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【特集】インスタ映えはヒットの条件、脚光“ソーシャルマーケ”の有力企業 <株探トップ特集>

データセク <日足> 「株探」多機能チャートより

―SNS利用率“9割超”の時代、マーケティングはテレビより新聞よりソーシャル・メディアが大事―

 写真共有SNS(交流サイト)「インスタグラム」(インスタ)の利用者拡大が加速している。スタート年の2010年年末には全世界の月間アクティブ利用者数は100万人だったが、昨年6月に5億人を突破すると拡大ペースが加速し、同年12月に6億人、今年4月には7億人を突破した。

 特に最近の利用者の増加には「Instagram Stories」やライブ動画、ダイレクト機能などのアップデートを通じて、利用者同士がこれまで以上にビジュアルコミュニケーションを楽しめるようになったことが大きく貢献している。また、アカウント作成のプロセスをよりシンプルしたことも寄与しているようだ。

 近年では、インスタに公開した際に見栄えが良い「インスタ映え」がヒット商品のキーワードの一つともなっており、商品づくりやマーケティングで重要度を増している。

●20~30代の大半はソーシャルメディアを利用

 インスタに限らず、他のSNSや動画共有サイト、ブログ、メッセージングアプリなどのソーシャルメディアは、スマートフォンの普及を通じ年々利用者が拡大している。ソーシャルメディアの利用率は、14年度で全年代では62%だが、30代では82%、20代では95%と両年代ではほとんどの人が利用している。

 そこで重要となっているのが、ソーシャルメディアを利用したマーケティングだ。「新聞ばなれ」や「テレビばなれ」が進み、マス媒体を利用したマーケティングの影響力が弱まる一方、消費者はソーシャルメディアを通じて積極的に商品情報を得るようになっていることがその背景にはある。

 企業サイドもソーシャルメディアを活用することで、低コストかつ短期間で多くの消費者ニーズを把握することができ、商品開発に生かせるほか、より早く商品の認知度を上げることができるようになる。今やテレビや新聞などに代わって、ソーシャルメディアマーケティングが主流になりつつあるといっても良いだろう。

●活躍の場増すコンサルタントや分析サービス

 ソーシャルメディアの情報から適切なマーケティング戦略をとるためには、膨大な量のデータを分析することが重要となる。例えば自社商品の口コミデータを集め、性別や年齢、地域、職業などさまざまな側面から分類し、どの層に商品を開発するか。また、分析したデータに基づき、適切なターゲットに最適な情報をどう提供するのかも必要だ。

 これらのソーシャルメディア分析について、各企業が1からノウハウを形成するのは時間も費用もかかる。また、企業が発信した情報が思わぬ批判を招くこともあり、これらを監視し続けることも重要となっている。

 そこで活躍の場を増やしているのが、ソーシャルメディアマーケティングに関するコンサルタントの提供や、分析サービスを行う企業だ。

●インスタ対応進むホットリンク

 データセクション <3905> [東証M]はソーシャルメディアの「消費者の声」の調査・分析から施策立案、プロモーションなどのアクションまで一貫して手掛けている。今年4月にはベクトル <6058> と共同でPRコンテンツ制作サポートツール「AI-PR」の開発を始動させ、記事化されやすく、ソーシャルメディアで広がりやすい文章を人工知能(AI)で最適化し、顧客に提供することにも取り組んでいる。

 また、ホットリンク <3680> [東証M]は、ソーシャル・ビッグデータをリアルタイムに収集・蓄積し、自由な切り口で検索・分析するクラウドサービス「クチコミ@係長」を展開。今年6月にはインスタの運用支援に対応し、AIを活用して「#(ハッシュタグ)」の分析やレコメンドなどを行う新サービス「BuzzSpreader(バズスプレッダー)」もスタートさせた。

●ブレインパッドは会話を収集・分析

 ブレインパッド <3655> は、ソーシャルメディア上での会話を収集・分析するソーシャルリスニングツールを展開している。今年7月にはインスタに対応した機能を強化することで、ハッシュタグだけではなくキャプションコメントからの分析もできるようにした。

 また、アライドアーキテクツ <6081> [東証M]は、インスタグラムなどSNSの運用をサポートする専門組織を立ち上げ、戦略立案から投稿内容の選定、効果測定までを一貫して支援。メンバーズ <2130> やトランス・コスモス <9715> も同様にソーシャルメディアの活用支援を手掛けており、導入実績も多い。

●EガーディアンはSNS監視に強み

 一方、ソーシャルメディアの監視については、前述のデータセクションやホットリンクなども手掛けているが、イー・ガーディアン <6050> ではSNSや掲示板などの投稿を24時間365日目視監視するサービスが好評で業績を順調に伸ばしている。

 また、エルテス <3967> [東証M]も同じくソーシャルメディアの監視を行うが、実際にリスクを検知した場合、その後どのような対応をすべきかについて専任のコンサルタントがアドバイスを行う点に強みがあり注目したい。

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