【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):エンジャパン、ニチイ学館、ミネベア
エンジャパン <日足> 「株探」多機能チャートより
8日、エナリス <6079> [東証M]が17年12月期の連結経常利益を従来予想の6億2000万円→8億7000万円に40.3%上方修正。増益率が3.6倍→5.1倍に拡大し、従来の5期ぶりの過去最高益予想をさらに上乗せしたことが買い材料視された。電力調達支援サービスで部分供給から全量供給に変更する顧客が計画を上回るほか、電力卸取引で取扱電力量が堅調に増加していることが寄与。夏場の電力調達コストが想定を下回ったことに加え、コスト削減も上振れに貢献する。
■エン・ジャパン <4849> 5,090円 +700 円 (+16.0%) ストップ高 本日終値
エン・ジャパン <4849> [JQ]が大幅反発し、上場来高値を更新した。8日に発表した18年3月期上期(4-9月)の連結経常利益が前年同期比26.5%増の48.8億円と、従来予想の41.1億円を上回って着地したことが買い材料視された。人手不足を背景に、主力の求人サイト「エン転職」の広告出稿件数が大幅に増加したことが寄与。人材紹介の手数料収入が伸びたことも増益に貢献した。業績好調に伴い、通期の同利益を従来予想の82億円→90億円に9.8%上方修正。増益率が19.7%増→31.4%増に拡大し、従来の10期ぶりの過去最高益予想をさらに上乗せした。今期業績の上方修正は8月に続き、2回目となる。
■ニチイ学館 <9792> 1,312円 +162 円 (+14.1%) 一時ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率5位
ニチイ学館 <9792> が一時ストップ高に買われ、年初来高値を更新した。同社は8日、戦略投資を進めていた教育事業の構造改革に取り組むと発表しており、これを好感する買いが殺到しているようだ。同社は英会話教室「Gaba」「COCO 塾」を運営しているが、いずれも大人、子どもの両ターゲットに向けてサービスを展開している。18年4月からは大人向けサービスを「Gaba」、子ども向けサービスを「COCO塾 Jr.」に区分・統一し、ブランドを並立した形態での展開を本格稼動するという。赤字が続く教育事業の再編による業績回復に期待する買いが向かった。同時に、12月1日付で森信介副社長が社長に昇格する人事を発表。あわせて発表した18年3月期上期(4-9月)の連結経常損益は18.1億円の黒字(前年同期は11.1億円の赤字)と、10月27日に上方修正した数値とほぼ同値での着地となった。
■テイカ <4027> 2,964円 +340 円 (+13.0%) 一時ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率6位
テイカ <4027> が一時ストップ高に買われ、年初来高値を更新した。株価は1989年に記録した上場来高値3160円にあと35円まで迫る場面があった。8日に発表した18年3月期上期(4-9月)の連結経常利益が前年同期比23.7%増の33.6億円に伸び、従来計画の30億円を上回って着地したことが買い材料視された。需給逼迫状態にある汎用用途の酸化チタンが塗料・インキ向けに販売が伸びたほか、インバウンド需要などを背景に化粧品向け表面処理製品も好調だった。円安進行で為替差損がなくなったことも大幅増益に貢献した。
■日本特殊塗料 <4619> 2,241円 +250 円 (+12.6%) 本日終値 東証1部 上昇率7位
日本特殊塗料<4619>が急反発し、年初来高値を更新した。同社は8日取引終了後に、18年3月期通期の連結業績予想を修正。営業利益見通しは従来の29億円から32億円(前期比1.2%増)に引き上げた。売上高予想も546億円から552億円(同15.0%増)に増額修正。塗料関連事業では集合住宅大規模改修工事の受注増などを見込んでいるほか、自動車製品関連事業では国内外で吸・遮音材が伸びるとみている。
■ウィルグループ <6089> 1,470円 +142 円 (+10.7%) 本日終値 東証1部 上昇率8位
ウィルグループ <6089> が急反発し、上場来高値を更新した。8日に発表した18年3月期上期(4-9月)の連結経常利益が前年同期比2.2倍の12.9億円に急拡大して着地したことが買い材料視された。主力のセールスアウトソーシング事業が収益を牽引した。スマートフォン販売やアパレル、大手IT関連企業などの業務請負の受注が拡大したことに加え、既存取引先との契約条件を見直したことも奏功した。9月に業績修正した内容とほぼ同値での着地となったが、好決算を改めて評価する買いが向かった。
■双葉電子工業 <6986> 2,527円 +244 円 (+10.7%) 本日終値 東証1部 上昇率9位
双葉電子工業 <6986> が続急騰し、連日で年初来高値を大幅に更新した。18年3月期の連結最終損益を従来予想の4億円の黒字→16億円の黒字(前期は23.7億円の赤字)に4.0倍上方修正したことが買い材料視された。松戸精機工場の売却に伴い、売却益14.7億円を計上したことが利益上振れの主因となった。なお、車載用タッチセンサーなどの受注好調で売上は計画を上回る一方、生産コストや運送費の増加で営業利益は下振れする見通しとしている。
■パソナグループ <2168> 1,795円 +167 円 (+10.3%) 本日終値 東証1部 上昇率10位
パソナグループ<2168>が急騰。香港のオアシス・マネジメント・カンパニーが同社に対して「事業戦略およびガバナンス体制改革案」を公開。オアシス社は香港の「物言う株主(アクティビスト)」として知られ、パソナの約4.8%の株式を保有している。オアシスは、パソナに対して「国内大手人材派遣会社の中で現在最も収益性が低い企業の1社」と指摘。株価は子会社のベネフィット・ワン<2412>のパソナ保有分時価総額の約半分程度に過ぎない、ことなどを問題視している。そのうえで、「適切な経営資源の配分」「厳格なコスト管理体制の徹底」「ガバナンス体制の刷新」を提案した。改善がなされた場合、株式は最低でも3754円以上の市場価格になると主張している。
■サンフロンティア不動産 <8934> 1,478円 +136 円 (+10.1%) 本日終値
サンフロンティア不動産 <8934> が急反騰し、年初来高値を更新した。8日に発表した18年3月期上期(4-9月)の連結経常利益が前年同期比10.4%増の53.4億円に伸びて着地したことが買い材料視された。直近3ヵ月の実績である7-9月期(2Q)の同利益は前年同期比2.4倍の33.2億円に急拡大した。甲府の自社開発ホテルを売却したことが収益を押し上げた。第1四半期は41.9%減益だっただけに、累計で増益に転換したことを好感する買いが向かったようだ。
■ミネベアミツミ <6479> 2,419円 +211 円 (+9.6%) 本日終値
8日、ミネベアミツミ <6479> が決算を発表。18年3月期上期(4-9月)の連結経常利益が前年同期比2.2倍の421億円に急拡大して着地したことが買い材料視された。スマートフォン向けLEDバックライトや自動車向けモーターの販売が大きく伸びたことが寄与。ゲーム機器向け機構部品をはじめ全製品が好調だったミツミ事業も収益を押し上げた。業績好調に伴い、通期の同利益を従来予想の660億円→720億円に9.1%上方修正。増益率が36.4%増→48.8%増に拡大し、従来の3期ぶりの過去最高益予想をさらに上乗せした。今期業績の上方修正は8月に続き、2回目となる。併せて、今期の年間配当を従来計画の20円→26円(前期は14円)に増額修正したことも支援材料となった。
株探ニュース