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【経済】NYの視点:ECB秋のテーバリング計画発表の思惑、ジャクソンホールで確認か


欧州中央銀行(ECB)は8月の定例理事会で市場の予想通り異例な緩和策を維持した。同時に、量的緩和(QE)を12月まで継続し、必要とあればそれ以降もインフレ軌道が持続的に調整されるまで維持するとのガイダンスを据え置いた。見通しが悪化した場合、QEの規模拡大や期間延長も可能だと繰り返した。

最近のインフレや経済の改善を受けて、市場関係者の一部は今回の会合で、ECBが9月の理事会での緩和策縮小(テーパリング)計画発表を示唆するとの思惑を強めていた。予想に反し、ドラギ総裁は会合後の会見で、インフレがまだ目標に達しておらず、QEの変更を必要とするようなデータはひとつも見当たらなかったと指摘。コアインフレが中期的に緩やかに上昇すると見ているが、まだ、納得のいく上昇基調を見せていないとの見解を示した。

さらに、今回の会合で、フォワードガイダンスを維持、または、QE変更の時期を設定しない決定は全会一致であったことも明らかにした。委員会が9月会合に関して協議しなかったとした。ただ、秋の会合で、QEについて協議することになると発言。秋口の会合は、9月には7日、10月には26日に予定されている。

欧州中央銀行(ECB)の9月の定例理事会を間近に控える8月24-26日に米ワイオミング州ジャクソンホールで開催されるカンザスシティー連銀主催の年次シンポジウムでのドラギ総裁の講演で、テーパリングの可能性がより確かになる可能性がある。FRB開催のジャクソンホールでの講演で、ドラギ総裁がテーパリングを示唆し、景気やインフレの委員の新たな予測が公表される9月定例理事会で、QE縮小計画を発表するというのが大半の市場関係者の予想となっている。

《CS》

 提供:フィスコ

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