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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):ピラー、ピジョン、アドテスト

ピラー <日足> 「株探」多機能チャートより
■日本ピラー工業 <6490>  1,816円  +134 円 (+8.0%)  本日終値  東証1部 上昇率3位
 日本ピラー工業<6490>が急騰、戻り売り圧力のない上場来高値圏を突き進む展開。シリコンサイクルを覆す世界的な半導体需要の拡大を背景に、メーカー各社の設備投資需要も旺盛で、半導体製造装置メーカーの株価は軒並み大きく居どころを変えている。同社はこの製造装置向けにフッ素樹脂応用製品「ピラフロン」を手掛けていることで、収益拡大への期待が高まっている。市場では「発行株数2500万株と東証1部銘柄としては小型でPERも13倍前後と割安感があり、主力株が手掛けにくい場面では買いが向かいやすい。メカニカルシールは今後も半導体業界向けに高水準の需要が見込める」(準大手証券ストラテジスト)と指摘されていた。

■ピジョン <7956>  4,125円  +155 円 (+3.9%)  本日終値
 ピジョン<7956>が大幅続伸し、実質的に上場来高値を更新。5日の取引終了後に発表した第1四半期(2~4月)連結決算が、売上高239億7700万円(前年同期比5.4%増)、営業利益49億4000万円(同32.4%増)、純利益34億7300万円(同39.9%増)と大幅増益となったことが好感された。新商品の発売や出産や育児に関連したイベントの開催などが奏功し、国内ベビー・ママ事業の売上高が伸長したことに加えて、生産拠点の稼働向上や販管費の効果的な使用が寄与した。また、中国や北米などを中心に海外販売が好調に推移したことも業績を押し上げた。なお、18年1月期通期業績予想は、売上高998億円(前期比5.5%増)、営業利益170億円(同6.1%増)、純利益118億円(同6.1%増)の従来予想を据え置いている。

■セリア <2782>  5,510円  +150 円 (+2.8%)  本日終値
 セリア<2782>が全般軟調相場のなか続伸。アベノミクスの政策推進や日銀の超低金利政策にもかかわらず、消費者のデフレマインドの払拭は困難を極めており、100円ショップ大手である同社の月次売上高の伸びがそれを証明している。同社は女性層のニーズを取り込むことに成功、5月既存店売上高は前年同月比1.4%増と増収を確保した。4月の4.4%増の伸びからは鈍化したものの、引き続き好調をキープしていることで、株価上昇を後押ししている。

■アドバンテスト <6857>  2,106円  +48 円 (+2.3%)  本日終値
 アドバンテスト<6857>は2000円近辺のもみ合いから早晩上放れが見込めそうだ。半導体テスターの世界トップメーカーで特にDRAMで抜群の実績を有する。受注絶好調ながら生産体制が追いつかない状況にあったが、今夏にはそれが解消され高水準の受注残を利益として本格的に反映される見通しとなっている。人工知能(AI)の普及やIoT時代の到来を背景に、そのインフラ面を支える世界的な半導体需要の拡大が半導体製造装置メーカーの商機を大きく膨らませている。後工程のテスターは前工程と比較して需要が後ずれする傾向があるが、その分だけ株価も出遅れており、18年3月期以降の業績急飛躍を織り込むのはこれからとなりそうだ。18年3月期は営業利益段階で前期比29.4%増の180億円を見込むが200億円台に上振れする可能性も指摘されている。大容量化・高速化の流れを受け、立体方向に積層化した3次元NAND型フラッシュメモリーの市場が急成長途上にあり、同分野向けテスターの需要も漸次立ち上がる方向にある。つれて同社の中期成長力も増幅される可能性が高まってきた。(銀)

■アズビル <6845>  4,275円  +80 円 (+1.9%)  本日終値
 アズビル<6845>が続伸し年初来高値を更新。5日、同社と東京ガス<9531>など4社が、LPガス配送の合理化を目的に、LPWA(低消費電力広域)ネットワーク活用の遠隔検針を行う実証事業を開始すると発表しており、これを好材料視した買いが入ったようだ。現在、多くのLPガス販売事業者は、顧客の自宅を毎月訪問して行う検針のデータからLPガス容器内のガス残量を予測し、LPガス容器を配送しているが、ガスの残量不足を防止する観点から、LPガス容器内に十分な量のガスが残っている状態でも容器を交換することがあった。今回の実証実験では、LPWA技術である「LoRaWAN」を活用し、顧客のガス使用量を多頻度かつ遠隔で検針することでガス残量を正確に把握し、LPガス容器の最適な配送方法を構築するシステムの開発を進めるのが狙いとしている。

■平田機工 <6258>  11,700円  +200 円 (+1.7%)  本日終値
 5日、平田機工 <6258> [JQ]が15日付で東証1部への市場変更が確定したと発表したことが買い材料。東証は5月29日、同社株を東証1部または2部に市場変更すると発表していたが、変更先の市場は確定していなかった。発表を受けて、TOPIX連動型ファンドの組み入れ需要を見越した先回り的な買いに加え、知名度の高まりや株式流動性の向上を期待する買いが向かった。

■リョービ <5851>  467円  +6 円 (+1.3%)  本日終値
 リョービ<5851>が反発。野村証券が5日付で投資判断「バイ」を継続しつつ、目標株価を530円から570円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券によると、米国が一時的な端境期にあたることもあり、18年3月期上期まではやや厳しい業績が予想される一方、下期から業績は反転が見込まれるという。また、米系メーカーの多段AT向け製品の増収や、中国でのエンジンブロックの拡販などを背景に19年3月期にかけて業績拡大が見込まれる点が魅力としているほか、自動車の軽量化に貢献する製品として、アルミダイカスト製品の採用が徐々に拡大していく可能性があるともしている。

■キリンホールディングス <2503>  2,468円  +23 円 (+0.9%)  本日終値
 キリンホールディングス <2503> が続伸し、連日で年初来高値を更新した。5日、傘下のキリンビールが主力ビール「一番搾り」の味とパッケージを7月下旬にリニューアルすると発表。これが刺激材料となっているようだ。新しい一番搾りの味は雑味や渋みを低減し、「麦のうまみ」をアップした。さらに、酸味や甘い香りを抑制することで、より調和のとれた味わいを実現したという。同社は2020年から段階的にビール税が引き下げられることを見据え、「一番搾り」ブランドを強化。発表を受け、収益拡大に期待する買いが向かったもよう。

■オリエンタルランド <4661>  7,570円  +38 円 (+0.5%)  本日終値
 オリエンタルランド<4661>が5日続伸で新高値。岩井コスモ証券は5日、同社株の投資判断を「B」から「B+」へ引き上げた。目標株価は6500円から8500円に見直した。18年3月期は会社計画では営業減益を予想。「東京ディズニーシー15周年イベント」の集客効果がなくなることなどが響く見通しだ。ただ、「19年3月期以降は中期的な業績拡大局面を迎える可能性が高い」と指摘。来期は集客効果の大きい「東京ディズニーリゾート35周年イベント」の開催が予想されるほか、東京ディズニーシーでは19年度導入予定で大型アトラクション「ソアリン(仮称)」の開発を行っている点などに注目。消費者が「体験」にお金を使う「コト消費」の増加も追い風になるとみている。18年3月期の連結営業利益は前期比11%減の1001億7000万円の見通しだが、19年3月期は1150億円への増益を予想している。

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