【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):東エレク、スクリン、ソニー
東エレク <日足> 「株探」多機能チャートより
10月31日、黒田電気 <7517> に対してMBKパートナーズ傘下のKMホールディングスがTOB(株式公開買い付け)を実施し、完全子会社化を目指すと発表したことが買い材料視された。TOB価格が前日終値を34.7%上回る1株2720円とあって、本日の株価はこれにサヤ寄せする形で買い気配値を切り上げた。買付期間は11月2日から12月15日まで。同社株は、TOB成立後上場廃止となる見込み。
■旭有機材 <4216> 1,770円 +277 円 (+18.6%) 本日終値 東証1部 上昇率3位
旭有機材 <4216> が続急騰し、年初来高値を更新した。10月31日に発表した18年3月期上期(4-9月)の連結経常利益が前年同期比6.3倍の12.8億円に急拡大し、従来予想の9億円を上回って着地したことが買い材料視された。国内外の設備投資の拡大を背景に、自動車向け樹脂製品や建材用途をはじめとした発泡材料が好調だったほか、付加価値の高い配管材料の販売も伸びた。物流改革によるコスト削減に加え、円安による為替差損益の改善も大幅増益に貢献した。業績好調に伴い、通期の同利益を従来予想の21億円→30億円に42.9%上方修正した。併せて、今期の年間配当を従来計画の18円→24円(前期は5→1の株式併合前で6円)に修正し、17年9月に実施した5→1の株式併合を考慮すると、実質33.3%増額修正したことも支援材料となった。
■MARUWA <5344> 7,580円 +1,000 円 (+15.2%) ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率4位
10月31日、MARUWA <5344> が決算を発表。18年3月期上期(4-9月)の連結経常利益は前年同期比96.4%増の39.7億円に拡大し、従来予想の21億円を上回って着地したことが買い材料視された。データセンター向けなどの旺盛な半導体需要を追い風に、セラミック部品の販売が大きく伸びたことが寄与。なお、直近3ヵ月である7-9月期(2Q)の同利益は2四半期連続で全四半期ベースの最高益を更新した。通期計画の54.5億円に対する進捗率は73.0%に達しており、業績上振れを期待する買いが向かった。
■東京エレクトロン <8035> 22,405円 +2,650 円 (+13.4%) 本日終値 東証1部 上昇率6位
東京エレクトロン<8035>が急騰。2万円を突破し、2000年5月につけた上場来高値2万90円を17年半ぶりに更新した。同社は10月31日取引終了後、18年3月期の連結業績予想の修正を発表。売上高を9800億円から1兆1300億円(前期比41.3%増)へ、営業利益を2160億円から2710億円(同74.1%増)へ、最終利益を1630億円から1980億円(同71.9%増)へそれぞれ増額しており、これが大きく材料視された。世界的に旺盛な半導体需要を背景に同社が手掛ける半導体製造装置やフラットパネルディスプレー装置などが好調で、会社側の想定を大幅に上回る見通しとなった。
■スクリン <7735> 9,860円 +1,050 円 (+11.9%) 本日終値 東証1部 上昇率9位
SCREENホールディングス<7735>が5連騰し、約半年ぶりに年初来高値を更新した。10月31日の取引終了後、18年3月期の連結業績予想について、売上高を3170億円から3370億円(前期比12.2%増)へ、営業利益を370億円から410億円(同21.5%増)へ、純利益を250億円から270億円(同11.7%増)へ上方修正し、あわせて従来87円を予定していた期末一括配当を100円に引き上げ、前期比13円の増配とすることが好感された。半導体機器事業で、ロジックメーカー向けが増加するとともに、ファウンドリーやメモリーメーカー向けの売り上げが堅調に推移しているほか、足もとの受注状況から売上高・利益が想定を上回る見込みとなったという。なお、第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高1538億3400万円(前年同期比13.0%増)、営業利益169億1800万円(同38.9%増)、純利益106億6600万円(同12.8%増)だった。同時に、30万株(発行済み株数の0.64%)、または20億円を上限とする自社株買いを発表しており、これをも好材料視されているようだ。取得期間は11月1日から来年3月31日までで、株主利益の還元および資本効率の向上を図るためとしている。
■ソニー <6758> 4,918円 +505 円 (+11.4%) 本日終値 東証1部 上昇率10位
10月31日、ソニー <6758> が18年3月期の連結税引き前利益を従来予想の4700億円→6000億円に27.7%上方修正。増益率が86.8%増→2.4倍に拡大し、10期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料視された。スマートフォン向けイメージセンサーの販売が伸びるほか、ゲームアプリや音楽ストリーミング配信の好調も寄与する。また、主要部品の価格下落によるテレビ事業の採算向上に加え、円安効果も利益拡大を後押しする。業績好調に伴い、従来未定としていた今期の年間配当は25円(前期は20円)実施する方針としたことも支援材料となった。
■Jパワー <9513> 3,140円 +295 円 (+10.4%) 本日終値
10月31日、Jパワー <9513> が18年3月期の連結経常利益を従来予想の660億円→810億円に22.7%上方修正。従来の1.7%減益予想から一転して20.6%増益を見込み、一気に12期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料視された。火力発電所の稼働率が想定以上に上昇することが収益押し上げる。海外事業で販売電力量が増加することも上振れの要因となる。同時に発表した18年3月期上期(4-9月)の同利益は前年同期比84.7%増の675億円に拡大して着地した。
■ユナイテッド <2497> 3,970円 +365 円 (+10.1%) 本日終値
ユナイテッド <2497> [東証M] が急反発し、年初来高値を更新。株価は13年10月以来、約4年ぶりの高値圏に浮上した。10月31日に発表した18年3月期上期(4-9月)の連結経常利益が前年同期比9.1倍の9.4億円に急拡大して着地したことが買い材料視された。前年同期に実施したソーシャルゲーム「クラッシュフィーバー」の大型広告投資がなくなったほか、前期に買収したアラン・プロダクツのアフィリエイト広告売上が順調に成長したことが寄与。インベストメント事業で株式売却益が増加したことも大幅増益に貢献した。
■ルネサンス <2378> 1,857円 +168 円 (+10.0%) 本日終値
31日に決算を発表。「上期経常が4%増益で着地・7-9月期も12%増益」が好感された。ルネサンス <2378> が10月31日大引け後(15:30)に決算を発表。18年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結経常利益は前年同期比3.7%増の16.4億円に伸びたが、通期計画の38億円に対する進捗率は43.2%となり、5年平均の41.7%とほぼ同水準だった。
⇒⇒ルネサンスの詳しい業績推移表を見る
■ミロク情報サービス <9928> 2,897円 +253 円 (+9.6%) 本日終値
ミロク情報サービス <9928> が急反発し、上場来高値を更新した。10月31日に発表した18年3月期上期(4-9月)の連結経常利益が前年同期比25.7%増の26.4億円に伸び、従来予想の22億円を上回って着地したことが買い材料視された。企業のIT関連投資の需要増加を背景に、統合業務ソフトなどの販売が伸びたことが寄与。ソフト使用料収入や運用支援といった利益率の高い保守サービスの受注が増加したことも増益に貢献した。通期計画の44億円に対する進捗率は60.1%に達しており、業績上振れを期待する買いが向かった。
株探ニュース