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2017年04月27日20時00分

【特集】もう一つのAI、“空中ディスプレー維新”実現トップランナー銘柄は <株探トップ特集>

アスカネット <日足> 「株探」多機能チャートより

―見え始めた新プロジェクト、代表銘柄はアスカネット―

 平面から空間へ、ディスプレーがパラダイムシフトを迎えようとしている。AI(Aerial Imaging=空中ディスプレー)と呼ばれる技術の出現で、新たな映像表現が可能となったことがこの背景にある。本格的な実用化はまだ数年先といわれているが、既に開発競争は激しさを増しており、人工知能(Artificial Intelligence)とは異なる「AI」が、今後、市場の話題に上ることも増えそうだ。

●AIプレートが立体画像の状況を一変

 これまで、立体的に画像を映し出す技術としてはホログラムと呼ばれるものがあった。特殊なフィルム(フォイル)を利用し、あたかもそこに実在するかのように見える立体映像を出現可能にするもので、2014年5月の米「ビルボード・ミュージック・アワード2014」での故マイケル・ジャクソンによるホログラムパフォーマンスを思い浮かべる人もいるだろう。

 ただ、こうした技術の多くは特殊なフィルムや水蒸気、煙などに映像を映し出すもので、いわば疑似的に空中に画像が浮いているように見せているだけのものだった。しかし、こうした現状を一変させる可能性があるのが、アスカネット <2438> [東証M]の「AIプレート」だ。

●空中タッチパネルの可能性も

 AIプレートは、同社独自の空中結像技術をもとに開発した製品で、ガラスや樹脂などでできた特殊なパネルを通過させることで、実像の反対側の等距離の空中に実像を結像させるというもの。プレート自体の厚さは1センチメートルに満たず、特殊な環境を必要としないので、広範囲な機器との組み合わせが可能で、既に店舗やイベントなどの広告ディスプレーとして実用例も増えている。

 さらに、他の技術を融合させることで、空中画像に聴覚や触覚などを与えて、新たな操作機器としての活用も可能になる。空中に浮かんだタッチパネル的なイメージを思い浮かべると良いが、必要な場面だけに現れるので存在が邪魔にならず、衛生管理の必要がないなどのメリットがある。こうした技術の実現にはまだ月日がかかるものの、AIプレートの登場でさまざまな企業が空中ディスプレーの活用を考え始めたことは、今後の開発に弾みをつけそうだ。

●シャープも「空中表示素子」を開発

 アスカネットのほかにも空中に画像を表示する技術を開発する企業はあり、シャープ <6753> [東証2]は、空中に画像を表示することができる「空中表示素子」を開発。液晶ディスプレーなどに表示された映像を素子を通して反射することで、空中に映すことができるようにした。また、三菱電機 <6503> は人が映像の中を通り抜けることができる空中ディスプレーを開発。さらに、日本カーバイド工業 <4064> も昨年の「ファインテックジャパン フラットパネルディスプレイ技術展」に、リフレクターで映像を反射させて空中に像を映す空中ディスプレーを出展している。

●大日印、パナソニックがAIプレートを活用

 ただ、現時点では関連銘柄の代表格はアスカネットとなりそうだ。同社はAIプレートを素材として提供しており、これを活用した新しい製品やサービスを手掛ける企業が近年急速に増えている。

 大日本印刷 <7912> はAIプレートを利用した次世代のプロモーションツールを昨秋に発売。センサーを取り付けることで、手の動きに合わせて、空中の映像を操作することも可能だという。

 また、パナソニック <6752> は、画面に直接触れることなくインタラクティブな操作が可能な「4Kサイネージソリューション」の一つにAIプレートを活用している。

●新光商事はSF映画の世界を実現へ

 一方、新光商事 <8141> では空間に浮かんだ映像をタッチ・フリック操作可能な未来型インターフェース「AIplay」をアスカネットやNEC <6701> 傘下のNECソリューションイノベータと開発。まさにSF映画さながらの空中ディスプレーのタッチ操作を実現させた。

 さらに、同社では昨年、「AIplay」の空中触覚ユニット付き非接触受付端末を発表したが、ここで使われている超音波の音響放射圧を利用した触覚ディスプレー技術は、東京大学がキヤノン <7751> などと開発。開発には日本セラミック <6929> の空中超音波送信用振動子などが使われており、関連銘柄も広がりを見せている。

株探ニュース

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