【特集】高橋春樹氏【調整入り東京市場、「下値メド」と「反転時期」】(3) <相場観特集>
高橋春樹氏(三木証券 執行役員 商品本部長)
―冬目前・上昇トレンド復帰はいつ、ここからの狙い目を聞く―
週明け13日の東京株式市場は日経平均株価が大幅安で4日続落、目先下値を探る動きにある。10月下期相場入りから日経平均は一気に2万円台を駆け上がり、バブル崩壊後の高値を抜いてなお上値を慕う展開をみせたが、さすがに前週後半から利益確定売り圧力が買いに勝る流れとなった。秋から冬への季節の変わり目に相場のトレンドもまた変化をみせるのか。ここから年末に向け想定される展開について、先読みに定評のあるマーケット関係者3人に聞いた。
●「調整は軽微で年末までに2万4000円を目指す」
高橋春樹氏(三木証券 執行役員 商品本部長)
きょうの日経平均は300円安と大幅に下落し、4日続落となった。10月以降、短期間に急ピッチな上昇を続けてきただけに、この程度の調整は致し方ないところだ。ただ、ボラティリティが大きくなっている点はやや気掛かりだ。最近の株価指数先物の動きを見ていると、日中値幅(1日の高値と安値の差)が859円と膨らんで乱高下した9日をはじめとして、現物株市場の昼休みや、大引け後の時間帯に仕掛け的な売りが出るケースが目立っている。
ただ、企業業績向上を背景としての株価上昇であることを考慮すると、極端に大幅な調整はなさそうだ、日経平均の1株利益は1500円を超えてきており、下値不安は少ない。現在日々上昇中の25日移動平均線が近日中にも到達する2万2000円水準が、調整の下値メドといえそうだ。
日経平均の1株利益を1500円として、PER15倍で株価は2万2500円となるが、業績が向上している局面では、PERは一定ではなく15.5倍、16倍と上昇するケースが多い。PER15倍を割り込むような株価水準になれば、押し目買いの好機と捉えてもよさそうだ。
短期間に急上昇した後だけに、株価指数先物を巡る空中戦のような売買で波乱展開も予想される。ただ、早目に再び2万3000円台を回復してくるようであれば、年末に掛けて2万4000円台乗せを目指す展開も想定される。4-9月期決算が終了すると、そろそろ来期(19年3月期)の業績見通しの株価への織り込みがスタートする。当面の物色動向は、現状が典型的な業績相場であることから、好業績銘柄が対象となる。ソニー <6758> 、キヤノン <7751> 、富士フイルムホールディングス <4901> といった代表銘柄に注目したい。
(聞き手・冨田康夫)
<プロフィール>(たかはし・はるき)
1977年岡山大学法文学部卒業・第一証券入社。1999年第一証券エクイティ部長兼投資運用部長、2005年三菱UFJ証券エクイティ部長、2011年三木証券投資情報部長。
株探ニュース