【特集】見えた“1Qスタートダッシュ株”、特選「高進捗&割安」銘柄リストアップ <株探トップ特集>
愛三工 <日足> 「株探」多機能チャートより
―“決算前半戦”終了、夏枯れ相場横目に上昇期待できる好業績株は?―
週明け31日の東京株式市場は、外国為替市場で円高・ドル安が進行したことから売り先行のスタートとなった。ところが、4-6月期の決算発表が佳境を迎えるなか、好業績銘柄を買い進む動きは根強く、きょうの日経平均株価終値は小幅続落となったものの、前週末比プラス圏で推移する時間帯も多かった。そこで、第1四半期(4-6月)経常利益の実績が、第2四半期累計(4-9月)予想に対して高い進捗率を示している割安銘柄に注目した。
●大同特鋼は自動車向け特殊鋼や半導体製造装置けステンレス材が拡大
大同特殊鋼 <5471> が27日に発表した18年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益は93億100万円(前年同期比2.4倍)に急拡大した。自動車向け特殊鋼や半導体製造装置向けステンレス材などの需要が拡大したことが寄与している。主原料である鉄スクラップ価格上昇による値上げ効果も増益に貢献した。上期計画の経常利益150億円(前年同期比66.2%増)に対する進捗率は62.0%に達している。また、直近の東証信用倍率は0.29倍の売り長となっている。
●愛知製鋼は販売数量拡大や鉄スクラップ価格低下が寄与
愛知製鋼 <5482> は28日、18年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結業績予想を上方修正した。従来予想の売上高1098億円を1114億円(前年同期比8.1%増)へ、経常利益44億円を66億円(同22.3%増)へそれぞれ増額した。販売数量が期初の想定を上回る見込みであることに加え、原材料の鉄スクラップ価格が想定を下回りそうなことから業績予想を見直した。
●IDECは制御用操作スイッチや安全関連機器が好調に推移
IDEC <6652> が28日、18年3月期通期の連結業績予想を上方修正した。売上高を従来予想の555億円から565億円(前期比30.1%増)へ、経常利益を46億円から58億円(同72.7%増)にそれぞれ増額した。主力製品の制御用操作スイッチなどHMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)機器や、安全関連機器が好調に推移しているほか、今年3月に買収した輸送・工業オートメーション・医療・通信・航空などの分野で、インターフェース・コンポーネントの設計・製造・販売を展開するフランスのAPEMグループの好業績が寄与している。
●愛三工は25・75日の移動平均線がゴールデンクロスを達成
電子制御燃料噴射装置など自動車部品メーカーの愛三工業 <7283> は27日、18年3月期の第1四半期(4-6月)連結決算を発表した。売上高は533億5400万円(前年同期比5.2%増)、経常利益は27億4300万円(同98.6%増)となった。地域別で、日本の売上高は販売量増加により244億3300万円(前年同期比3.9%増)。一方、アジアの売上高は、為替による影響があったものの、販売量の増加により200億1400万円(前年同期比10.2%増)となった。チャート面では、25・75日の両移動平均線が26日にゴールデンクロスを達成している。
●TSテックは中国での受注台数増加が寄与
テイ・エス テック <7313> は27日、18年3月期第1四半期(4-6月)の連結決算を発表した。売上高1081億8200万円(前年同期比4.2%増)、税引前利益136億8900万円(同81.9%増)と大幅増益を達成した。日本、米州、アジア・欧州地域で主要客先からの受注台数は減少したものの、中国地域の受注台数の増加により、連結全体では前年と同等の受注台数となった。利益面では、増収効果に加え、中国広州工場の移転完了に伴う補償金計上も寄与している。
●NECキャピタルはリサ事業の好調で通期業績見通しを上方修正
NECキャピタルソリューション <8793> は28日、18年3月期通期の連結業績予想の上方修正を発表した。従来予想の売上高2000億円を2100億円(前期比2.7%減)へ、経常利益75億円を110億円(同68.3%増)へとそれぞれ増額した。リサ事業(NECキャピタル100%子会社のリサ・パートナーズが手掛ける企業投資事業、債権投資事業、ファイナンス事業、不動産事業、ファンド運営をはじめとする各種アドバイザリー事業)で大型のファンド収益が複数計上されたことや、リース物件の売却があったことなどが寄与した。
●丸運は流通貨物・国際貨物の取扱量増加で大幅増益に
丸運 <9067> が26日に発表した18年3月期第1四半期(4-6月)の連結決算は、売上高118億3100万円(前年同期比6.7%増)、経常利益2億3200万円(同62.2%増)と大幅増益を達成した。貨物輸送でのトラック貨物輸送および保管貨物の拡大に加えて、既存顧客との取引深耕による増加や、流通貨物での国産野菜の取扱量増加、国際貨物での堅調な輸出を背景とした輸出取扱量拡大、中国国内貨物輸送の好調、および石油輸送での輸送数量の拡大が寄与している。
◆主な第1四半期経常利益高進捗率・割安銘柄◆
経常益
銘柄 <コード> 進捗率 増益率 株価 PER
四国化 <4099> 63.1 13.2 1409 15.5
日精化 <4362> 60.3 22.0 1006 13.3
WOWOW <4839> 68.8 79.9 3205 13.3
大同特鋼 <5471> 62.0 2.4倍 672 14.3
高周波 <5476> 77.6 3.6倍 111 15.5
愛知鋼 <5482> 61.1 53.7 4620 14.2
菱製鋼 <5632> 88.0 2.9倍 284 14.6
豊田織 <6201> 77.5 34.2 5930 14.2
大同工 <6373> 65.5 31.4 337 8.3
IDEC <6652> 67.1 6.3倍 1840 13.3
富士通ゼ <6755> 105.7 19.1 2326 15.2
デンソー <6902> 63.5 51.6 5306 14.8
エクセディ <7278> 71.3 62.0 3455 12.8
愛三工 <7283> 62.3 98.6 987 11.1
TSテック <7313> 63.4 81.9 3275 9.7
椿本興 <8052> 63.2 4.4倍 507 8.9
佐藤商事 <8065> 63.6 42.0 994 8.2
NECキャピ <8793> 88.4 2.7倍 1901 9.1
丸運 <9067> 69.9 62.2 304 12.3
JBCCHD <9889> 64.0 44.3 928 12.4
※株価は31日終値(単位:%、円、倍)
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