【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):アークランド、任天堂、ソフトバンク
アークランド <日足> 「株探」多機能チャートより
アークランドサカモト <9842> が大幅続伸し、上場来高値を連日更新した。19日に発表した18年2月期上期(3-8月)の連結経常利益は前年同期比8.2%増の55.5億円に伸びて着地、これを好材料視する買いが向かった。とんかつ店「かつや」、からあげ店「からやま」の積極出店が奏功し、外食事業の業績が拡大したことが寄与。ホームセンターを展開する小売事業は減収だったものの、利益率の改善や販管費の減少で増益を確保した。
■アルゴグラフィックス <7595> 3,600円 +195 円 (+5.7%) 本日終値
アルゴグラフィックス <7595> が続急伸し、連日で年初来高値を更新した。19日、九州を中心にITサービス事業を展開するシステムプラネットの議決権比率67%の株式を取得し子会社化すると発表したことが買い材料視された。システムプラネットは九州を地盤としてシステム開発やソフトウェアパッケージの提供、ITシステム関連の運用支援などを手掛ける。今回の株式取得を通じ、同社はソフト開発能力の増強に加え、顧客サポート強化や新規顧客開拓、主力のPLMビジネスの掘り起しにつなげる構えだ。
■いちよし証券 <8624> 1,112円 +56 円 (+5.3%) 本日終値
19日、いちよし証券 <8624> が配当修正を発表。従来未定としていた18年3月期の上期配当を22円(前年同期は15円)実施する方針としたことが買い材料視された。堅調な業績を踏まえ、株主への利益配分を増やす。なお、下期配当は引き続き未定とした。発表を受けて、権利付き最終日の26日を目前に控え、配当取りを狙う買いが向かった。
■ベクトル <6058> 1,606円 +76 円 (+5.0%) 本日終値
ベクトル<6058>は9月6日安値1276円を底に反騰機運を高めており、まずは2000円を目指す動きが期待できそうだ。同社はSNSなどインターネット媒体を得意とするPR会社。メディアが客観的に報じるニュース内に企業側が広めたいメッセージを露出させる「戦略PR」を主力とするが、これにSNSやアドテクノロジーの活用、コンテンツの制作配信までを組み合わせてワンストップで提供している点が強みとされている。足もとでは、戦略PRを中心としたプロジェクト数の増加や動画サービス「IRTV」の成長、また子会社PR TIMES<3922>が手掛けるニュースリリース配信事業の拡大などで業績は好調。18年2月期連結営業利益30億円(前期比36%増)を見込む。これに対して、市場予想平均は同31億円強で上振れが期待できるほか、今後5年間の年平均成長率を営業利益で32%と予想する調査機関もあり、今後はこうした成長力を評価する動きが本格化しよう。(仁)
■任天堂 <7974> 42,890円 +1,940 円 (+4.7%) 本日終値
任天堂<7974>が続伸で新値街道を走る展開。全体地合いにかかわらず継続的に投機資金が流入しており、個人投資家の回転売買に加え、海外ファンドなど機関投資家の実需買いも観測されている。ニンテンドースイッチの売り上げが絶好調、前日は外資系証券による目標株価の大幅な引き上げが買い人気に火をつけたが、2022年までのスイッチの累計販売台数予測の上方修正がベースとなっており、中期的な成長期待が一段と高まっている。市場ではあすから開催される「東京ゲームショウ2017」に注目する向きも多い。
■パイオニア <6773> 214円 +8 円 (+3.9%) 本日終値
パイオニア<6773>が大幅続伸。底値圏もみ合いから上放れる兆しをみせている。同社は19日、欧州のデジタル地図大手でオランダに本拠を構えるHERE社と資本・業務提携することを発表、これを材料視する買いを誘った。同社は自動運転の開発に積極的に取り組んでおり、今回の提携はその一環として注目されている。
■東和薬品 <4553> 5,440円 +200 円 (+3.8%) 本日終値
19日、東和薬品 <4553> が18年3月期上期(4-9月)の連結経常利益を従来予想の28億円→50億円に78.6%上方修正。増益率が7.3倍→13倍に拡大する見通しとなったことが買い材料視された。研究開発費の計上時期が下期にずれ込むことが利益上振れの主因。なお、通期の経常利益は従来予想の85億円(前期は74.1億円)を据え置いた。
■ソフトバンクグループ <9984> 9,232円 +328 円 (+3.7%) 本日終値
ソフトバンクグループ<9984>が続伸、前日に317円高と急動意したが、きょうも物色資金の流入が続き、取引時間中としては9月1日以来となる9000円大台を回復した。同社の子会社で米携帯電話4位のスプリントと米携帯電話3位のTモバイルUSとの経営統合の行方が注目されているが、前日の米国株式市場では両社が経緯統合に向け協議していると伝わったことで、スプリント株が大幅高となった。ソフトバンクにとっても両社の経営統合実現は大きなポジティブ材料となることから、投機資金の流入を促している。
■東邦チタニウム <5727> 830円 +18 円 (+2.2%) 本日終値
東邦チタニウム <5727> が大幅続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が19日付で同社の投資判断「ニュートラル(中立)」を継続し、目標株価を840円→860円に引き上げたことが買い材料視されたようだ。リポートでは、機能性化学品事業におけるMLCC向けNi微粒粉の堅調な販売を踏まえ、業績予想を増額修正した。また、引き続きサウジアラビア工場本格稼働後の拠点戦略を注目点に挙げている。なお、需給ひっ迫によるスポンジ価格の上昇による収益性改善が期待されるが、現状は需給環境に大きな変化は見られないと報告している。
株探ニュース