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【通貨】欧米為替見通し:ドル・円は上げ渋りか、米税制改正論議の行方を注視も

ドル円 <日足> Slowストキャス 「株探」多機能チャートより

今日の欧米外為市場では、ドル・円は上げ渋る展開を予想したい。米連邦準備制度理事会(FRB)による年内の追加利上げ観測を背景にドル買い基調は続く見通し。ただ、米税制改正論議に関心が移り、積極的なドル買いは手控えられるだろう。

米FRBは前日、連邦公開市場委員会(FOMC)の声明で、10月にもバランスシートの縮小に着手する方針を示した。また、米南部を襲ったハリケーンの経済への影響は一時的としたうえで、今年と来年の3回の利上げ方針を維持。FRBが政策金利を据え置いたものの、金融正常化の方針を堅持したことを受けて、前日NY市場でドル・円は112円台に上昇した。

また、日銀は20-21日の金融政策決定会合で、長期金利をゼロ%程度に誘導する現行の金融緩和を維持。このため、目先も引き続き円安に振れやすく、ドルをはじめ主要通貨を押し上げる見通し。欧州市場ではこうした動きを消化するとみられ、株価や長期金利をにらみながらドル・円やクロス円の上昇基調が続くだろう。

ただ、今晩のドル・円の上昇は小幅にとどまる可能性がある。21時半発表の米国の9月フィラデルフィア連銀製造業景況指数は、今年最低となる見通しで、ドル買い一服の要因に。また、22時半のドラギECB総裁による講演も注目される。システミックリスクがテーマだが、発言内容からECBによる緩和縮小観測が高まれば、FOMC後に急落したユーロが買い戻され、ドル・円にもドル売り圧力がかかる展開もありうる。

一方、FOMC通過により、市場関係者の関心はトランプ政権が施行を目指す税制改正に向けられつつある。25日にも発表されるトランプ政権の税制改正の内容には、具体的な法人税率や企業の利益控除などが盛り込まれる見通し。ただ、法人減税について共和党内では困難との見方もあり、政策論議の行方を見極めたいとのムードが広がろう。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・17:00 欧州中央銀行(ECB)が経済報告発表
・17:30 英・8月公共部門純借入額(銀行部門除く)(予想:+71億ポンド、7月:-2億ポンド)
・21:30 米・9月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(予想:17.1、8月:18.9)
・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:30.2万件、前回:28.4万件)
・22:00 米・7月FHFA住宅価格指数(前月比予想:+0.4%、6月:+0.1%)
・22:00台 南ア中銀が政策金利発表(0.25ポイント引き下げ予想)
・22:30 ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁講演(欧州システミックリスク理事会関連)
・23:00 米・8月景気先行指数(前月比予想:+0.3%、7月:+0.3%)

《CS》

 提供:フィスコ

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