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【市況】新興市場見通し:イベント通過でマザーズは戻り試す場面も、IPOではソウルドアウト

ジャスダック <日足> 「株探」多機能チャートより

先週の新興市場では、日経ジャスダック平均が高値圏で一進一退となる一方、東証マザーズ指数は週前半に大きく下落する場面があった。北朝鮮情勢を巡る地政学リスクの高まりから、目先の利益を確定する動きが強まった。その後は再び中小型の材料株やテーマ株物色が活発となったものの、資金の逃げ足が速く、荒い値動きとなる銘柄が目立った。ジャスダックでは値動きの軽い材料株や低位株の循環物色が続いた。なお、週間の騰落率は、日経平均が-0.5%であったのに対して、マザーズ指数は-1.8%、日経ジャスダック平均は+0.4%だった。

個別では、マザーズ時価総額上位のミクシィ<2121>が週間で2.6%安、サイバーダイン<7779>が同0.8%安、そーせいグループ<4565>が同2.8%安と軟調だった。ただ、売買代金上位ではインフォテリア<3853>やドリコム<3793>が大きく上昇した。インフォテリアはブロックチェーン推進協会のデジタルトークン「Zen」発行開始が材料視され、ドリコムはスマートフォンゲーム「みんゴル」の好調な出足が伝わった。また、比較.com<2477>やUbicom HD<3937>が週間のマザーズ上昇率上位に顔を出した。比較.comは米Airbnbとの提携を発表している。反面、リミックスポイント<3825>やプレシジョン・システム・サイエンス<7707>が利益確定売りに押され、下落率上位だった。ジャスダック主力では、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同1.9%高となったものの、セリア<2782>が同4.2%安、エン・ジャパン<4849>が同2.6%安と軟調だった。売買代金上位では、仮想通貨関連として短期資金を集めたトレイダーズHD<8704>や中国子会社の上場期待が続くレカム<3323>などが大幅高となった。また、ジェイアール東日本企画などと新会社を設立すると発表したビーマップ<4316>が連日でストップ高比例配分となり、週間のジャスダック上昇率トップだった。一方、ソルガム・ジャパン・HD<6636>やソレキア<9867>が下落率上位だった。

今週の新興市場では、引き続き地政学リスクが警戒されるところだが、週末の20ヶ国・地域(G20)首脳会談や米雇用統計の発表といった重要イベントを無事通過し、相場全体の地合い改善とともにマザーズ銘柄も戻りを試す場面があるだろう。3-5月期の決算発表がピークを迎え、物色の手掛かり材料となりそうだ。

今週は7月11日にアイケイ<2722>、エルテス<3967>、12日にインターライフHD<1418>、ティーケーピー<3479>、13日にフィル・カンパニー<3267>、ケイブ<3760>、エディア<3935>、シンプロメンテ<6086>、14日にブロッコリー<2706>、IGポート<3791>、サイバーステップ<3810>、Gunosy<6047>、ベイカレント・コンサルティング<6532>、レノバ<9519>などが決算発表を予定している。ゲーム株として人気化したサイバーステップや、業績拡大の続くGunosyなどが注目されよう。

IPO関連では、7月12日にソウルドアウト<6553>がマザーズへ新規上場する。公開規模がマザーズ上場案件としてはやや大きく、需給面のネックとなる。しかし、ネットビジネス支援という時流に乗った事業内容で投資家の関心は高く、堅調な初値形成が期待されている。なお、先週はトランザス<6696>(8月9日、マザーズ)の新規上場が発表されている。8月のIPO件数は計2社となった。

《FA》

 提供:フィスコ

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