1)~(4)となる。

(1)投じている資金を次第に減らす。

(2)利益が乗っている銘柄は次第に利食っておく。

(3)連騰銘柄を買わない。

(4)新規投資は押し目狙いに徹する。

●成長力と将来性で銘柄選択

 ただ、お断りしておきたいが、目先高値波乱があるだろうという予測であり、上昇トレンドが崩れてしまうということではない。米国の減税案先送り観測にしても、トランプ大統領がそれを容認するとは限らない。

 もし先送りになりそうなら、帰国後に大統領はそれに強烈に反対するに決まっており、共和党も譲歩を迫られると見るのが自然だ。

 それに議会指導者たちも、減税案の早期実施が米国経済のさらなる成長に大きく寄与するのは分かっている。大統領に、「米国経済の発展を阻害するつもりか」と迫られると、減税実施を先送りするなんてとてもできないだろう。

 その代償として財政の悪化が懸念されるものの、米国の歴代政権は経済の活性化で税収増が見込めるという考えを貫いてきた。トランプ大統領もこの点変わりはないどころか、「減税→経済拡大→税収増」をより強く志向しており、目先、日米市場ともに波乱があったとしても、それが落ち着くとまた続伸…。こんな展開が予想されるため、ここで注目したいのは次のような銘柄になる。

 まずは血圧計などヘルスケア機器に強いオムロン <6645> だ。9日に高値をつけたあと反落したので拾っておきたい。なお、わが家の血圧計もオムロン製で、問題なく使えている。

 シワ改善クリーム「リンクルショット」の販売好調が続くポーラ・オルビスホールディングス <4927> も押し目を見逃さないようにしたい。同社のチラシ広告が時々新聞とともに配達されるが、妻はいつも熱心に見入っている。まだ購入するまでには至っていないが、そのうち購入するかも。おそらく全国各地で女性たちの似たような動きが見られるに違いない。

 年末に向けて需要増が見込める製品にカー用品がある。業界首位のオートバックスセブン <9832> も魅力的だ。今年はドライブレコーダーの需要拡大が続いていて、年末になってもそれは衰えないだろう。

 外食チェーン「大阪王将」の運営と冷凍食品製造の2本柱経営で伸びているイートアンド <2882> も、急騰はないものの、緩やかな続伸が見込める銘柄になる。

 どこからどう見ても美人。こう表現したくなるほど業績好調で、将来性もある。こんな企業ながら株価の上昇はかなりマイルドなエムスリー <2413> も高値足踏み状態で拾っておきたい。医薬品情報サイトの運営が、日米韓英だけでなく中国でも絶好拡大中だけに有望度は高い。

 最後にまたまたペッパーフードサービス <3053> を。幸楽苑ホールディングス <7554> が同社のフランチャンズに参加するとの報道で「目先の好材料出尽くし」と見られて売られてしまったが、大事なのはこの会社の成長力。まだまだ成長途上にあると見てよく、調整局面で投資しておくのが良策といえる。

2017年11月10日 記

株探ニュース

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