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【市況】【植木靖男の相場展望】 ─ いつまで続く中段の保ち合い

株式評論家 植木靖男

「いつまで続く中段の保ち合い」

●保ち合い放れのきっかけは円相場か

 久し振りに株価は長い膠着状態を続けている。まさに投資家泣かせである。6月からすでに2ヵ月が経過しようとしている。

 これは明らかに中段の保ち合いとみてとれる。困惑するのは中段の保ち合いは時にとんでもなく長く続くことがあることだ。

 振り返れば、記憶に新しいのは2004年から2005年にかけて1年に及ぶ中段の保ち合いがあった。日経平均株価は1万円から1万2000円の狭いレンジを騰げるでなく、下げるでない、まさに投資家泣かせ、彼らをして焦燥と諦めを誘うような展開が続いた。当時は小泉内閣半ばの時期、デフレの象徴的な段階であった。長期に及ぶ円高のもとでデフレスパイラルが続いたときである。

 今回はどうか。当時と時代背景が大きく異なるため、膠着状態もせいぜい3ヵ月が限界とみれば、来る8月相場は夏枯れ期と予想されるなか、保ち合い脱出の可能性が大きい。

 中段の保ち合いが本年4月安値からの上昇途次で起きているとすれば、保ち合いは上放れるとみるのが妥当であろう。

 きっかけは、やはりこれまでと同様、円の動向の変化とみるべきだ。

 円は6月の1ドル=114円処から110円台へと高くなっているが、米国長期金利の低下が主因だ。だが、2%処はほぼ下限とみられる。本年4月に108円台、6月にも108円台、いまは三番底探しとみてよい。だとすると、ここから円高に振れても居所は大して変わらないのではないか。

●8月から再上昇、10月に天井打ち?

 ところで、株価の立ち位置からみて考えられるのは、目下、本年4月安値からみるとちょうど3ヵ月、一波乱があっても当然。このパターンは03年4月からの上昇パターンを想起させる。当時は1ヵ月ほどの調整を経て、再び上昇に転じ10月に天井を打っている。

 今回もこのパターンとすれば、8月から再上昇に転じ10月頃には天井を迎えるとみることもできる。果たしてどうか。

 どちらのパターンにしても、年末に向け上昇ステージはもう一段騰がることになりそうだ。

 理屈の上からはどうか。欧米先進国の株価は堅調である。なぜか、適温相場云々と指摘されるが、一言でいえば欧米先進国の金融正常化が及び腰の中、依然として過剰流動性が続くからであろう。

 なにせ日銀が年間80兆円もの資金供給を続けている限り、世界の株高は続くと期待してよいのではないか。

 物色は、こういう局面では好業績銘柄。それも循環物色、何回でも人気は巡ってくると予想される。

2017年7月28日 記

株探ニュース

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