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【市況】国内株式市場見通し:日米決算シーズン入り、個人はゲーム企業の決算に関心

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

先週の日経平均は下落。6日には終値ベースで約3週間ぶりに節目の2万円を割り込んだ。週初は日本銀行が発表した企業短期経済観測調査(短観、6月調査)の大企業・製造業の業況判断指数(DI)がプラス17と、市場コンセンサス(プラス15)を上回り、3期連続で改善するなか、日経平均は買い先行で始まった。一方で都議選では自民党が予想以上に苦戦したことから、安倍首相の政策基盤が揺らぐ可能性も考えられ、上値の重石となった。

また、4日の米国市場が独立記念日の祝日で休場となるなか、海外勢のフローは限られていたほか、北朝鮮がミサイル発射、さらに重大発表を行うとの報道など、地政学リスクへの警戒から利食いが強まる場面もみられた。その後も週末に米雇用統計など重要な経済指標のほか、7-8日の20カ国・地域(G20)首脳会議(ハンブルク・サミット)を控えて、米トランプ大統領と独メルケル首相による米独の対立の行方を見極めたいとする、模様眺めムードの中でこう着感の強い相場展開が続いた。物色は個人主体の中小型株のほか、低位材料株等での循環物色が続いており、ゲーム関連から防衛関連、フィンテック関連などが物色されていた。

今週は米雇用統計やG20を受けた市場反応から始まるが、その後は日米ともに決算シーズンとなるため、業績を手掛かりとした個別対応に向かいそうである。雇用統計については、非農業部門雇用者数は前月比22.2万人増加とコンセンサス(17.8万人増)を大きく上回った。失業率は4.4%で、16年ぶり低水準だった前月の4.3%から若干上昇したが、ほぼ横ばいとの見方から、米連邦準備制度理事会(FRB)が予定通り年内3度目の利上げを行う後押しになるとみられる。また、G20については、トランプ大統領が「米国第一主義」政策を掲げる中、各国首脳との亀裂が浮き彫りにならなければ、通過材料としてみなされるであろう。

決算については、米国では14日にJPモルガン、ウェルズ・ファーゴ、シティグループといった金融機関の決算が予定されているほか、国内では13日にファーストリテ<9983>が決算を予定しており、日経平均に影響を与えよう。また、引き続き個人主体の物色が続くとみられるが、今週はゲーム株の決算が予定されている。12日にSHIFT<3697>、日本エンタープライズ<4829>、13日にケイブ<3760>、エディア<3935>、14日にブロッコリー<2706>、メディアドゥ<3678>、IGポート<3791>、サイバーステップ<3810>、Gunosy<6047>が予定されている。サイバーステップは、クレーンゲームアプリ「トレバ」が好調で第3四半期で業績の大幅黒字転換を達成していることもあり、決算を受けた動意が注目されることになろう。

経済スケジュールでは10日に5月機械受注、5月国際収支、6月中国消費者物価指数・生産者物価指数、12日に米地区連銀経済報告(ベージュブック)、13日に6月中国貿易統計、6月米生産者物価指数、14日に6月米消費者物価指数、小売売上高、鉱工業生産が発表される。その他、12日にイエレンFRB議長が下院金融委員会で証言するほか、13日に上院銀行委員会で証言する。14日にはトランプ米大統領がマクロン仏大統領の招待で革命記念日式典に出席する。ベージュブックのほか、イエレンFRB議長証言を受けて利上げ観測が高まる可能性もあり、これを受けた円安の流れが支援材料になる展開も期待したいところである。もっとも、足元のこう着で日経平均の2万円前後の水準では利益確定の流れも強まりやすいところである。しばらくは個別対応の物色が続くことになりそうだ。

《FA》

 提供:フィスコ

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