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2017年04月26日20時00分

【特集】来るか「直近IPO」、懸念後退で中小型株に復活の足音 <株探トップ特集>

マザーズ指数 <日足> 「株探」多機能チャートより

―IPO端境期入りで3~4月上場株への関心継続、物色人気の再燃に期待―

 全般相場が上昇基調を強めるなか、直近IPO株を含む中小型株に再評価機運が高まっている。今月中旬にかけ株式市場全般が軟調基調となると、格好の利益確定売りの対象となったのが中小型株だった。ただ、市場環境の改善とともに、中小型株には見直し機運が膨らんでいる。今後、直近IPO銘柄などの中小型株はゴールデンウイーク(GW)から来月にかけ物色人気の再燃が期待されている。

●地政学リスクで一番割を食ったセクター

 足もとの中小型株は激しい値動きを演じている。東証マザーズ指数は3月10日の1086.63が、4月14日の971.22まで約11%下落した。同期間の日経平均株価の約6%下落に比べ厳しい下げを記録した。ただ、足もとでは反発基調を強め26日のマザーズ指数も1021.00と回復してきている。

 「北朝鮮による地政学リスクの影響を最も受けたのは日本株。その中でも、中小型株は利益捻出のための格好の売り対象となった」(市場関係者)という。特に、大きく値が乗った直近IPO銘柄などに利益確定売りが集中した。北朝鮮リスクで最も割を食ったセクターが、中小型株とも言える。ただ、足もとでフランス大統領選への懸念とともに北朝鮮絡みの地政学リスクも後退したことで「中小型株への物色機運は再度強まりつつある」(同)様子だ。

●IPOはいったん端境期入り、3~4月上場銘柄の物色継続

 特に、中小型株のなかでも直近IPO銘柄への市場の関心は高い。25日に東証マザーズに新規上場したアセンテック <3565> [東証M]は、この日公開価格の3.0倍で初値をつけるなど物色人気が続いている。

 とりわけ、5月のIPOは予定されておらず、当面、IPOは端境期を迎える。このなか3月から4月だけで20数社が新規上場したが、これら直近IPO銘柄群は、「値幅取りが狙える物色対象として人気が継続する可能性が高い」(中小型株アナリスト)とみられる。

 直近IPOは話題性の高い銘柄の宝庫だ。3月IPOでは、博多ラーメン店「一風堂」を手掛ける力の源ホールディングス <3561> [東証M]や著名コピーライターの糸井重里氏が社長を務めるほぼ日 <3560> [JQ]、回転ずしチェーン「スシロー」を手掛けるスシローグローバルホールディングス <3563> などが登場し話題を呼んだ。また、先月24日に東証マザーズに新規上場したバイオベンチャー企業のソレイジア・ファーマ <4597> [東証M]は公開価格から3倍強に急騰し、売買代金では全市場ベースで上位に顔を出していることが話題を呼んでいる。

 公開価格から2倍、3倍になった銘柄も多いだけに、株価の上下をうまく活用すれば値幅取りが狙えることは魅力だ。例えば、今月6日に東証マザーズに上場したEC(電子商取引)事業者の支援システムを手掛けるテモナ <3985> [東証M]は公開価格から3倍強となる8800円まで急伸後、5170円まで下落したが、その後9000円台まで値を上げ高値を更新している。上下3000円強の値幅があった格好だ。同様に18日にマザーズに上場した旅工房 <6548> [東証M]も株価が下落した後、一転切り返す動きをみせている。今後も、値幅取り狙いは活発化しそうだ。

●IIF、ズーム、TKPなどに上値余地も

 さらに中小型株アナリストは、今後の直近IPO銘柄をみるうえでは「5月中旬に集中する決算発表が重要になる」という。5月11日に四半期決算を発表するユーザーローカル <3984> [東証M]や、12日に本決算発表の力の源HDとファイズ <9325> [東証M]、15日に四半期決算発表のオロ <3983> [東証M]などの結果が関心を集めている。

 直近IPO銘柄のなかには、すでに大きく値を飛ばした銘柄も少なくないが、アナリストからはヘルスケア関連のインターネットインフィニティ <6545> [東証M]、貸会議室サービスのティーケーピー <3479> [東証M]、アマゾン関連のファイズ、音楽用電子機器のズーム <6694> [JQ]、プリント基板製造受託のピーバンドットコム <3559> [東証M]などに、投資妙味を指摘する見方も出ている。

●サイバダインの今期黒字転換に期待も

 また、既存の東証マザーズ・ジャスダック上場企業の決算発表も高い関心を集めている。東証マザーズ時価総額上位3社ではミクシィ <2121> [東証M]が5月10日、CYBERDYNE <7779> [東証M]が同15日、そーせいグループ <4565> [東証M]が12日に決算発表を予定している。

 特にサイバダインは、医療用ロボットの需要が伸びており「18年3月期は初の黒字化が視野に入る可能性も」(アナリスト)との観測が浮上している。サイバダインが黒字転換に成功すれば、中小型株全般へのセンチメントが改善し、全体相場を活性化することも期待されている。

株探ニュース

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