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【通貨】欧米為替見通し:ドル・円は小じっかりの展開か、米経済指標で12月利上げ観測継続

ドル円 <日足> Slowストキャス 「株探」多機能チャートより

今日の欧米外為市場では、ドル・円は下値の堅い展開を予想する。今晩発表される米国
の住宅関連指標は鈍化が予想されるものの、連邦準備制度理事会(FRB)の12月追加利上げ観測は変わらず、ドルは売りづらい地合いとなりそうだ。

前日発表された米国の9月輸入物価指数は前月比+0.7%(予想と8月は+0.6%)となり、目先のインフレ押し上げ要因と好感された。また、9月鉱工業生産は予想通りプラスに転換するとともに、8月分が-0.9%から-0.7%に修正され、経済の成長持続を背景に FRBの金融正常化方針が意識された。CMEグループが算出するFedウォッチによると、12月12-13日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げを見込んでいる市場参加者は9割超に達し、ドルは売りづらいだろう。

今晩は、米国の9月住宅着工件数と9月住宅建設許可件数(以上21時半)の発表を手がかりとした取引となりそうだ。いずれも前回を下回る見通しだが、着工件数と建設許可件数はともに高水準での推移が続き、予想の範囲内であればドル売り要因になりにくいとみられる。前日の10月NAHB住宅指数が68に大きく強含んだことから、今晩の住宅関連指標にも上振れ期待が高まる可能性もあろう。

一方、FRBの次期議長人事も引き続き材料視されよう。足元ではスタンフォード大学教授でタカ派寄りとされるジョン・テーラー氏が有力候補の1人に躍り出たことで、前日も米国債利回りが一時上昇しドルを押し上げたようだ。ただ、トランプ政権は雇用や生産の底上げ優先の政策を目指し、FRBに対しては低金利政策の維持を求めるとの見方も根強い。このため、依然としてイエレン議長続投やパウエル理事就任の可能性も残り、「テーラー議長」を見込んだドル買いは一服するかもしれない。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・17:00 南ア・9月消費者物価指数(前年比予想:5.0%、8月:+4.8%)
・17:30 英・6-8月ILO失業率(予想:4.3%、5-7月:4.3%)
・20:00 米・MBA住宅ローン申請指数(先週)(前回:-2.1%)
・21:00 ダドリーNY連銀総裁とカプラン米ダラス連銀総裁が討論会参加
・21:30 米・9月住宅着工件数(予想:117.5万戸、8月:118.0万戸)
・21:30 米・9月住宅建設許可件数(予想:124.5万戸、8月:127.2万戸←130.0万戸)
・03:00 米地区連銀経済報告(ベージュブック)

《CS》

 提供:フィスコ

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