【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):郵船、ジェイエイシ、トヨタ
トヨタ <日足> 「株探」多機能チャートより
日本郵船<9101>、商船三井<9104>など海運株が買い優勢の展開。鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数が前日20日時点で34ポイント高の1449と5日続伸、長期波動の上値のフシとなっていた2014年10月の1428を上回った。元来、バルチック指数と株価連動性の強い海運株は出遅れ修正狙いの買いが入り始めている。
■ジェイエイシ <2124> 1,697円 +19 円 (+1.1%) 本日終値
JAC Recruitment<2124>が4日続伸。20日の取引終了後に発表した8月度の連結月次売上高が前年同月比18.4%増となったことが好感された。7月は同0.2%増にとどまり伸び鈍化が懸念されたが、8月は2カ月ぶりに2ケタ増に戻しており、足もとの好調が確認できたとの見方が強まっているようだ。
■川崎重工業 <7012> 370円 +3 円 (+0.8%) 本日終値
川崎重工業<7012>が堅調。20日の取引終了後、未定としていた18年3月期の配当予想を中間3円、期末30円(10月1日付で10株につき1株の割合で株式併合を実施)にすると発表しており、これを好材料視した買いが入った。なお、前期は中間4円・期末2円だった。
■トヨタ自動車 <7203> 6,738円 +35 円 (+0.5%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>、SUBARU<7270>などをはじめ自動車株に買いが先行。ここ米国株市場でNYダウが7日続けて過去最高値を更新するなどリスクオンの流れが強まるなか、外国為替市場でも安全資産とされる円は売られる展開にある。加えて、米長期金利が連日上昇基調にあり、直近の米10年債利回りは2.27%まで上昇、日米金利差拡大の思惑からドル高・円安の流れを誘発している。足もとドル円相場は1ドル=112円台半ばまで円安が進行、為替感応度の高い自動車セクターには追い風材料となっている。なお、トヨタ、SUBARUともに今期の想定為替レートは1ドル=110円。実勢はそれよりも2円以上円安に振れており、輸出採算向上が期待される状況にある。
■日本製鋼所 <5631> 2,606円 +13 円 (+0.5%) 本日終値
日本製鋼所<5631>が5日ぶりに反発。20日の取引終了後、米国の連結子会社ジャパン・スティール・ワークス・アメリカ(JSWアメリカ)とJSWプラスチックス・マシナリー(PMI)の2社を合併させると発表しており、これを好材料視した買いが入った。米国の販売子会社2社を合併することで、産業機械事業分野における販売力強化を図るほか、経営効率化を進めることで、グループ収益力の強化を図るのが狙いとしている。
■クスリアオキ <3549> 6,450円 -490 円 (-7.1%) 本日終値 東証1部 下落率トップ
クスリのアオキホールディングス<3549>は大幅反落。20日の取引終了後に発表した第1四半期(5月21日~8月20日)連結決算は、売上高544億1000万円、営業利益32億7500万円、純利益23億4400万円で着地。17年5月期第3四半期から連結決算となったため前年同期との比較はなく、前年同期の単独決算比で営業利益は8.0%増となったが、目先の材料出尽くし感から売られているようだ。ドラッグストアを8店舗出店しドミナント化を推進したことに加えて、ドラッグストア併設調剤薬局を5店舗出店したことが寄与した。また、5店舗の全面改造を実施するなど既存店の活性化に注力したことも売上高・利益の向上に貢献した。なお、18年5月期通期業績予想は、売上高2200億円(前期比16.6%増)、営業利益109億2200万円(同2.3%増)、純利益82億円(同0.2%増)の従来見通しを据え置いている。
■MonotaRO <3064> 3,295円 -230 円 (-6.5%) 本日終値 東証1部 下落率2位
MonotaRO<3064>は大幅反落。アマゾンジャパン(東京都目黒区)が20日、法人・個人事業主向け購買専用サイト、「Amazon Business(アマゾンビジネス)」を開始したと発表しており、競争激化につながるとの見方が強まっているようだ。アマゾンジャパンによると、オフィス向けにノートパソコンやプリンター、ネットワーク機器、ストレージ、文房具、家具などを扱うほか、メンテナンス・リペア・オペレーションズ(MRO)向けとして、100万点を超える電動工具や産業用品、安全・保護用品などを取り揃えるという。同時に、Amazonマーケットプレイスの販売事業者へB2Bの販売機会を提供するとしており、各社の値段を比べられ、さらに、配達日時指定サービスも無料で使えるようになることから、MonotaROやアスクル<2678>、「たのめーる」を展開する大塚商会<4768>の手強い競合相手になるとの警戒感が強まっている。
■ジーフット <2686> 741円 -23 円 (-3.0%) 本日終値
ジーフット<2686>は続落。20日の取引終了後、18年2月期の単独業績予想について、売上高を1040億円から1000億円(前期比2.2%減)へ、営業利益を55億円から30億円(同40.1%減)へ、純利益を28億円から13億5000万円(同49.6%減)へ下方修正したことが嫌気された。婦人靴・紳士靴の販売不振で既存店売上高が落ち込んでいることに加えて、PB商品の売上構成比が減少し粗利益率も低下していることが要因としている。
■東芝 <6502> 310円 -5 円 (-1.6%) 本日終値
東芝<6502>は軟調。20日に半導体子会社「東芝メモリ」を米投資ファンド・ベインキャピタルを中心とする「日米韓連合」に売却することを決議したと発表した。前日に、「日米韓連合」への売却の報道が流れ、株価はいったん買われただけに、この日は利益確定売りが先行したようだ。今後は、米ウエスタンデジタル(WD)と抱える係争の行方がどうなるか、債務超過解消に向けて18年3月末までに売却が完了するか、などが注目されている。
■東京エレクトロン <8035> 16,995円 -215 円 (-1.3%) 本日終値
東京エレクトロン<8035>、SCREENホールディングス<7735>など半導体製造装置関連株が軟調に推移。特にここ急激に上値追いを続けていたディスコ<6146>は3%を超える下落となるなど下げがきつい。前日の米国株市場ではここまで上昇相場を牽引してきたIT関連銘柄に利益確定の動きが強まり、エヌビディアやザイリンクスなど半導体関連株の下落が目立った。半導体関連銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が1.4%安と大きく調整していることで、この流れが東京市場にも波及した。しかし、下げは一時的とみて押し目に買い向かう動きも観測される。
株探ニュース