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【特集】岡本昌巳が語る投資の極意、「40年稼ぎ続ける投資のプロの 株で勝つ習慣」 (上)

証券界で長年に亘り活躍する岡本昌巳氏の「40年稼ぎ続ける投資のプロの 株で勝つ習慣」(ダイヤモンド社)が話題を呼んでいる。株式投資に関する本は数多いが、ほとんどが著者の成功体験を基づくもので、万人に適した投資法とは限らない。本書は株の世界における一流のプロが持つ、どんな状況でも通用するテクニックや考え方を「63の習慣」として集大成。「株式投資の古典」になり得る書を目指したという渾身の一冊について、筆者の岡本昌巳氏に語っていただく。


「多くの方々の知恵を結集して完成した本」
text:岡本昌巳

●株式投資だけで生活してきた友人も多い

 この本は私の力だけでなく、私の取材先を含め、多くの方々の知恵を結集して完成した本である。

 書店の株式投資コーナーをぶらりと歩いていると、「100万円が1億円に化けた」「資産を100倍に」「1億円を稼ぐ方法」など威勢のいい言葉が躍る書物が並んでいる。でも、よく考えてみると、「1億円儲ける」なんていう題名をこともなげに名づける本を出版している株式投資の世界って他の世界に住んでいる方々から見たら異色の世界。いや、うさん臭さ満載の世界に見えるはずだ。

 しかし、証券専門紙記者18年、株式・経済ライターとして19年目に入った…証券界に約40年生息してきた私から見て、「1億円儲けた」「資産を100倍にした」というのは事実である可能性が高いと思う。

 なぜなら、実際、株式投資だけで10年以上生活している、取材先であり、なおかつ友人でもある投資家は相当数いる。約40年間、株式投資だけで生きてきた友人もいる。

 分不相応の信用取引のバクチを打って資産が破たんし、この世界から一旦リタイヤした人もほぼ間違いなくこの世界に戻ってきている。少資金で敗者復活戦に参加できる世界はこの株式投資の世界以外なく、実際、敗者復活戦で成功をおさめた友人もいる。

●「株式投資の古典」になり得る本を書こう!

 しかし、「1億円儲けよう!」など、威勢のいい本を含め、実践的な株式投資のほとんどは著者の成功体験をベースにしたもので、読者に合った投資法かはわからない。そこで、ダイヤモンド社の編集担当のTさんから「どんな状況でも通用するテクニック、考え方を網羅した本…将来的に3年後、5年後、10年後に読んでも通用する、『株式投資の古典』になり得る本を書いて欲しい」とのオファーがあった。

 何度もTさんと打ち合わせ、何度も軌道修正してたどり着いたのは、私自身の経歴を生かした本づくりだった。つまり、私自身は取材、銘柄発掘・分析、物書きのプロだ。それで40年近く、この世界で生きてきた。しかし、株式売買・運用など他の分野では私以上のプロが多い。しかし、それらのプロたちは約40年間、私の取材先でもある(同時に友人も多い)。

 例えば、これまでの取材先は事業会社、証券会社、機関投資家だけでない。プロの投資家、仕手筋、ブローカー、投資顧問、私と同じマスコミなど、あるとあらゆる属性の方々を取材先にしてきた。これまで蓄積してきた、それらのプロたちの、それぞれの得意分野のノウハウ、考え方も取り上げることにした。分からないことがあったら、改めて取材をさせて頂いた。

 「株で勝つ習慣」…文章としてまとめたのは私だが、最も大切な中身に関しては私だけの力だけでできた本ではない。

 編集のTさんのご指導のなか、今までの取材先、友人たちのお力を得て世に出せた渾身の1冊だ。

●流れをつかむ習慣を身につけるために必要なこと

 では、具体的な内容の一部を披露しよう。

 単に株式投資のノウハウ、考え方を紹介するのではなく、そのノウハウ、考え方を身につけるための習慣を軸に解説している。

 例えば、「『相場の流れ』をつかむ習慣」「プロが命綱とする『チャート&トレンド』」「儲かる銘柄を発掘する習慣」「『株の情報源』を活用する習慣」「『相場の季節・循環を味方にする』」「プロが実践する『売り買いの習慣』」「株式投資で儲けるルール」「プロが大切にしている『相場に勝つ習慣』」などの習慣で、細かくは総計63のキーワード・項目で構成されている。

 まず、本書は「相場のプロは流れに逆らわない」=相場の流れに乗る重要性から入った。

 株式投資の世界の主役は私たち人間ではなく、あくまでも銘柄であるが、しかし、どんなに収益が大きく伸びる見通しの将来有望な銘柄でも、そのときの相場の流れに乗っていなければ、買われるのは後回しにされる。いつ上がるかは分からない。

 では、その流れをつかむためのコツは何か? それは相場で買われている銘柄の共通項=キーワードをつかむ習慣を身につけることだ。その習慣を身につけることを本書では詳しく提唱している。

 また、流れとはチャート&トレンドに出る。相場は誰に対しても親切だ。富裕投資家、零細投資家問わず誰に対しても分け隔てなく平等にチャート&トレンドを見せてくれる。しかも、目に見えるもので、なおかつ、ただ(無料)でだ。本書では流れとチャート&トレンドと組み合わせて相場を見る習慣についても学ぶ。

(次回、本書の内容により迫る「中編」は8月19日に掲載予定)


岡本昌巳(おかもとまさみ)
1957年、東京都生まれ。82年に証券専門紙「株式市場新聞」に記者として入社。上場企業担当の経済部、証券会社担当の市場部で18年間、数々のスクープを連発。2000年に経済ライターとして独立。以降、新聞、雑誌、ネットで株情報や投資関係の記事を配信するとともに、継続的に株式セミナーを開催。ブログ「今日の岡本」を主宰。



  40年稼ぎ続ける投資のプロの 株で勝つ習慣
  岡本昌巳

  ダイヤモンド社


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