【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):ワコム、市光工、宝HLD
ワコム <日足> 「株探」多機能チャートより
ワコム<6727>がストップ高に買われる人気となった。7日取引終了後に発表した18年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算は売上高が406億8900万円(前年同期比20.4%増)と大幅増収を確保し、営業損益は15億100万円(前年同期8億9800万円の赤字)、最終損益は16億7400万円(同12億2600万円の赤字)と黒字化を果たした。市場では「新興国向けの低価格モデルの販売拡大などで業績改善色が強まっている。加えて国内大手証券が同社の目標株価を630円から720円に引き上げたことが短期資金の流入を促した」(準大手証券)としている。
■市光工業 <7244> 1,013円 +150 円 (+17.4%) ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率4位
市光工業<7244>が大幅続伸し、年初来高値を更新した。同社は7日取引終了後に、17年12月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算を発表。今期から決算期を変更するため単純比較はできないが、営業利益は23億1600万円と従来予想の20億円から上振れ着地したことが好感されたようだ。売上高は605億7100万円となり、従来予想の583億円を上回った。主力の自動車部品事業が国内受注増や東南アジア子会社の業績回復を背景に増収増益となったことなどが寄与した。なお、通期業績予想は従来計画を据え置いている。
■フルヤ金属 <7826> 4,810円 +700 円 (+17.0%) ストップ高 本日終値
7日、フルヤ金属 <7826> [JQ]が決算を発表。18年6月期第1四半期(7-9月)の連結経常利益が前年同期非連結比2.2倍の6.7億円に急拡大して着地したことが買い材料視された。有機EL向けや電極向け化合物の販売が好調だったうえ、一部貴金属価格の上昇も収益を押し上げた。通期計画の13.6億円に対する進捗率は49.3%に達しており、業績上振れを期待する買いが向かった。
■シュッピン <3179> 3,010円 +433 円 (+16.8%) 一時ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率5位
シュッピン<3179>に人気集中、一時値幅制限上限の503円高は3080円まで買われた。10月16日の高値2946円を上回り上場来高値を更新した。同社はカメラや時計など高級商材の買い取りや中古販売をネットおよび店舗で展開し、消費者のニーズを捉え業績は絶好調に推移している。18年3月期第2四半期累計(4~9月)の単独決算は売上高が144億3500万円(前年同期比29.3%増)、営業利益は7億3600万円(同55.8%増)と急拡大した。市場では「12月末の株主を対象に1株を2株にする株式分割を発表していることで、この権利取りの動きも絡む。直近はいちよし証券がレーティングをAに格上げしており、投機資金の攻勢につながった」(国内準大手証券)としている。
■Jエレベータ <6544> 1,560円 +201 円 (+14.8%) 本日終値
ジャパンエレベーターサービスホールディングス <6544> [東証M]が急反発し、上場来高値を更新した。同社は7日、18年3月期の連結経常利益を従来予想の11億円→12億円に9.1%上方修正。増益率が2.1倍→2.3倍に拡大し、従来の2期ぶりの過去最高益予想をさらに上乗せしたことが買い材料視された。今期業績の上方修正は8月に続き、2回目。エレベーターの保守契約やリニューアル案件の受注が伸びることが寄与。外注業務の内製化やコスト削減の進展による採算改善も上振れに貢献する。業績好調に伴い、従来未定としていた期末一括配当は11円実施する方針としたことも支援材料となった。17年9月に実施した1→2の株式分割を考慮すると、実質2.8倍増配となる。
■ヨシックス <3221> 3,115円 +380 円 (+13.9%) 本日終値 東証1部 上昇率7位
ヨシックス<3221>が大幅続伸し、実質上場来高値を更新した。7日の取引終了後、18年3月期の単独業績予想について、売上高を145億円から149億7500万円(前期比17.8%増)へ、営業利益を12億5500万円から14億3800万円(同25.5%増)へ、純利益を9億3000万円から10億6400万円(同22.2%増)へ上方修正したことが好感された。既存店売上高が好調に推移したほか、新規出店の売上高も好調に推移したことで上期業績が想定を上振れて着地しており、これを上乗せしたという。なお、同時に発表した第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高74億7800万円(前年同期比22.2%増)、営業利益7億9000万円(同37.8%増)、純利益5億9000万円(同27.3%増)だった。
■クラボウ <3106> 370円 +43 円 (+13.2%) 本日終値 東証1部 上昇率9位
クラボウ<3106>が後場急伸。午後1時20ごろに、1200万株(発行済み株数の5.30%)、または40億円を上限とする自社株買いを発表しており、これを好材料視した買いが入った。取得期間は11月9日から来年9月20日までで、株主還元の充実および資本効率の向上を図るのが狙いとしている。また、同時に発表した第2四半期累計(4~9月)連結決算が、売上高789億1300万円(前年同期比0.8%増)、営業利益24億3600万円(同0.9%増)、純利益17億1700万円(同28.6%増)となり、大幅最終増益となったことも好感されているようだ。化成品事業で、自動車向けにフィルター用不織布が順調に推移したほか、半導体製造装置向け樹脂加工品も好調。また、エレクトロニクス分野で基板検査装置や液体成分濃度計が順調だったことも寄与した。法人税等が減少したこともあり、最終利益は大幅増益を確保した。なお、18年3月期通期業績予想は、売上高1660億円(前期比2.6%増)、営業利益65億円(同5.5%増)、純利益47億円(同31.0%増)の従来見通しを据え置いている。
■ユニオンツール <6278> 4,260円 +440 円 (+11.5%) 本日終値 東証1部 上昇率10位
7日に決算を発表。「今期経常を3%上方修正、配当も4円増額」が好感された。ユニオンツール <6278> が11月7日大引け後(15:00)に決算を発表。17年12月期第3四半期累計(1-9月)の連結経常利益は前年同期比32.5%増の26.7億円に拡大した。業績好調に伴い、今期の年間配当を従来計画の52円→56円(前期は50円)に増額修正した。
⇒⇒ユニオンツールの詳しい業績推移表を見る
■宝ホールディングス <2531> 1,273円 +130 円 (+11.4%) 本日終値
宝ホールディングス<2531>が急騰。同社は7日取引終了後、18年3月期の連結業績予想の修正を発表。売上高を2680億円から2700億円(前期比15.3%増)へ、営業利益を140億円から153億円(同12.9%増)へ、最終利益を85億円から104億円(同22.6%増)へ大幅増額しており、これを好感する買いが流入した。“タカラ「焼酎ハイボール」”が好調で売り上げに寄与、バイオ事業も新規連結子会社が収益貢献している。また、配当も従来予想に1円上乗せし年15円とする。発行済み株式数の0.99%を上限に自社株買いを実施し、発行済み株式数の7.35%にあたる1600万株の自社株を消却することも発表。そのほか、株主優待制度を新設するなど株主還元に前向きで、物色人気を助長している。
■日比谷総合設備 <1982> 2,710円 +265 円 (+10.8%) 本日終値
7日、日比谷総合設備 <1982> が発行済み株式数の16.13%にあたる500万株(金額で122億6524万円)を上限に自社株TOB(株式公開買い付け)を実施すると発表したことが買い材料視された。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。公開買い付け期間は11月8日から12月6日まで。買い付け価格は7日終値を0.33%上回る2453円。証券会社を仲介してエヌ・ティ・ティ都市開発 <8933> などの大株主や個人から株式を相対で直接買い取る。また、今回取得した500万株を12月28日以降に消却する。
株探ニュース