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【市況】新興市場見通し:決算通過で好業績株の見直しやアク抜けテーマ株物色の流れに

マザーズ指数 <日足> 「株探」多機能チャートより

ゴールデンウィークの連休を挟んだ直近2週間の新興市場では、マザーズ指数、日経ジャスダック平均ともに堅調に推移した。注目されたフランス大統領選挙を通過し、円安進行とともに日経平均が節目の2万円を窺う水準まで回復するなか、こうした好地合いを背景に新興市場でも物色が活発となった。ただ、決算を受けて大きく値が動いた東証1部銘柄に個人投資家の関心が向かい、週末にかけて利益確定売りに押される場面も見られた。なお、5月1日から5月12日までの騰落率は、日経平均が+3.6%であったのに対して、マザーズ指数は+2.9%、日経ジャスダック平均は+3.2%だった。

個別では、マザーズ時価総額上位のミクシィ<2121>が当該期間で2.9%高、そーせいグループ<4565>が同4.3%高と堅調だったものの、サイバーダイン<7779>は同0.9%安となった。ミクシィは決算を受けて売られる場面もあったが、その後切り返して再び年初来高値を更新した。同じく決算発表したアカツキ<3932>は市場予想を上回る大幅増益だったものの、材料出尽くし感から売られた。仮想通貨ビットコインの高値更新を受けてリミックスポイント<3825>が関連銘柄として物色を集め、この期間のマザーズ上昇率トップとなった。また、エディア<3935>やケアネット<2150>が上昇率上位に顔を出す一方、リンクバル<6046>やハイアス・アンド・カンパニー<6192>が下落率上位となった。ジャスダック主力では、日本マクドナルドHD<2702>が同8.9%高、エン・ジャパン<4849>が同14.3%高となったものの、クルーズ<2138>が同8.8%安、セプテーニ・HD<4293>が同12.3%安と決算を受けて明暗が分かれた。日本マクドナルドHDは第1四半期決算発表とともに業績予想を大幅上方修正している。また、リリースが材料視されたニューテック<6734>やポラテクノ<4239>が急伸する一方、業績予想の上方修正で材料出尽くし感が広がったアエリア<3758>や防衛関連の細谷火工<4274>は大きく下げた。

今週の新興市場では、決算発表シーズンを通過して中小型株物色が再び活発となりそうだ。週初は決算を受けた個別対応が中心となるだろうが、次第に好業績株の見直しが進むほか、アク抜け感からテーマ株や期待材料のある銘柄にも物色が向かうだろう。マザーズ指数や日経ジャスダック平均もしっかりした値動きが想定される。

今週は5月15日にジーエヌアイグループ<2160>、FFRI<3692>、マイネット<3928>、ソレイジア・ファーマ<4597>、フェローテックHD<6890>、サイバーダイン、16日にアバールデータ<6918>、19日にアイレックス<6944>などが決算発表を予定している。サイバーダインは引き続き業績予想を非開示にするとみられるが、18年3月期は黒字転換を予想する向きが多いようだ。また、足元でセキュリティ対策製品が好調なFFRIなどが注目されそうだ。ソレイジア・ファーマのほか、ビーグリー<3981>などでも上場後初の決算発表が控えている。

IPO関連では、ビーブレイクシステムズ<3986>(6月15日、マザーズ)の新規上場が発表されている。4月25日に上場したアセンテック<3565>以来のIPOとなる。マザーズ上場の小型案件で、IPO空白期間明けということもあり人気を集めそうだ。なお、6月は数社の上場があるとみられ、引き続きIPO承認発表に注目したい。

《FA》

 提供:フィスコ

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