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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):トレンド、ホシデン、信越化

トレンド <日足> 「株探」多機能チャートより
■トレンドマイクロ <4704>  5,560円  +50 円 (+0.9%)  本日終値
 トレンドマイクロ<4704>が高い。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は30日、同社株のレーティングの「オーバーウエート」を継続するとともに目標株価は5900円から6300円に引き上げた。新種のコンピューターウイルス「ワナクライ(WannaCry)」の大規模感染が話題を集めるなか、企業のセキュリティー対策投資への意欲は旺盛。また、スマート工場向け需要などにも注目している。同証券では17年12月期の連結営業利益は前期比12%増の385億円(会社予想375億円)、18年12月期の同利益は420億円と予想している。

■ホシデン <6804>  1,258円  +10 円 (+0.8%)  本日終値
 30日、ホシデン <6804> が発行済み株式数の2.87%にあたる200万株の自社株を消却すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。消却予定日は6月15日。

■信越化学工業 <4063>  9,932円  +48 円 (+0.5%)  本日終値
 信越化学工業<4063>が反発。同社は30日、シリコーンで処理をした高機能化粧品用顔料「KTP-09シリーズ」を開発したと発表。既に販売を開始しており、供給先の拡大などが期待されたようだ。「KTP-09シリーズ」は、独自のシリコーン表面処理剤で顔料表面を処理することで、従来にない高い撥水性をそなえるとともに、各種油剤に対して優れた分散性能を発揮。同社は、ベースメイクやポイントメイクアップ化粧品などに使用することにより、色ムラの発生や顔料の凝集を抑えるなど、高機能で安定性の高い化粧品の開発に寄与するとしている。

■東京エレクトロン <8035>  15,690円  +40 円 (+0.3%)  本日終値
 東京エレクトロン<8035>、SCREENホールディングス<7735>、アドバンテスト<6857>など半導体製造装置関連が高いほか、シリコンウエハーを手掛けるSUMCO<3436>、信越化学工業<4063>やフォトレジストを手掛ける東京応化工業<4186>など半導体材料を製造する銘柄にも物色資金が流入。前日の米国株市場では消費者信頼感指数などの経済指標が想定を下回り米景気減速に対する懸念から主要指数は下落したが、半導体セクターは総じて強く、半導体関連株で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は4日続伸し2000年以降の過去最高値を更新している。データセンターのサーバーの処理能力は世界的に今後急増することが予想されており、半導体設備投資需要も中期的に拡大基調を強めるとの見方が強まっている。関連銘柄への物色ニーズは米国を軸に今後一段と勢いを増す可能性も指摘されている。

■ソフトバンクグループ <9984>  9,003円  +23 円 (+0.3%)  本日終値
 ソフトバンクグループ<9984>が堅調。前日に248円高と急伸、きょうも利益確定の売りをこなして9000円大台近辺の攻防と強さをみせた。SMBC日興証券が30日付で同社株の投資評価を「1」継続、目標株価を1万200円から1万500円に引き上げている。株価上昇に向けたカタリストは、第一にテクノロジー分野を中心に1000億ドル投資する「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」による投資実行、有望なテクノロジー企業の組み入れ、出資するグローバルIT大手との協力体制構築とし、第二に、スプリント事業および業績の改善、業界再編過程での同社の出資比率低下を含む抜本的な解決、などが挙げられるとしている。

■gumi <3903>  1,363円  +3 円 (+0.2%)  本日終値
 gumi<3903>がしっかり。この日、ドイツおよび米国に拠点を有するVRゲーム開発会社のPlaysnak社に対して、120万ドルの出資を実行したと発表しており、これを好材料視した買いが入ったようだ。Playsnak社は高い技術と豊富な実績を有する世界トップクラスのVRゲーム開発スタジオ。今回の出資は、VRならではの体験に特化したプロダクト開発がgumiのVR事業に対する方針と軌を同じくすることから、Playsnak社との戦略的な提携を図ることで、gumiのVR領域における事業展開を加速させることができると判断したという。

■UKCホールディングス <3156>  1,978円  -117 円 (-5.6%)  本日終値  東証1部 下落率3位
 UKCホールディングス<3156>が反落。30日の取引終了後、30日にまでに行うとしていた17年3月期の決算発表を再延期すると発表しており、これを嫌気した売りが出た。海外子会社において前渡金などの資産の評価について精査が必要となることが判明したことを受けて決算発表を延期していたが、一部の前渡金に関連した売掛金回収に対する疑義が高まったことから、第三者委員会を設置することになり、実態解明に一定の時間を要することから再延期するとしている。

■菱洋エレクトロ <8068>  1,615円  -86 円 (-5.1%)  本日終値  東証1部 下落率4位
 菱洋エレクトロ<8068>は大幅反落。30日の取引終了後に発表した第1四半期(2~4月)連結決算が、売上高233億500万円(前年同期比8.3%減)、営業利益3億2500万円(同27.4%減)、純利益2億1800万円(同36.4%減)と大幅減益だったことが嫌気された。IoT(モノのインターネット)や車載分野向けなどは堅調に推移したものの、半導体メーカーの政策変更や主要顧客における生産調整の影響を受けた半導体/デバイスが大きく減少し、減収減益を余儀なくされた。なお、18年1月期通期業績予想は、売上高1000億円(前期比1.6%増)、営業利益15億5000万円(同12.9%増)、純利益11億円(同33.7%増)の従来予想を据え置いている。

■東芝 <6502>  252円  -8.8 円 (-3.4%)  本日終値
 東芝<6502>が続落。官民ファンドの産業革新機構は、米ファンドなどと組んだ「日米連合」での出資に関する投資方針決定を6月以降に先送りした、と複数のメディアが報じた。産業革新機構と米ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)などが日米連合を組み、東芝の半導体メモリー事業の買収に参加する方向にあり、この日米連合が東芝のメモリー事業売却先の有力候補となっている。ただ、日米連合に東芝のメモリー事業売却で対立している米ウエスタン・デジタル(WD)が参加する案が浮上しており、WD社の扱いが不透明要因となっている。当初、売却先の選定は5月末までとしていたが、選定が6月中旬まで延びる可能性が出ており、市場では東芝の半導体売却を巡る混迷を警戒する売りが出ている。

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