【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 業績相場に乗るのが“勝利の道”
株式アドバイザー 北浜流一郎
「業績相場に乗るのが“勝利の道”」
●ポスト安倍固めた岸田氏に安心感
7月の日経平均株価の月足チャートは、残念ながら陽線を諦めざるを得ない状況だ。月初の寄り付きは2万0056円だったので、小幅な陽線もあり得た。
しかし、稲田防衛相だけでなく、日報の非公表に関わった黒江哲郎防衛事務次官や岡部俊哉陸上幕僚長ら幹部5人を停職や減給の懲戒処分という異常事態だ。日本の防衛機能はどうなるのだ。誰だって心配になるため、株式市場も素直にそれを映した動きになった。
北朝鮮がミサイル(ICBM)発射の準備に入っているとの観測もあるだけに、安閑としていられぬ状況だ。
ただ、この問題が長く市場の足を引っ張り続けるとは考えられない。特別防衛監察の結果、一連の情報隠匿などは防衛省幹部たちの行為であったことが明らかになった。しかも安倍首相は稲田大臣の後任に、岸田外相を外相兼務で任命した。
岸田外相はワンポイントリリーフだろうが、政権のイメージを保つのには適任であり、株式市場も安堵すると見てよい。
岸田氏はこれでポスト安倍の座も約束された格好で、株式市場も岸田氏ならと容認するだろう。安倍政権が崩壊した場合、東京市場の大幅な下げは避けられない。こう見るのが自然で(私はいつもそれを懸念している)、後任が岸田氏になる可能性が高いとなると、下落もかなりマイルドになるだろうからだ。
もちろん、以上は目先のことではなく、1~3年後を想定したものであり、いまは8月相場の展開を読んでおくと、やはりカギとなるのは米国株式市場とドル円、そして原油先物価格の動向だ。これらは三位一体であり、どれが特に重要ということはないが、8月も7月同様に米国市場にはプラスに働く可能性が高い。特に大きな懸念材料はないからだ。
●スタートトゥデイにさらなる上値余地
国内を見ても、日経平均は軟調でも、個別銘柄は4-6月期決算の発表を手掛かりに上昇する銘柄が多いと見る。再三繰り返しているように、現在の東京市場は業績相場だからだ。
業績相場とは、業績好転・向上銘柄に買いが集まりやすく、実際に株価も上がりやすい。こんな相場のことなので、素直にそれに歩調を合わせるのが勝利への道になる。
そこで、具体的にはジャガイモの生産平常化のメリットを受け始めたカルビー <2229> がまず挙げられる。
電子、電機、機械の専門商社であるサンワテクノス <8137> も高値圏ながら続伸する確率が高い。有機EL製造関連機器類の販売拡大が続いているからだ。
私の大好きな銘柄の一つであるスタートトゥデイ <3092> もまた取りあげておきたい。これまで幾度も取りあげてきたが、週末も新値更新となった。これまでこの株に投資し、そのまま持続している人は全員儲かっている。こうなっているはずであり、喜ばしい限りだ。それをまた取りあげる。さすがに高すぎるという見方になろうが、目先押しはあってもさらなる上昇確率の方が高いと見る。
ゆっくりとした上昇を狙うならアサヒグループホールディングス <2502> でよい。この会社は25日に今期1-6月期業績を上方修正した。国内で酒・飲料・食品などの需要増が続いている上に、中東欧での販売好調が加わったのだ。
新興銘柄にも目を向けておこう。翻訳センター <2483> [JQ]だ。企業向け技術情報の翻訳業務が順調に伸び続けており、株も当然魅力的だ。
2017年7月28日 記
株探ニュース