市場ニュース

戻る
 

【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):冶金工、三菱UFJ、東エレク

冶金工 <日足> 「株探」多機能チャートより
■日本冶金工業 <5480>  231円  +7 円 (+3.1%)  本日終値
 日本冶金工業<5480>が大幅高。同社の株価は決算発表直後の5月11日に269円で年初来高値をつけて以降調整局面となっていたが、6月6日に218円の安値をつけて以降反発の兆しをみせている。時価で試算したPERは10倍前後の水準、PBRも0.9倍台と株価指標面では割安が顕著だ。同社は5月9日、18年3月期の連結業績予想を発表した。売上高は1240億円(前期比9.8%増)、経常利益は45億円(同58.0%増)を見込む。さらに、決算発表と同時に、20年3月期を最終年度とする新中期経営計画を明らかにしており、最終年度の数値目標で連結経常利益70億円、ROE8%以上、配当性向20%以上を目指すと発表している。

■三菱UFJ <8306>  734.7円  +11.7 円 (+1.6%)  本日終値
 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、みずほフィナンシャルグループ<8411>が3日続伸、三井住友フィナンシャルグループ<8316>は4日続伸とメガバンクが上値追い態勢に入ってきた。前日の米国株市場ではゴールドマン・サックスなどの大手金融株の上昇が目立った。米長期金利が上昇傾向にあることに加え、米下院が金融規制改革法であるドッド・フランク法の改正案を採決すると伝わったことなどが材料視された。これは日本のメガバンクにとっても収益機会の拡大期待につながる追い風材料となっている。

■凸版印刷 <7911>  1,249円  +17 円 (+1.4%)  本日終値
 凸版印刷<7911>が反発し新高値。SMBC日興証券は8日、同社株の投資評価を「2」から「1」へ引き上げた。目標株価は1050円から1500円に見直した。同証券では、18年3月期の連結営業利益予想を590億円から620億円、19年3月期は640億円から690億円に修正した。台湾企業の買収効果に加え、前期実施した減損による減価償却費の減少効果、情報コミュニケーション事業における収益改善などが寄与する。「安定成長力を再評価する局面」と同証券では指摘している。

■東京エレクトロン <8035>  16,905円  +225 円 (+1.4%)  本日終値
 東京エレクトロン<8035>、アドバンテスト<6857>など半導体関連株が買い優勢の展開。米国株市場ではハイテク比率の高いナスダック指数が過去最高値に買われるなど上値指向が強く、特に需要好調な半導体関連株への物色意欲が強い。半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数も2000年以来の高値更新が続いている。そのなか、前日は米半導体大手でGPUでは圧倒的シェアを持つエヌビディアが急騰、半導体株人気を盛り上げた。東京市場の半導体セクターはまだ相対的に出遅れ感があり、機関投資家の継続的な買いを誘導している。

■日立造船 <7004>  536円  +4 円 (+0.8%)  本日終値
 日立造船<7004>が3日続伸。8日の取引終了後、高速繊維ろ過装置「まりも」が中国広東省のモデル研究事業に採択されたと発表しており、これを好材料視した買いが入った。同モデル研究事業は、近畿経済産業局の関西・アジア環境・省エネビジネス交流推進フォーラムと中国広東省科学技術庁が実施した「科学技術発展特別テーマ資金プロジェクト」の一環。今回、同社の「まりも」による都市下水高度処理の研究が採択されたことで、広東省下水処理場内にモデル研究設備(数千立方メートル/日を予定)を設置し、「まりも」を用いた高度汚水処理システムの実証を行うという。中国では、下水処理などの水環境の向上を「五カ年計画」の方針の一つとして掲げていることから、さまざまな水処理技術のニーズが高まっており、今後の受注獲得が期待されている。

■クボタ <6326>  1,837円  +10 円 (+0.6%)  本日終値
 クボタ<6326>が堅調。岩井コスモ証券は8日、同社株の投資判断の「B+」を継続するとともに目標株価を1960円から2000円に引き上げた。17年12月期の第1四半期(1~3月)の営業利益は円高の影響もあり、前年同期比31%減の393億5000万円で着地した。ただ、第2四半期以降は、国内の回復や欧米など海外の収益貢献で挽回し、通期の同利益は前期比7%増の2020億円(会社予想1980億円)を予想している。畑作分野の強化で世界トップクラスの農機メーカーを目指している点などを評価している。

■シーイーシー <9692>  2,120円  -310 円 (-12.8%)  本日終値  東証1部 下落率トップ
 シーイーシー<9692>が急反落。8日取引終了後、18年1月期の第1四半期(2~4月)連結決算を発表し、売上高は114億900万円(前年同期比3.8%増)、営業利益は6億7400万円(同14.1%減)だったことが嫌気された。スマートファクトリー事業やセキュリティーサービス事業などの注力事業が伸長したことで売上高は順調に推移したものの、一部の受託開発プロジェクトで不採算案件が発生したことが響き営業減益となった。なお、通期業績予想は従来見通しを据え置き、売上高465億円(前期比5.7%増)、営業利益37億5000万円(同13.2%増)、最終利益24億5000万円(同6.2%減)を見込んでいる。

■ユニバーサル <6425>  3,140円  -320 円 (-9.3%)  本日終値
 8日、ユニバーサルエンターテインメント <6425> [JQ]が同社の岡田和生会長らが香港子会社を通じて、不正に約20億円を流出させた疑いがあると発表したことが売り材料視された。社内の調査によると、岡田会長と根岸取締役が2015年3月、子会社の香港法人を通じ、社内決済を経ずに第三者へ1億3500万香港ドル(約19億1700万円)を貸し付けた。その後、岡田会長が取締役を務めていたオカダホールディングスへ第三者が1億3000万香港ドルを送金していたという。会社側では、流出した資金の回収の目処はついており業績への影響はないとしているが、会社イメージの悪化を懸念する売りが向かった。

株探ニュース

株探からのお知らせ

    日経平均